6月末にワーナーからJAZZ MASTERS COLLECTIONシリーズというのが発売されました。このシリーズはルーレット、ルースト等のちょいシブめのレーベルからのセレクトが多いのが特徴で、なかなか通好みのラインナップとなっております。今日ご紹介するのはソニー・スティットが1955年にルーストに吹き込んだ1枚で、邦題では「ニアネス・オヴ・ユー」の副題が付いていますが、原題は単にSonny Stitt Playsです。スティットは過去に本ブログでも何度か(アトランティック盤「トップ・ブラス」、ヴァーヴ盤「サキソフォン・スプレマシー」、「ヴァーモントの月」)取り上げましたが、40年代から一貫してビバップ一筋を貫き通したジャズマンです。作風はワンパターンと評されることもありますが、反面スティットならではの魅力があるのも事実です。
曲は全8曲。うち5曲がいわゆる歌モノスタンダードで、残り3曲が自作のバップ・ナンバーです。メンバーはハンク・ジョーンズ(ピアノ)、ウェンデル・マーシャル(ベース)、シャドウ・ウィルソン(ドラム)のトリオを基本に、前半4曲でベイシー楽団のフレディ・グリーン(ギター)が参加しています。グリーンはここでもズンズンズンとリズムを刻むのみで、後はひたすらスティットがアルトを吹きまくり、そこにハンク・ジョーンズが短いながらもキラリと光るピアノ・ソロを挟むというパターンです。スティットの演奏は良く言えばフレージングが豊か、悪く言えば音数が多すぎるところがありバラードやスローなブルースだと正直ややくどい。解説ではバラードの“Nearness Of You”が名演と絶賛されていますが、個人的には「そこまでフレーズをこねくり回さなくても・・・」と思ってしまいます。“Yesterdays”や自作の“Blues For Bobby”も然り。一方でミディアムやアップテンポの曲は素晴らしい。リズムセクションと一体となって、スティットがノリノリのアドリブでぐいぐい引っ張っていきます。楽曲でいうと冒頭の“There Will Never Be Another You”や“My Melancholy Baby”、そして急速調バップの“Afterwards”あたりですね。サックスを吹くスティットの周りを熱気がもうもうと立ち込めるジャケットも印象的ですね。
曲は全8曲。うち5曲がいわゆる歌モノスタンダードで、残り3曲が自作のバップ・ナンバーです。メンバーはハンク・ジョーンズ(ピアノ)、ウェンデル・マーシャル(ベース)、シャドウ・ウィルソン(ドラム)のトリオを基本に、前半4曲でベイシー楽団のフレディ・グリーン(ギター)が参加しています。グリーンはここでもズンズンズンとリズムを刻むのみで、後はひたすらスティットがアルトを吹きまくり、そこにハンク・ジョーンズが短いながらもキラリと光るピアノ・ソロを挟むというパターンです。スティットの演奏は良く言えばフレージングが豊か、悪く言えば音数が多すぎるところがありバラードやスローなブルースだと正直ややくどい。解説ではバラードの“Nearness Of You”が名演と絶賛されていますが、個人的には「そこまでフレーズをこねくり回さなくても・・・」と思ってしまいます。“Yesterdays”や自作の“Blues For Bobby”も然り。一方でミディアムやアップテンポの曲は素晴らしい。リズムセクションと一体となって、スティットがノリノリのアドリブでぐいぐい引っ張っていきます。楽曲でいうと冒頭の“There Will Never Be Another You”や“My Melancholy Baby”、そして急速調バップの“Afterwards”あたりですね。サックスを吹くスティットの周りを熱気がもうもうと立ち込めるジャケットも印象的ですね。