広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

矛盾する看板

2018-01-31 23:58:10 | 秋田の季節・風景
雪まつりの時に行った、新屋の秋田公立美術大学。
新屋駅から続く線路跡の遊歩道が大学の敷地に差しかかるところに、美短当時は「敷地内での遊戯行為と車両無断乗り入れ」を禁ずる立て看板があった。4年制化後は、それが「関係者以外の立入りはご遠慮ください」と書き換えられて規制強化されていた。昨年はそれが裏返されていたのだが、今年は元通りになっていた。
(再掲)2015年撮影
大学側が、施設管理や安全・警備上、部外者を敷地内に入れたくないと考えるのは分かる。
しかし、専門学校時代の1962年から短大を経て、ずっと新屋にあって地域と共存してきた学校である。また、法人化したとはいえ私学ではなく秋田市が運営する公立大学だから、秋田市民の大学であり土地であるともとらえられる。
国立大学、少なくとも秋田大学や弘前大学の本部があるキャンパスではこのような看板はなく(あっても目立たず?)、多くはないけれど地元住民が通り抜けるのをたまに目にする(警備員が常駐していて、ある程度のチェックができているということもあるだろう。美大にはいなさそう)。もちろん、寮や人が立ち入ると研究に支障が生じる実験施設などは、明確に立入禁止になっているけれど。
遊歩道の延長である美大の倉庫棟~正面を通り抜ける程度なら、公式に認めてくれてもいいと思う。そういうことだって、立派な大学の地域との共生・地域貢献だろう。
【2月2日追記】この倉庫は国の登録有形文化財。特徴の1つである木造のひさし「雁木(がんぎ)」は、学内側(遊歩道の延長線上)からしか見られない。その見学者に便宜を図ってもいいだろう。

今回、その近くの大学のグラウンドに、新しい看板を見つけた。
「大学構内につき無用の立入禁止」
さすが美大だけに、デザインとしてはちょっと独特。犬の絵は遠目には馬のようにも見えるが、あごの線がギザギザしていて、シュナウザーっぽい。
【2020年4月9日追記】その後、2019年頃になると、各地の施設や店の犬立ち入りの可否を示すマークに、これとよく似た(ギザギザ部分は直線になっている)犬のシルエットを時々見かけるようになった。美大オリジナルでもなさそう。
首を細くすれば?
気になるは、看板が言っていること。
「自転車での通り抜け不可」「グラウンドの無断使用不可」「犬の散歩はマナーを守って」と読める。

裏を返せば「徒歩で通り抜けは可能」「犬の散歩はマナーを守れば可能」ということになる。タイトルで「無用の立入禁止」としているのに、そういうことはいいのだろうか?
さらに、下に並んだアイコンだけを見れば、「人禁止」「自転車禁止」でどっちも立ち入れない。

そして、この看板が適用されるのは、大学構内全般なんだろうか、それともグラウンド限定なんだろうか。設置位置としてはどちらにも受け取れるが、一般的に、グラウンドを人が通り抜けたり犬を散歩させたりすれば、グラウンドが荒れたり汚れたりする。整備が必要になり、まさに管理上好ましくないだろう。構内の通路は自由に通り抜けさせるとしても、グラウンドこそ立入禁止としてもいいだろう。それを許してくれるのならば、寛大。

何よりおかしいのは、看板が立っている場所が、道路や遊歩道外側に面さない確実に大学の敷地内であること。
つまり、これより手前に上記「関係者以外の立入りはご遠慮ください」の厳しい看板があるのだ。この黄色い看板を部外者が見ることはないはずなのに、こんなに寛大な対応をしていただいても…
※大学関係者向けの看板だとすれば、看板がここに立つ理屈は通るが、内容からして大学外の人向けの看板であろう。
【2月2日追記】「立ち入りはご遠慮」の看板は、大学正面側にはないので、正面からここまでは部外者が入ってきてもおかしくはない。それ用の看板なのかもしれないが、だとしたら、正面と裏(遊歩道末端)で厳しさが違うというのもまた矛盾している。

実際には、ある程度は黙認してくれているのだと思うが、看板記載通りに受け取れば矛盾だらけ。できること・できないこと、適用区域と設置場所をいまいちど検討してはどうだろうか。

※2019年1月現在、看板に変わりなし。
【2019年10月22日追記】その後、気になったので、大学事務局へ問い合わせてみた。すると、倉庫の見学などであれば立ち入っても構わず、したがって矛盾している看板の内容も見直したいとのこと。2019年秋の段階で、看板は更新されているようだ。この記事最後参照。
コメント
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