ハードバピッシュ&アレグロな日々

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ショスタコーヴィチ/交響曲第10番

2019-11-19 23:24:23 | クラシック(交響曲)
本日はショスタコーヴィチの交響曲第10番を取り上げます。ショスタコーヴィチについては本ブログで取り上げるのは初めてですね。20世紀で最も偉大な作曲家と呼ばれ、交響曲を15曲、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための協奏曲を2曲ずつ、その他に室内楽、オペラ、映画音楽にいたるまで多くの作品を残したショスタコーヴィチですが、私のコレクションにはほとんどありません。過去にヴァイオリン協奏曲やチェロ協奏曲を聴きましたが前衛的で難解ですし、有名な交響曲第5番や第7番も全体的に重苦しくて親しみが持てませんでした。ただ、今日取り上げる第10番に関しては比較的すんなりと耳に馴染みました。それは私自身がいろんな作曲家の音楽を聴いて間口が広がったのもあるでしょうし、この作品自体がショスタコーヴィチの全交響曲の中で最も演奏機会が多く広く親しまれている作品ということもあるでしょう。今回購入したのはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニーのCDですが、実はカラヤンにとってこれが唯一録音したショスタコーヴィチ作品だそうです。レパートリーの広いカラヤンにしては意外ですが、カラヤンにとってショスタコーヴィチは同世代の作曲家(カラヤンが2歳下)ですのであまりにリアルタイム過ぎたのかもしれません。



肝心の曲の内容ですが、いくらショスタコーヴィチの中では聴きやすいと言っても甘美な旋律などは一切なく、暗く重苦しい旋律が全体を支配しています。第1楽章は22分にも及ぶ長大な楽章でこれだけで全体の半分くらいあります。基本的に同じような旋律の繰り返しですが、暗く物憂げな冒頭部分から徐々に盛り上がって行き、中間部で最高潮に達します。その後は暗い曲調に戻り再び静かに幕を閉じます。続く第2楽章は一転して4分ほどの短さのエネルギッシュな楽章で、後半への「つなぎ」のような役割を果たしています。第3楽章は終始不安げな旋律。第4楽章で爆発する前の「タメ」の部分と言って良いでしょう。第4楽章は文句なしに本曲のハイライトで、特に5分過ぎからフィナーレまでの怒濤の展開はそれまでの暗く陰鬱な展開を振り払うようなカタルシスを得られます。ショスタコーヴィチの交響曲と言えば第5番のフィナーレも有名ですが、同じ旋律の繰り返しがややくどい第5番よりこちらの方がすっきりした終わり方と思います。これまで苦手でしたがショスタコーヴィチの他の交響曲も聴いてみようかと思わせる1枚でした。
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