暮れてゆく春の名残りを惜しむ間もなく、季節はすでにはつ夏へと急ぎ足です。今年は例年より少し藤の開花が早かったようです。もう、急な階段を上る吉祥寺はもちろんのこと、浄光寺の藤も無理なので、以前の写真で藤の甘い香りを懐かしみ、揺れる花房を眺めています。
牡丹の妖艶もいささか圧倒される思いがしていますが、何とか形にと試行錯誤しています。蕪村の句を抱いて、まだイメージしている姿とは違っていますので、落款も押せずにいます。
曾孫の初節句で、愛らしい姿に元気をもらっています。何枚か描いた中からどれを送ろうかと迷っています。賛も何としたものかと。
金の色ははじくようで、地塗りした臙脂との重なりも、さなきだに迷いの筆が見苦しくなっています。ご寛容のほどを。