雀の手箱

折々の記録と墨彩画

藍染の美―筒描

2011年01月10日 | 雀の足跡
 シャガール展開催中の福岡市美術館では、新春とあって、美術館が誇る松永コレクションも新春名品展を開催中でした。
 古美術室では、企画展として、「藍染の美―筒描」も開催中で、吉祥文の布団や夜着、半纏などの、江戸時代から明治にかけての名品が展示されていました。婚礼布団の鏡表はおめでたい図柄が丹精こめて作られており、100号近い大作に、松竹梅や鶴亀、宝尽くし、蓬莱山と、職人が腕を振るって慶びに華やぎをそえています。

 筒がきに用いられた道具も展示されていて、若い日、ロウケツ染めの線描きに使っていたチャンチンとは違う、デコレーションケーキ用のクリーム搾り出し袋そっくりの素朴な大きい道具から生まれた文様の見事さに見とれました。
 同じく糊を用いて筒描で防染する友禅とは異なる味わいと何よりも力強さがあります。

チラシの解説より
「日本の模様染めに、筒状の袋に入った糊を手で搾り出しながら布面において防染する筒描という技法があります。フリーハンドで糊を置くこの技法は、型染めとは異なって大量生産には向きませんが、思い通りの文様を描きだすことが可能であり、高級呉服として知られる茶屋染や友禅染にも用いられてきました。
 筒描技法は木綿地や麻地を用いた布団、夜着、風呂敷、暖簾、袢纏など庶民の生活に用いられる品々をも彩ってきました・・・・筒描で模様染めされた染物は、長い間特に名前を付されることもなく、注目を浴びることもありませんでしたが、1920年代ごろに柳宗悦らが、筒描で模様を染めた夜着や風呂敷に高級呉服とは異なる美を見出したことから、世に価値が認められていくことになり、技法の名を借りて「筒描」と総称されるようになりました。」



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
手仕事の日本 ()
2011-01-10 13:34:26
 民藝館や寛次郎記念館でその一部は拝見していますが、あらためて工芸の美に感嘆します。 まさに手仕事の日本、名もなき職人さんたちの「力強い美」が伝わります。おめでたい大胆な柄も踊るようですね。
 新春の福づくしもうれしい、ありがとうございました。
返信する
藍は愛の色 (ふくら雀)
2011-01-11 21:38:45
細部にまで心遣いされた仕事に、江戸の職人達の心意気をみました。
藍はやはりジャパンブルー。日本の色ですね。

蓬莱の山飾りも展示されていて、珍しく拝見しました。
めでた尽くしに、家族の幸せをねがう温かな想いが溢れていて、お正月気分を味わいました。
返信する
雪のお見舞い ()
2011-01-14 22:42:03
 天気予報を見ていると、こちらは雪が多いですね。雪かきなどおからだに障りませんか。おだいじになさって下さいね。
 わざわざうちへいらして下さったのに お見舞いの一言を忘れましたので。

  お返事はご無用です。
返信する
雪と雨 (ふくら雀)
2011-01-17 07:52:30
年明けから雪と雨の日が多く、晴れの日はまだ2日だけです。
今日はどうやら晴れの一日になりそうですが、朝の室内で、温度計を覗いて0度に愕いています。
メタボでも流石に寒さに震えています。お見舞いありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。