ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

バーンスタイン/ウェスト・サイド・ストーリー、波止場、ファンシー・フリー

2018-10-04 23:16:12 | クラシック(管弦楽作品)
本日はレナード・バーンスタインの作品をご紹介します。カラヤンと並んで20世紀後半を代表する指揮者として君臨していたバーンスタインですが、一方で作曲家としても多くの作品を残しており、3曲の交響曲をはじめ、ヴァイオリンやフルートのための協奏的作品、さらには合唱曲やミサ曲も残しています。また、ミュージカルや映画音楽の作曲もこなし、特に「ウェスト・サイド・ストーリー」はブロードウェイでロングランとなっただけでなく、映画としても世界中で大ヒットを記録しました。。ただ、生前のバーンスタインはあくまで指揮者として評価されており、作曲家として高く評価されているとは言い難いものがありました。保守的なクラシックの世界においてはミュージカルや映画音楽は大衆向けの音楽であり、オペラや交響曲と比べると一段低く見る傾向が強かったのでしょうね。ただ、そんな風向きも最近は変わりつつあり、特に今年2018年はバーンスタインの生誕100周年ということもあり、生地アメリカだけでなく世界中のオーケストラがこぞってバーンスタインの作品を取り上げ、演奏しています。没後20年近くたってようやく作曲家バーンスタインの評価が確立してきたと言っていいでしょう。



とは言え、CDについてはまだまだ数も少なく、出回っているのはほとんどがバーンスタイン自身が指揮して録音したものばかりです。今日取り上げるCDも彼がニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めていた1960年代の録音です。曲は4曲。まず、最初はオペラ「キャンディード」の序曲。以前にもプレヴィン指揮のものをご紹介しましたが、エネルギッシュな名曲だと思います。続いては「ウェスト・サイド・ストーリー」からのシンフォニック・ダンス。劇中の挿入歌を組曲風にまとめたもので、有名な「ジェット・ソング」「マンボ」「マリア」「サムウェア」等がオーケストラ用にアレンジされています。ただ、同じく有名な曲である「トゥナイト」や「アメリカ」は含まれていません。なぜでしょうね?

続いては映画「波止場(On The Waterfront)」からの交響組曲。監督がエリア・カザン、主演がマーロン・ブランドで1954年に公開された作品で、アカデミー賞作品賞も受賞した名画です。私も映画を見たことがありますが、ミュージカルではないのでその時は音楽のことまで気が回りませんでした。20分弱の作品ですが、ホルンが吹く印象的なテーマ、ヒロインとの恋愛シーンで使われる美しい愛のテーマが聴きモノです。「ウェスト・サイド・ストーリー」に比べれば地味ですが、なかなかの佳曲だと思います。最後がバレエ「ファンシー・フリー」の組曲。こちらはジャズやラテン音楽の要素がかなり濃厚で伝統的なバレエ音楽とは一線を画す内容ですが、ジャンルを超越したバーンスタインの音楽性がよくわかる作品です。
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