7月25日(月)八丈島のタコウナについて聞き取り調査を行いました。
島内でお話を伺った方々からの情報をここにまとめておきます。
能勢かおりさん
この調査は能勢かおりさんと2人で行いました。
民俗植物学に興味のある能勢さんがタコウナについて調べようと思ったのは、
今年の6月に仕事で八丈島を訪れた際にタコウナを購入して、
自宅で茹でて食べたところ苦味があるので不思議に思い、
この苦いタケノコはメダケではないのか?と思ったのがきっかけです。
メダケは本州(関東以西)、四国、九州に分布しているが食用とされてない。
ごく一部、山口県の方で食べられているが、
茹でる際に工夫して苦味を抜いて食べている。
八丈島ではこの苦味をおいしいとしているのがめずらしい。
八丈島の人々はなぜ苦いタコウナが好きなのか?
この辺りに興味をそそられたそうです。
わたしはツイッターでタコウナに関する疑問を書いていた能勢さんを見つけ、
情報交換するうちに、一緒にタコウナについて調査することとなりました。
能勢さんは今回の聞き取り調査の結果を専門誌にレポートとして発表し、
わたしはブログにまとめておいて、いずれ八丈島の食文化に関する冊子を
作りたいと考えています。
南国のおじさん(大賀郷)
南国さんには24日(日)の夜に伺いました。
南国さんでは話があちらこちらに逸れて、
あまりタコウナについてのお話は聞けませんでした。
タコウナは子どもの頃から食べた。焼いて食べることが多い。
季節に採って、食卓に並ぶこともある。その場合は醤油味の煮付け。
島魚と酢味噌にすることもある。これがおいしい。
福田栄子さん(栄子おば)(民宿経営)(中之郷)
子どもの頃は薪で風呂を炊くときに突っ込んで焼いて食べた。
(薪を燃やし下に灰が落ちる。その中に入れて焼く)
家の周囲の笹は「家竹(えだけ)」「青しび」といい、かたくて苦い。
これは焼いて食べる。焼くと苦い竹がおいしくなる。
何もつけず素材の味を楽しんでいた。
竹薮の奥にある白いタコウナがおいしくて良いもの。
味噌煮にすると柔らかくなる。鰹節を入れる。
または油で炒め、醤油をちょっと入れて煮る。
昭和40年代に中之郷では樽で塩漬けにするのが大々的に流行。
みんなでたくさん採りに行って、沢庵のように重石をしてペタンコに漬ける。
食べる際には塩抜きをして、炒めて煮るとおいしかった。
その後は冷凍できる冷蔵庫が普及して、茹でて冷凍するようになった。
菊池義郎さん(日の出花壇)(中之郷)
タコウナは照葉樹林である三原山にたくさんある。
竹は土地が肥えてないと生えないので、新しい山である八丈富士には少ない。
(三原山の最後の噴火は4000年前で、10万年の歴史がある古い山である)
それで坂上地区を中心に食べられていた。
苦いメダケは野生のもので、ヤダケは後に持ち込まれたものではないか。
メダケは漆喰(しっくい)の骨にし、ヤダケは糸紡ぎに使われていた。
真竹は山の川沿いにあるので、八丈島には昔からあったのではないか。
真竹は家の樋(とい)に使ったりして貴重な竹だから食べなかった。
孟宗竹は植えた人がいるが八丈島では増えない。気候が合わないのかも。
苦いメダケの方がおいしい。
皮ごと焼くのが一番おいしく、いくらでも食べられる。
苦くないヤダケは、あってもたくさん食べない。おいしくない。
メダケは苦味とともに味があると思う。
笹本直衛さん(元八丈町長)(三根)
三根では子どもの頃はタコウナは食べたことがなかった。
大人になり、八丈島へ戻ってきたときに、はじめて末吉で食べた。
こんなものを食べているのか~と驚いた。
八丈小島には竹が多く、昔は竹製品を作っていたことがある。
鹿児島の十島村には苦くないタコウナのような商品がある。
パック詰めしたものを送ってもらって食べたことがある。
菊池昭仁さん(オアシス園)(中之郷)(画像左)
森川さん(森秀)(大賀郷)(画像右)
■菊池昭仁さん(中之郷)
ヤダケは昔から家の周囲に植えられていた。
風呂の周囲にもヤダケが生えているので風呂の火にくべて食べた。
ヤダケは味がない。メダケは苦いが味がある。
八丈富士には竹がなかったが、三原山の土を客土したことで竹が増えた。
昭和2年に昔の空港ができたが、これが昭和20~30年頃に民間に払い下げられ、
そのときはじめて客土した。
また、八重根の新港(八重根漁港)を掘った際に、その土を客土した。
■森川さん(大賀郷)
大賀郷では子どもの頃からタコウナは食べていた。
焼いて食べたり、煮付けたり。
小坂武宏さん(中之郷)
苦いのを天ぷらで食べるのが最高にうまい。
キクラゲの煮付けにタコウナを入れるのも最高。
吉田繁夫(大賀郷)
子どもの頃は小笠原の硫黄島に住んでいた。
小笠原には竹がなく食べたことがなかった。
中之郷えこ・あぐりまーとにて
あぐりまーとでいつもお茶会されてる方々です。記念撮影させていただきました。
ここにいつも「いそざきえん」の磯崎光太郎さんもいらっしゃるのですが、
今回は上京中でご不在でした。
磯崎光太郎さん(いそざきえん)(樫立)
今回は磯崎光太郎さんを中心にお話を伺う予定でしたが、
上京中の光太郎さんの帰島が延びて、能勢さんが帰る便で帰島され、
お疲れのところを空港で15分だけお話伺いました。
*八丈島のタコウナと伊豆諸島のタケノコ食文化について(2017年06月27日)
わたしが光太郎さんから伺ったお話はこちらにまとめてあります。
今回の聞き取り調査では、八丈富士側になかった竹が客土によってもたらされ、
その後は三根地区でも食べられるようになったことがわかりました。
また、大賀郷では大里や八重根に竹があったため、以前から食べられていたようです。
能勢さんは、タコウナは家族で採りに行って食べるものだったか?
という質問をされてましたが、家族で採りに行く方は少なく、
子ども達が家の周辺にある竹を焼いて食べたり、
流行的に主婦達が集まって採りに行って塩漬けにしたりするものだったようです。
現代の八丈島のタコウナは、「えこ・あぐりまーと」でタコウナ祭りがあったり、
あさぬまでも皮をむいたタコウナが販売されているので求めやすくなり、
食べ方も工夫されて一般的に食卓のおかずとして登場することが多くなりました。
能勢さんのレポートが専門誌に掲載されるのには時間がかかるそうですが、
掲載されたらお知らせしますね。能勢さん、お疲れ様でした。
聞き取りさせていただいた八丈島の先輩の皆様、ありがとうございました!
※この記事と前の記事に書かれている以外のタコウナに関する情報を
お持ちの方がいらしたら、ぜひお話を伺わせていただきたいです。
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能勢かおりさん
この調査は能勢かおりさんと2人で行いました。
民俗植物学に興味のある能勢さんがタコウナについて調べようと思ったのは、
今年の6月に仕事で八丈島を訪れた際にタコウナを購入して、
自宅で茹でて食べたところ苦味があるので不思議に思い、
この苦いタケノコはメダケではないのか?と思ったのがきっかけです。
メダケは本州(関東以西)、四国、九州に分布しているが食用とされてない。
ごく一部、山口県の方で食べられているが、
茹でる際に工夫して苦味を抜いて食べている。
八丈島ではこの苦味をおいしいとしているのがめずらしい。
八丈島の人々はなぜ苦いタコウナが好きなのか?
この辺りに興味をそそられたそうです。
わたしはツイッターでタコウナに関する疑問を書いていた能勢さんを見つけ、
情報交換するうちに、一緒にタコウナについて調査することとなりました。
能勢さんは今回の聞き取り調査の結果を専門誌にレポートとして発表し、
わたしはブログにまとめておいて、いずれ八丈島の食文化に関する冊子を
作りたいと考えています。
南国のおじさん(大賀郷)
南国さんには24日(日)の夜に伺いました。
南国さんでは話があちらこちらに逸れて、
あまりタコウナについてのお話は聞けませんでした。
タコウナは子どもの頃から食べた。焼いて食べることが多い。
季節に採って、食卓に並ぶこともある。その場合は醤油味の煮付け。
島魚と酢味噌にすることもある。これがおいしい。
福田栄子さん(栄子おば)(民宿経営)(中之郷)
子どもの頃は薪で風呂を炊くときに突っ込んで焼いて食べた。
(薪を燃やし下に灰が落ちる。その中に入れて焼く)
家の周囲の笹は「家竹(えだけ)」「青しび」といい、かたくて苦い。
これは焼いて食べる。焼くと苦い竹がおいしくなる。
何もつけず素材の味を楽しんでいた。
竹薮の奥にある白いタコウナがおいしくて良いもの。
味噌煮にすると柔らかくなる。鰹節を入れる。
または油で炒め、醤油をちょっと入れて煮る。
昭和40年代に中之郷では樽で塩漬けにするのが大々的に流行。
みんなでたくさん採りに行って、沢庵のように重石をしてペタンコに漬ける。
食べる際には塩抜きをして、炒めて煮るとおいしかった。
その後は冷凍できる冷蔵庫が普及して、茹でて冷凍するようになった。
菊池義郎さん(日の出花壇)(中之郷)
タコウナは照葉樹林である三原山にたくさんある。
竹は土地が肥えてないと生えないので、新しい山である八丈富士には少ない。
(三原山の最後の噴火は4000年前で、10万年の歴史がある古い山である)
それで坂上地区を中心に食べられていた。
苦いメダケは野生のもので、ヤダケは後に持ち込まれたものではないか。
メダケは漆喰(しっくい)の骨にし、ヤダケは糸紡ぎに使われていた。
真竹は山の川沿いにあるので、八丈島には昔からあったのではないか。
真竹は家の樋(とい)に使ったりして貴重な竹だから食べなかった。
孟宗竹は植えた人がいるが八丈島では増えない。気候が合わないのかも。
苦いメダケの方がおいしい。
皮ごと焼くのが一番おいしく、いくらでも食べられる。
苦くないヤダケは、あってもたくさん食べない。おいしくない。
メダケは苦味とともに味があると思う。
笹本直衛さん(元八丈町長)(三根)
三根では子どもの頃はタコウナは食べたことがなかった。
大人になり、八丈島へ戻ってきたときに、はじめて末吉で食べた。
こんなものを食べているのか~と驚いた。
八丈小島には竹が多く、昔は竹製品を作っていたことがある。
鹿児島の十島村には苦くないタコウナのような商品がある。
パック詰めしたものを送ってもらって食べたことがある。
菊池昭仁さん(オアシス園)(中之郷)(画像左)
森川さん(森秀)(大賀郷)(画像右)
■菊池昭仁さん(中之郷)
ヤダケは昔から家の周囲に植えられていた。
風呂の周囲にもヤダケが生えているので風呂の火にくべて食べた。
ヤダケは味がない。メダケは苦いが味がある。
八丈富士には竹がなかったが、三原山の土を客土したことで竹が増えた。
昭和2年に昔の空港ができたが、これが昭和20~30年頃に民間に払い下げられ、
そのときはじめて客土した。
また、八重根の新港(八重根漁港)を掘った際に、その土を客土した。
■森川さん(大賀郷)
大賀郷では子どもの頃からタコウナは食べていた。
焼いて食べたり、煮付けたり。
小坂武宏さん(中之郷)
苦いのを天ぷらで食べるのが最高にうまい。
キクラゲの煮付けにタコウナを入れるのも最高。
吉田繁夫(大賀郷)
子どもの頃は小笠原の硫黄島に住んでいた。
小笠原には竹がなく食べたことがなかった。
中之郷えこ・あぐりまーとにて
あぐりまーとでいつもお茶会されてる方々です。記念撮影させていただきました。
ここにいつも「いそざきえん」の磯崎光太郎さんもいらっしゃるのですが、
今回は上京中でご不在でした。
磯崎光太郎さん(いそざきえん)(樫立)
今回は磯崎光太郎さんを中心にお話を伺う予定でしたが、
上京中の光太郎さんの帰島が延びて、能勢さんが帰る便で帰島され、
お疲れのところを空港で15分だけお話伺いました。
*八丈島のタコウナと伊豆諸島のタケノコ食文化について(2017年06月27日)
わたしが光太郎さんから伺ったお話はこちらにまとめてあります。
今回の聞き取り調査では、八丈富士側になかった竹が客土によってもたらされ、
その後は三根地区でも食べられるようになったことがわかりました。
また、大賀郷では大里や八重根に竹があったため、以前から食べられていたようです。
能勢さんは、タコウナは家族で採りに行って食べるものだったか?
という質問をされてましたが、家族で採りに行く方は少なく、
子ども達が家の周辺にある竹を焼いて食べたり、
流行的に主婦達が集まって採りに行って塩漬けにしたりするものだったようです。
現代の八丈島のタコウナは、「えこ・あぐりまーと」でタコウナ祭りがあったり、
あさぬまでも皮をむいたタコウナが販売されているので求めやすくなり、
食べ方も工夫されて一般的に食卓のおかずとして登場することが多くなりました。
能勢さんのレポートが専門誌に掲載されるのには時間がかかるそうですが、
掲載されたらお知らせしますね。能勢さん、お疲れ様でした。
聞き取りさせていただいた八丈島の先輩の皆様、ありがとうございました!
※この記事と前の記事に書かれている以外のタコウナに関する情報を
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