雀の手箱

折々の記録と墨彩画

連翹の咲くころ

2016年03月23日 | 塵界茫々

 全国に先駆けて、福岡で桜の開花宣言が19日に出されました。
 娘の帰省で気が緩んだのでしょうか、このところ怠け癖が出ていました。お彼岸もあけやっと一息といったところです。浮き立つ季節の到来ですが、今年は花見に出かけることができるかどうか。夫の状態は、安定はしてきているものの、やはり足元がおぼつかなくなっているので、車椅子での花見車となりそうです。

 櫻はまだ大方は蕾を膨らませた程度ですが、庭では今は連翹が盛りです。蝋梅に始まって、土佐水木、菜の花、と黄色の花が春を告げる中、この色の濃い連翹が黄色の花の最後で、次は紫へと移ります。
 この連翹が咲くと私はしきりに高村光太郎を思い出します。光太郎の命日は4月2日で、この花を愛した彫刻家であり、詩人であった人を偲んで「連翹忌」とよばれています。このころは本箱から「道程」や、「智恵子抄」を出してきます。

 連翹忌のころはもう当地では花は終わりごろとなっています。今年は十和田湖畔に建つ「乙女の像」を見に行き、奥入瀬から八甲田を目指した遠い日の二人旅を思い出しました。



          連翹の奥や碁を打つ石の音  漱石

          連翹に月のほのめく籬かな  草城

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