雀の手箱

折々の記録と墨彩画

遺された作品

2019年08月04日 | 塵界茫々
 2003年、7年間過ごしたブラジルに、仕事のある夫を残して義父の介護のために帰国したころ、市内の展覧会で偶然目にした墨彩画の強烈な線と、洒脱な表現にひかれてグループに参加させていただき、以来十数年が経過しました。
 メンバーは個性的な人が多く、それぞれが自分の領域を持っていて、合評会では一歩も引かない主張が楽しくて愉快でした。私が最年長です。
 このグループの中心的な存在で、いわば指導者的立場だった70代のNさんが先月末に旅立ちました。2月ぐらいから食欲不振を口にされていましたが、余命2年の肺癌の宣告が出てから僅か四ヶ月のことでした。
 折に触れての幅広い教養に教えられることも多く、画題も多岐にわたり多彩でした。提出される絵に共感すると、惜しげもなく「気に入ったならどうぞ。」と労作をいただいたものでした。
 このところ同級生の友人の他界も今年になって3人です。齢90歳の卒寿ですから当たり前なのでしょうが、やはり痛切なものがあります。葬儀の会場を後にするときの寂寥は何日も後を引きます。


 今日は頂いた作品のなかから、今の季節のものを何点か選んでの遺作展です。