降り続く梅雨の雨に、篭り居の慰みです。いかにも梅雨の雨らしく、まるで水蒸気の箱の中に暮らしているような湿潤を楽しんでいるのは私くらいのものかと思っています。
雨障み(あまつつみ)と名付けた万葉の歌人たちの語感を好みます。
幸いなことに、激しい雨量の予報は外れて、どうやら明日の博多祇園の追い山は晴れそうな気配です。
あまつつみ常する君はきその夜の雨に懲りにけむかも 坂上郎女 巻四519
笠無みと人には言ひて雨つつみ留まりし君が姿し思ほゆ 作者不詳 巻十一2684
よべより雨降れば、雨つつみの用意すとて人々たちさわぐ・・
壬戌紀行
そういえば、文月7月は七夕月、愛逢月(めであいづき)とも。そして「遣らずの雨」という粋な言の葉もありましたね。