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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

駅のミスド閉店

2016-01-12 20:33:28 | 秋田のいろいろ
秋田駅ビル「トピコ」に入る「ミスタードーナツ 秋田トピコショップ」が、1月17日をもって閉店することが、店頭の掲示とトピコホームページ(1月6日付)で告知された。店頭の掲示では、閉店理由を「都合により」としている。

ミスドはトピコの1階にあり、他のファストフード店も並ぶ、西口タクシー乗り場前の通路に面した立地。
ロッテリアの左隣、「んだんだ」の下がミスドだけど看板が地味?
店によっては通路から直接入れる構造だが、ミスドはそうでなく(ドアっぽいのがあるが、そこにはテーブルが置かれている)、いったんトピコのビル内に入らないと入店できない。閉店の掲示もビル内にある。
このドアから入る
通路沿いはすべてイートインスペース。
営業時間は7時から21時、金・土は22時まで。

告知でも触れているが、秋田駅ビルのミスドは1997年に開店して約19年間続いた。秋田新幹線開業に伴うトピコオープンからずっと入居していたことになる。
学生など秋田駅を利用する人に親しまれてきた店がなくなるわけだが、もっと大きな意味を持つことではないだろうか。
すなわち、トピコショップ閉店により、「1972年から43年に渡り、秋田駅前に存在し続けたミスタードーナツが、まったくなくなる」「秋田市中心市街地からミスドがなくなる」ということ。
以前紹介したように、ミスドが日本に進出したわずか2年後、北海道・東北地方1号店、全国でも23番目のミスドとして、現在のホテルアルファーワンの場所(「鎌田会館」1階)に開店したのが、秋田におけるミスドの最初。

その後、1980年代にかけて広小路の古澤ビル(現・エリアなかいち)や大町のニューシティにも開店し、秋田市中心市街地に複数のミスドが存在した時期があったものの、2000年代までに鎌田会館内も含めていずれも閉店。中心市街地ではトピコだけが残っていた。
※以前の繰り返しになるが、鎌田会館にあったミスドの閉店後、そのショップナンバー(開店順の店番号)「0023」は秋田広面ショップに引き継がれ、移転して存続している扱いになっている。トピコショップには「1023」が割り当てられている。


秋田県内のミスドは、「株式会社鎌田会館」→「株式会社KAMADAスマイルコーポレーション」という企業が、フランチャイズ契約して営業(フランチャイジー)している。
閉店はミスドとしての方針なのか、KAMADAスマイルコーポレーションの判断なのか。

僕が子どもだった1980年代は、多くの人が初めて接するドーナツがミスド(当時は略さなかったけど)だった。来客のお土産としてもらう/持って行くこともあった。
当時を知る人は、今70歳以上の人もいるわけで、今やミスドは若い人だけの食べ物・店とも言い切れない。「五城目のトメさん」も行ったし。
だから、秋田駅にミスドがあれば幅広い客が利用でき、実際に利用されていると思っていたのだけど、芳しくなかったのだろうか。
後述の近隣の他のミスドでは、飲茶(一部店舗)やシェイクを扱っているが、トピコではいずれもなかったそうで、店舗面積や設備の制約でもあったのだろうか。(開店当初はもうちょっと広かった気がする??)


トピコショップ閉店後、周辺のミスドとなれば、ドン・キホーテの秋田山王ショップ、イオン秋田中央店の秋田南ショップ、マックスバリュ広面店の秋田広面ショップとなるが、いずれもドーナツだけのためにわざわざ足を伸ばせるような距離ではない。【秋田南ショップは2020年1月31日閉店】
今はコンビニでも、それなりのドーナツが買えてしまうけれど、ミスドと同じ味じゃあないし、店内で食べることはできない。

撤退後の跡地には、何が入るのだろう。
あと、トピコショップが使っていたショップナンバー「1023」は、欠番となるか使い回されるのか。

【13日追記】(企業としての)鎌田会館では、旧・秋田駅ビル「ステーションデパート」で、酒まんじゅうを販売し、名物となっていたそうだ。トピコになってからは、上階で「杉のやトピコ店」という和風レストランも出店していた。ミスド撤退により「長年続いていた鎌田会館と秋田駅ビルとのつながりが断たれる」ことになると思われる。

【15日追記】1月15日付 秋田魁新報 経済面で、小さいながら写真付きで「秋田駅ビルのミスド閉店へ/客足伸び悩む」として報道された。(新聞でも「ミスド」表記を使うのね)
KAMADAスマイルコーポレーション社長の話として「客足と売り上げが伸び悩んでいることが主な理由」だそうで、郊外や大型店にシフトしていきたそうなコメントが出ている。閉店は鎌田会館側の意向ということになりそうだ。
「跡地のテナントは未定。」

【2月27日追記】2月27日付秋田魁新報総合面によれば、KAMADAスマイルコーポレーションが破産した。18日破産開始決定、負債総額約5億7千万円。(規模としては「中規模倒産」らしい)
2月に入ってから【29日補足・朝日新聞によれば2月1日に】「(トピコ以外のミスド)全店舗の経営をダスキン子会社に譲渡した。」(=直営化して営業継続ということか【末尾の2022年の追記参照】。魁のサイトに掲載された抜粋記事ではこの部分がカットされており、「秋田県内からミスドが撤退するの?」と心配させかねない記述だ)とのこと。
今週、新聞に折り込まれたチラシは、以前との違いが認められなかった。残った店舗は従来と変りなく影響されていると思われる。繰り返すが、秋田からミスドがなくなるわけではなく、トピコ店以外の営業は継続

本文では触れなかったが、トピコ店が閉店すると聞いた時、KAMADAスマイルコーポレーション自体の経営状態が良くないのでは? ということが、頭をよぎった。
ただ、他店舗は経営を続けていたし、1月15日の追記のような社長のコメントもあって、そうでもないのかと思っていたら、やっぱり…

だったら、トピコのミスドも閉店せずにダスキン子会社に譲渡して、営業を続けてほしかった。(ダスキンによるミスド全体の経営も、コンビニドーナツに押されて良くはないそうではあるけれど)

【29日追記】27日の魁より、これまでの経緯。
1946年 先代が冷菓製造販売を目的に個人創業。
1961年12月 「鎌田会館」ビルオープン。
1972年 ダスキンとフランチャイズ契約、2年後に株式会社化。
1998年 別会社「杉のや本店」閉店。(中央通りにあった和食レストランのことだと思われる)
2002年 鎌田会館閉店。(鎌田会館のミスドが閉店→広面ショップへ店番号引き継ぎは同年3月)
1999年9月期が売り上げピークで、売上高16億1800万円。2015年3月期の売上高は約8億円。
※現在も秋田空港2階に入っている「杉のや」については、言及なし。記事からは、現在の同社はミスド以外はやっていないと読めるが、どういう関係なんだろう?【下の2021年の追記参照

【2019年11月24日追記】鎌田会館→KAMADAスマイルコーポレーションの本社は、少なくとも2000年代中頃までは土手長町通りの河北ビルに入っていた。2012年までに、秋田南中学校の並び北側へ移転していた。小さめの3階建てのビルをまるまる使っていたようだ。廃業後は空きビルになり閉鎖され、テナントを募集しているが、2019年11月現在空いたまま。
【2021年3月26日追記・秋田空港の杉のやについて】2009年に、当時の鎌田会館調理部長が譲受、設立した新会社「杉のや」が運営していたとのこと。2021年1月に、新型コロナウイルス感染症による売上減で閉店、破産した。


※閉店後の様子はこの記事中ほど。跡には11月上旬に吉野家が入ることになった。

【福井市でも似たような事態になった】
2016年9月30日に、1973年から営業していた福井県の「福井駅前ショップ」も閉店。店番号「0077」。
福井市街地周辺には複数のミスドがあるが、中心部からはなくなることになるようで、秋田市と同じ状態。
報道によれば、ダスキン側では閉店理由を「運営会社の都合」としている。運営会社は地元の「片山商事」という企業で、他のミスドの経営や他の事業をやっているかは不明。


【2022年12月1日追記・残った秋田県内店舗の運営企業について】
ハローワークの求人情報によれば、2016年に「エムディフード東北株式会社」が設立されていた。
本社は秋田市中通のビル内。「株式会社ダスキン(本社:大阪府)の100%出資子会社で、「ミスタードーナツ」フランチャイズチェーンに加盟し、秋田県内を中心に9店舗を展開しています。」とのこと。
KAMADAスマイルコーポレーション倒産当時の記事では、残った店舗は直営化されたと認識していたが、より正確には、この企業の運営になったということのようだ。
2022年12月時点では、秋田県内にミスタードーナツは7店舗。
なお、関西周辺では、大阪に本社がある「エムディフード株式会社」が存在する。
コメント (19)
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