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八丈島のタコウナに関する聞き書き

2017年07月27日 17時00分22秒 | 島料理/島の幸
7月25日(月)八丈島のタコウナについて聞き取り調査を行いました。
島内でお話を伺った方々からの情報をここにまとめておきます。


能勢かおりさん

この調査は能勢かおりさんと2人で行いました。
民俗植物学に興味のある能勢さんがタコウナについて調べようと思ったのは、
今年の6月に仕事で八丈島を訪れた際にタコウナを購入して、
自宅で茹でて食べたところ苦味があるので不思議に思い、
この苦いタケノコはメダケではないのか?と思ったのがきっかけです。

メダケは本州(関東以西)、四国、九州に分布しているが食用とされてない。
ごく一部、山口県の方で食べられているが、
茹でる際に工夫して苦味を抜いて食べている。
八丈島ではこの苦味をおいしいとしているのがめずらしい。
八丈島の人々はなぜ苦いタコウナが好きなのか?
この辺りに興味をそそられたそうです。

わたしはツイッターでタコウナに関する疑問を書いていた能勢さんを見つけ、
情報交換するうちに、一緒にタコウナについて調査することとなりました。
能勢さんは今回の聞き取り調査の結果を専門誌にレポートとして発表し、
わたしはブログにまとめておいて、いずれ八丈島の食文化に関する冊子を
作りたいと考えています。


南国のおじさん(大賀郷)

南国さんには24日(日)の夜に伺いました。
南国さんでは話があちらこちらに逸れて、
あまりタコウナについてのお話は聞けませんでした。

タコウナは子どもの頃から食べた。焼いて食べることが多い。
季節に採って、食卓に並ぶこともある。その場合は醤油味の煮付け。
島魚と酢味噌にすることもある。これがおいしい。


福田栄子さん(栄子おば)(民宿経営)(中之郷)

子どもの頃は薪で風呂を炊くときに突っ込んで焼いて食べた。
(薪を燃やし下に灰が落ちる。その中に入れて焼く)

家の周囲の笹は「家竹(えだけ)」「青しび」といい、かたくて苦い。
これは焼いて食べる。焼くと苦い竹がおいしくなる。
何もつけず素材の味を楽しんでいた。
竹薮の奥にある白いタコウナがおいしくて良いもの。

味噌煮にすると柔らかくなる。鰹節を入れる。
または油で炒め、醤油をちょっと入れて煮る。

昭和40年代に中之郷では樽で塩漬けにするのが大々的に流行。
みんなでたくさん採りに行って、沢庵のように重石をしてペタンコに漬ける。
食べる際には塩抜きをして、炒めて煮るとおいしかった。
その後は冷凍できる冷蔵庫が普及して、茹でて冷凍するようになった。


菊池義郎さん(日の出花壇)(中之郷)

タコウナは照葉樹林である三原山にたくさんある。
竹は土地が肥えてないと生えないので、新しい山である八丈富士には少ない。
(三原山の最後の噴火は4000年前で、10万年の歴史がある古い山である)
それで坂上地区を中心に食べられていた。

苦いメダケは野生のもので、ヤダケは後に持ち込まれたものではないか。
メダケは漆喰(しっくい)の骨にし、ヤダケは糸紡ぎに使われていた。
真竹は山の川沿いにあるので、八丈島には昔からあったのではないか。
真竹は家の樋(とい)に使ったりして貴重な竹だから食べなかった。
孟宗竹は植えた人がいるが八丈島では増えない。気候が合わないのかも。

苦いメダケの方がおいしい。
皮ごと焼くのが一番おいしく、いくらでも食べられる。
苦くないヤダケは、あってもたくさん食べない。おいしくない。
メダケは苦味とともに味があると思う。


笹本直衛さん(元八丈町長)(三根)

三根では子どもの頃はタコウナは食べたことがなかった。
大人になり、八丈島へ戻ってきたときに、はじめて末吉で食べた。
こんなものを食べているのか~と驚いた。

八丈小島には竹が多く、昔は竹製品を作っていたことがある。
鹿児島の十島村には苦くないタコウナのような商品がある。
パック詰めしたものを送ってもらって食べたことがある。


菊池昭仁さん(オアシス園)(中之郷)(画像左)
森川さん(森秀)(大賀郷)(画像右)

■菊池昭仁さん(中之郷)
ヤダケは昔から家の周囲に植えられていた。
風呂の周囲にもヤダケが生えているので風呂の火にくべて食べた。
ヤダケは味がない。メダケは苦いが味がある。

八丈富士には竹がなかったが、三原山の土を客土したことで竹が増えた。
昭和2年に昔の空港ができたが、これが昭和20~30年頃に民間に払い下げられ、
そのときはじめて客土した。
また、八重根の新港(八重根漁港)を掘った際に、その土を客土した。

■森川さん(大賀郷)
大賀郷では子どもの頃からタコウナは食べていた。
焼いて食べたり、煮付けたり。


小坂武宏さん(中之郷)

苦いのを天ぷらで食べるのが最高にうまい。
キクラゲの煮付けにタコウナを入れるのも最高。


吉田繁夫(大賀郷)

子どもの頃は小笠原の硫黄島に住んでいた。
小笠原には竹がなく食べたことがなかった。


中之郷えこ・あぐりまーとにて

あぐりまーとでいつもお茶会されてる方々です。記念撮影させていただきました。
ここにいつも「いそざきえん」の磯崎光太郎さんもいらっしゃるのですが、
今回は上京中でご不在でした。


磯崎光太郎さん(いそざきえん)(樫立)

今回は磯崎光太郎さんを中心にお話を伺う予定でしたが、
上京中の光太郎さんの帰島が延びて、能勢さんが帰る便で帰島され、
お疲れのところを空港で15分だけお話伺いました。

*八丈島のタコウナと伊豆諸島のタケノコ食文化について(2017年06月27日)
わたしが光太郎さんから伺ったお話はこちらにまとめてあります。

今回の聞き取り調査では、八丈富士側になかった竹が客土によってもたらされ、
その後は三根地区でも食べられるようになったことがわかりました。
また、大賀郷では大里や八重根に竹があったため、以前から食べられていたようです。

能勢さんは、タコウナは家族で採りに行って食べるものだったか?
という質問をされてましたが、家族で採りに行く方は少なく、
子ども達が家の周辺にある竹を焼いて食べたり、
流行的に主婦達が集まって採りに行って塩漬けにしたりするものだったようです。

現代の八丈島のタコウナは、「えこ・あぐりまーと」でタコウナ祭りがあったり、
あさぬまでも皮をむいたタコウナが販売されているので求めやすくなり、
食べ方も工夫されて一般的に食卓のおかずとして登場することが多くなりました。

能勢さんのレポートが専門誌に掲載されるのには時間がかかるそうですが、
掲載されたらお知らせしますね。能勢さん、お疲れ様でした。
聞き取りさせていただいた八丈島の先輩の皆様、ありがとうございました!

※この記事と前の記事に書かれている以外のタコウナに関する情報を
お持ちの方がいらしたら、ぜひお話を伺わせていただきたいです。


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疲労回復に!鶏むね肉ソテーのバルサミコソース

2017年07月27日 05時23分21秒 | 肉料理
みなさま、おはようございます!海風おねえさんです。
八丈島の今日のお天気は、東の風、曇り、
最高気温30℃、最低気温24℃の予報です。
※本日の定期船とエア便は通常通りの予定です。

昨夜は久しぶりに雨が降ってくれてうれしい7月27日(木)です。
畑をなさってる方々はホッとされたことでしょう。



*強い台風5号に9号も 動き要注意(日直予報士) - 日本気象協会 tenki.jp
気になる台風の動きですが、昨日、台風9号も発生しました。
5号はこちらに向かってこないようで一安心ですが、
明日の後半は波が4メートルうねりを伴うそうですからお気をつけください。


鶏むね肉ソテーのバルサミコソース

さて、このところ行事や来客が続き、お料理をUPしそびれていました。
数日前に作ったチキンソテーのバルサミコソースです。
チキンは鶏むね肉を使っています。

島市の松木さんとお話する機会があり、お互いの体調の話になりました。
いつもお元気に見える松木さんですが、体調がよくないと感じることが多く、
(疲れやすい、だるい)といった症状に悩まされることが多かったそうです。
ところがテレビで「鶏むね肉を毎日食べるとだるさがとれる」と聞き、
毎日鶏むね肉を食べていたら本当にだるさがとれたとのこと。

*最近やたら疲れやすい人は「鶏むね肉」を食べなさい!|All About
疲労回復物質として、現在、最も注目されているのが
イミダゾールジペプチドというアミノ酸。
イミダペプチドは200~400mgを毎日摂取するのが理想とされています。
鶏胸肉のおよそ約100gに、200mg分のイミダペプチドが含まれています。

イミダペプチドが最も力を発揮するのは摂取開始数日後から、
継続摂取した2週間後以降ということが分かってきました。
疲れた時にすぐ摂るだけでは、抗疲労効果が存分に発揮されないので、
2週間以上イミダペプチドを摂取し続ける必要があるそうです。

しかし、毎日鶏むね肉ばかり食べるのは難しいので、
他にどんな食品に含まれているのか調べてみました。
イミダペプチドが多く含まれる食品ベスト5は、
1.鶏肉(特に鶏むね肉)2.マグロ(カツオ)3.鯨肉4.牛肉・豚肉・5羊肉

なるほど、鶏むね肉が一番効果があり使いやすそうですから、
疲れやすい方は、鶏むね肉を頻繁に食べながら、
合間に牛肉・豚肉・マグロ・カツオを食べるのがよさそうです。
わたしも年とともに疲れやすさを感じているので、
鶏むね肉をマメに食べようと思った次第です。



鶏むね肉は皮の逆側に切り込みを入れて観音開きにし塩胡椒して、
両面をソテーしたら酒をふりかけ蓋をして蒸し焼きにします。
ついでにネリもソテーしました。



取り出したフライパンに、バルサミコ酢、酒、醤油、黒糖少々入れて煮詰め、
チキンソテーにかけて出来上がりです。

基本はバルサミコ酢にワイン、甘味を少々、フルーツソースを混ぜてもおいしい。
今回わたしはコクを出すために黒糖を使いましたが、ハチミツでもみりんでも。
マスタードを混ぜることもあります。



暑くなったせいかバルサミコがおいしく感じるので、
このところお肉を焼いてはバルサミコソースで食べることが多いです。
おいしいのでお試しくださいね。


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