昨年秋、イチョウなど街路樹が突然伐採されて若干問題になった、秋田市保戸野の「みその通り」の歩道と車道の段差を解消する工事。
場所を変えながら片側交互通行(時折渋滞発生)を伴う本格的な工事が終わって、12月中頃には完了したようだ。
脇道と交わる箇所。12月6日撮影
※上の写真のみその通り側には、路面にスプレーで斜線が引かれている。段差があることを運転者に知らせるものだろう。あのまぎらわしい白線と同じ目的のようだが、こっちのほうが分かりやすい。
工事終了後。12月23日撮影
報道によれば「車道を20センチほどかさ上げして」ということだが、それだけだと、上の写真のような脇道と交わる箇所では、段が残ったり急傾斜になったりして、おかしくなりそう。実際には、脇道接続部や歩道にも微妙な傾斜を付けることで、全体でほぼ平坦にしているのではないだろうか。
ともかく、歩いている分には、高低差が解消されて歩きやすくなった。
新しい道路のよう
ただし、中途半端に伐採されずに残った北端部分は、
歩道の段差もそのまま残った
車道部分は、↑ここまでアスファルトが新しくなっている。ここから微妙に傾斜が始まっているのかも。
ここから本題。
今回工事が行われた区間中ほど、聖園ベビー保育園前には、押しボタン式信号がある。
30年少し前に道路ができた当初は信号機がない横断歩道だったが、保戸野小への通学路であることから、地域からの要望があり、平成初期頃に信号機が設置されたはず。その後、車両用信号機のうち片方だけは、なぜか途中で更新(電球式から電球式に)された。
今回の道路工事に伴って、その信号機も一新された。
10月末【8日追記】道路のかさ上げ工事は未完成
信号柱が新設(更新)された。車両用信号機はフラット型に更新されて既に稼働。以前は裏表両面だったのが片面化(1方向に1基=警察庁からの通達あり)された。
※南進方向用の信号機が、向かって右向きにわずかに角度を付けて設置されている。施工ミスではなくあえてそうしているように見えるが、理由は分からない。
歩行者用も薄型が設置されているが、稼働しているのは写真左側だけ。右側は新しいものはまだカバーがかかっていて、以前のものが稼働している。押しボタン箱も、両側とも以前のまま。
さらに1~2週間ほど経って、残っていた古い信号機や柱が撤去され、押しボタン箱も新しくなった。
すべてが新しくなった
その押しボタン箱。今までとは違うタイプ。※押しボタン箱についての以前の記事
従来型はこれ→(再掲)2014年に秋田駅前に設置された押しボタン箱
まず、薄型ボディで、表示される文字が黒地に白文字なのは、前からあった。
違うのは、赤い押しボタンがやや平べったいことと、下の表示窓が「おしてください」ではなく「ふれてください」であること。
そう。タッチセンサー式の押しボタン箱なのです!
秋田県警では数年前から一部で採用されていたが、秋田市街地に設置されるのは、ここが初かもしれない。
「タッチ」「センサー」式なのに「押し」「ボタン」式と呼ぶのはおかしいけれど、表示板類はすべて従来と同じ表記なので、以下、一部でそれに従った表記をします。
設置されたのはコイト電工製。銘板の刻印がブレたように見づらく、製造月などの判読はあきらめた。
製品名は「歩行者用押ボタン箱(歩行者横断用)」となっていて、タッチ式であることは明記されない。「(歩行者横断用)」とカッコ書きがあるのは、交通弱者用(青信号延長)とか別の用途のこともあるのだろう。
上の再掲写真の押しボタン式押しボタン箱とは、メーカーも異なるが、筐体(ボディ)や表示部分はおそらく同一。部品は共通なのだろう。
それに、今回設置された押しボタン箱は、表示窓が上下に2つある。ボタンが押された/タッチされた時に上に「おまちください」、そうでない時は下に「おしてください」/「ふれてください」と表示される“豪華”な「2」形と呼ぶタイプ。
以前ここにあったような「おまちください」だけを表示する(おしてくださいは印字した金属板)のは「1」形。
従来の秋田県警では、繁華街や横断者が多い場所にだけ2形を設置していた。ここのような住宅地の通学路なのに2形なのは、タッチ式という特殊なものだから、分かりやすくしたのだろう。
何年か前に飯島~下新城辺りの横金線に設置されたタッチ式押しボタン箱は、厚いボディの1形。たしか赤色文字の表示だった。タッチセンサー部分は、もっと盛り上がっていた。
5年少し前、北海道で見たのもそんな感じだった気がするが、タッチセンサーの色は赤ではなく青色だった。
タッチしてみる。
毛糸の手袋をして触れても、反応した。(衣服、傘など絶縁体では反応しないみたい。革手袋もアヤシイかも【19日追記】指の爪で触れたら反応した。爪の厚さや成分の個人差にもよるかもしれないけど)
押しボタンじゃないから押しこんだ感触はないが、「ピピピピピピ(ピ×6回)」という音がして検知されたのが耳でも分かるようになっていた。ただ、小さな音なので、車がびゅんびゅん通る場所、高音が苦手な高齢者には聞こえないかもしれない。
その後、表示が「おまちください」に変わって、信号機が青になって、やがて点滅して赤になるのは、もちろん従来と変わらない。
【2017年1月23日追記】タッチ後、「おまちください」の段階で再度タッチしても、「ピピピピピピ」が鳴る。
タッチセンサー部分には点字が刻印されている。解読すると「ぼたん」だった。
ただ、点字を読もうとして触れた瞬間、センサーが反応してしまうわけで、あんまり意味がないかも。
以前の記事で、押しボタンカバーを取り上げた。秋田県警では、本来の押しボタンの上に、ラバー状の赤いカバーをかぶせている。
カバーはある程度の厚さ・硬さがあり、それを通してボタンを押すことになり、それなりの力が必要だった。感触だけではボタンを押し込めたか分かりにくかったり、子どもや力の弱い人には大変だったりする。
また、カバーは耐久性に難があり、秋田駅前に設置されたものは、わずか2~3か月で破れてしまった。(しかもそれを県警が自主的に交換することはまれ)
カバーの目的は、おそらく冬期の凍結防止。ボタンがむき出しだと、可動部分に水が入って凍って固まり、押せなくなるからだ。
タッチセンサー式であれば、これらの問題はほぼ解決できる。
タッチセンサー式押しボタンを最初に製品化したのは、日本信号だったようだ。
同社の2004年3月25日付ニュースリリース「凍っても使える、日本信号のセンサー式押しボタン箱」によれば、その時点で北海道、山形、愛知で採用されており、「今後も豪雪地域、寒冷地域のお客様を中心に」営業していくとのこと。
タッチセンサー部の色は「お客様(=各県警)の意向により」決められるようだ。(将来的には全国共通の仕様ができる可能性もある)
その後、コイト電工など他社も参入していることになる。
しかし、ネットで検索してみると、信号機愛好家、たまたま目にした一般人とも、タッチ式押しボタンを取り上げているものは少ない。
まだまだレアなようだし、実際には、5年10年の耐久性や、ほんとうに寒冷・凍結時に正常に作動するのかなどは不安かもしれないけれど、寒冷地の交通安全とバリアフリーの観点からすれば、たいへんありがたい改善だと思う。
秋田県警では、タッチセンサー式押しボタン箱の本格採用に踏み切ったと思われ、年度末にかけて秋田市内のほかの場所にも設置(更新または新設)されていくようだ。
場所を変えながら片側交互通行(時折渋滞発生)を伴う本格的な工事が終わって、12月中頃には完了したようだ。
脇道と交わる箇所。12月6日撮影
※上の写真のみその通り側には、路面にスプレーで斜線が引かれている。段差があることを運転者に知らせるものだろう。あのまぎらわしい白線と同じ目的のようだが、こっちのほうが分かりやすい。
工事終了後。12月23日撮影
報道によれば「車道を20センチほどかさ上げして」ということだが、それだけだと、上の写真のような脇道と交わる箇所では、段が残ったり急傾斜になったりして、おかしくなりそう。実際には、脇道接続部や歩道にも微妙な傾斜を付けることで、全体でほぼ平坦にしているのではないだろうか。
ともかく、歩いている分には、高低差が解消されて歩きやすくなった。
新しい道路のよう
ただし、中途半端に伐採されずに残った北端部分は、
歩道の段差もそのまま残った
車道部分は、↑ここまでアスファルトが新しくなっている。ここから微妙に傾斜が始まっているのかも。
ここから本題。
今回工事が行われた区間中ほど、聖園ベビー保育園前には、押しボタン式信号がある。
30年少し前に道路ができた当初は信号機がない横断歩道だったが、保戸野小への通学路であることから、地域からの要望があり、平成初期頃に信号機が設置されたはず。その後、車両用信号機のうち片方だけは、なぜか途中で更新(電球式から電球式に)された。
今回の道路工事に伴って、その信号機も一新された。
10月末【8日追記】道路のかさ上げ工事は未完成
信号柱が新設(更新)された。車両用信号機はフラット型に更新されて既に稼働。以前は裏表両面だったのが片面化(1方向に1基=警察庁からの通達あり)された。
※南進方向用の信号機が、向かって右向きにわずかに角度を付けて設置されている。施工ミスではなくあえてそうしているように見えるが、理由は分からない。
歩行者用も薄型が設置されているが、稼働しているのは写真左側だけ。右側は新しいものはまだカバーがかかっていて、以前のものが稼働している。押しボタン箱も、両側とも以前のまま。
さらに1~2週間ほど経って、残っていた古い信号機や柱が撤去され、押しボタン箱も新しくなった。
すべてが新しくなった
その押しボタン箱。今までとは違うタイプ。※押しボタン箱についての以前の記事
従来型はこれ→(再掲)2014年に秋田駅前に設置された押しボタン箱
まず、薄型ボディで、表示される文字が黒地に白文字なのは、前からあった。
違うのは、赤い押しボタンがやや平べったいことと、下の表示窓が「おしてください」ではなく「ふれてください」であること。
そう。タッチセンサー式の押しボタン箱なのです!
秋田県警では数年前から一部で採用されていたが、秋田市街地に設置されるのは、ここが初かもしれない。
「タッチ」「センサー」式なのに「押し」「ボタン」式と呼ぶのはおかしいけれど、表示板類はすべて従来と同じ表記なので、以下、一部でそれに従った表記をします。
設置されたのはコイト電工製。銘板の刻印がブレたように見づらく、製造月などの判読はあきらめた。
製品名は「歩行者用押ボタン箱(歩行者横断用)」となっていて、タッチ式であることは明記されない。「(歩行者横断用)」とカッコ書きがあるのは、交通弱者用(青信号延長)とか別の用途のこともあるのだろう。
上の再掲写真の押しボタン式押しボタン箱とは、メーカーも異なるが、筐体(ボディ)や表示部分はおそらく同一。部品は共通なのだろう。
それに、今回設置された押しボタン箱は、表示窓が上下に2つある。ボタンが押された/タッチされた時に上に「おまちください」、そうでない時は下に「おしてください」/「ふれてください」と表示される“豪華”な「2」形と呼ぶタイプ。
以前ここにあったような「おまちください」だけを表示する(おしてくださいは印字した金属板)のは「1」形。
従来の秋田県警では、繁華街や横断者が多い場所にだけ2形を設置していた。ここのような住宅地の通学路なのに2形なのは、タッチ式という特殊なものだから、分かりやすくしたのだろう。
何年か前に飯島~下新城辺りの横金線に設置されたタッチ式押しボタン箱は、厚いボディの1形。たしか赤色文字の表示だった。タッチセンサー部分は、もっと盛り上がっていた。
5年少し前、北海道で見たのもそんな感じだった気がするが、タッチセンサーの色は赤ではなく青色だった。
タッチしてみる。
毛糸の手袋をして触れても、反応した。(衣服、傘など絶縁体では反応しないみたい。革手袋もアヤシイかも【19日追記】指の爪で触れたら反応した。爪の厚さや成分の個人差にもよるかもしれないけど)
押しボタンじゃないから押しこんだ感触はないが、「ピピピピピピ(ピ×6回)」という音がして検知されたのが耳でも分かるようになっていた。ただ、小さな音なので、車がびゅんびゅん通る場所、高音が苦手な高齢者には聞こえないかもしれない。
その後、表示が「おまちください」に変わって、信号機が青になって、やがて点滅して赤になるのは、もちろん従来と変わらない。
【2017年1月23日追記】タッチ後、「おまちください」の段階で再度タッチしても、「ピピピピピピ」が鳴る。
タッチセンサー部分には点字が刻印されている。解読すると「ぼたん」だった。
ただ、点字を読もうとして触れた瞬間、センサーが反応してしまうわけで、あんまり意味がないかも。
以前の記事で、押しボタンカバーを取り上げた。秋田県警では、本来の押しボタンの上に、ラバー状の赤いカバーをかぶせている。
カバーはある程度の厚さ・硬さがあり、それを通してボタンを押すことになり、それなりの力が必要だった。感触だけではボタンを押し込めたか分かりにくかったり、子どもや力の弱い人には大変だったりする。
また、カバーは耐久性に難があり、秋田駅前に設置されたものは、わずか2~3か月で破れてしまった。(しかもそれを県警が自主的に交換することはまれ)
カバーの目的は、おそらく冬期の凍結防止。ボタンがむき出しだと、可動部分に水が入って凍って固まり、押せなくなるからだ。
タッチセンサー式であれば、これらの問題はほぼ解決できる。
タッチセンサー式押しボタンを最初に製品化したのは、日本信号だったようだ。
同社の2004年3月25日付ニュースリリース「凍っても使える、日本信号のセンサー式押しボタン箱」によれば、その時点で北海道、山形、愛知で採用されており、「今後も豪雪地域、寒冷地域のお客様を中心に」営業していくとのこと。
タッチセンサー部の色は「お客様(=各県警)の意向により」決められるようだ。(将来的には全国共通の仕様ができる可能性もある)
その後、コイト電工など他社も参入していることになる。
しかし、ネットで検索してみると、信号機愛好家、たまたま目にした一般人とも、タッチ式押しボタンを取り上げているものは少ない。
まだまだレアなようだし、実際には、5年10年の耐久性や、ほんとうに寒冷・凍結時に正常に作動するのかなどは不安かもしれないけれど、寒冷地の交通安全とバリアフリーの観点からすれば、たいへんありがたい改善だと思う。
秋田県警では、タッチセンサー式押しボタン箱の本格採用に踏み切ったと思われ、年度末にかけて秋田市内のほかの場所にも設置(更新または新設)されていくようだ。