ハードバピッシュ&アレグロな日々

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ニールセン/交響曲第3番&第4番

2019-08-03 12:04:28 | クラシック(交響曲)
本日はデンマークの国民的作曲家カール・ニールセンの交響曲2曲をご紹介します。ニールセンについては半年前のブログでも取り上げており、その中でも交響曲や協奏曲は取っつきにくいみたいなことを書いていまが、あらためて聴いてみると全然そんなことはないですね。20代の頃に第4番「不滅」を聴いていまいちピンと来なかった記憶があるのですが、当時の私には理解できなかったのか、そもそも別の曲を聴いたのを記憶違いしていたのか?とにかく普通に良い曲です。曲は単一楽章ですが、実際は4部に分かれており、冒頭の不安げな旋律の後に曲のメインとなる主題が現れます。北欧の雄大な大地を思わせる感動的な旋律で、シベリウスとか好きな人にはたまらないと思います。中間部は地味ですが、フィナーレの部分で再びメインの主題が登場して感動的なクライマックスを迎えます。この曲はニールセンの代表曲とされ、カラヤンやバーンスタインら20世紀の巨匠と呼ばれる人のディスクもありますが、私が購入したのはネーメ・ヤルヴィ指揮イェーテボリ交響楽団のものです。



このCDには交響曲第3番も収録されていますが、こちらもまた良い曲です。この曲にはラテン語でSinfonia Espansivaと言う副題が付けられており、日本語では「広がりの交響曲」と訳されていますが、よく意味がわかりませんね。第1楽章の演奏記号allegro espansivo(快活、広々と開放的に)から付いたとのことですので、無理に訳するとしたら「広々とした開放的な交響曲」と言ったところでしょうか?第1楽章は力強いオーケストレーションで始まるエネルギッシュな曲で中間部はまさに広々と開放的な感じです。第2楽章はゆったりしたアンダンテで後半に入るソプラノとバリトンの独唱が幻想的な雰囲気を醸し出します。第3楽章はスケルツォ風な始まりですが、途中からシベリウス風の旋律が顔を出します。第4楽章はブラームスを思わせる格調高い旋律で堂々としたフィナーレを迎えます。「不滅」に比べると知名度は低いですが全体的な出来としてはこちらの方が充実しているかもしれません。ニールセンは合計で6曲の交響曲を残しており、話によると第5番も傑作との誉れが高いとのことですので、近いうちに購入してみたいと思います。
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