秋田市内の街角には、秋田市が設置した複数のデザインの道案内の看板(道標・誘導サイン)が設置されていることを、これまで何度か記事にしてきた。※2014年の記事。
今年3月末(2017年度末)、新たな道標が、おそらく1か所だけ設置された。
大町一丁目
大町通りが通町の通りにぶつかる、セブン-イレブン角の丁字路交差点。
こげ茶色で柱に所在地名を縦書き、目的地は横書きで案内するという、秋田市でいちばん古くから(1997~1999年設置とのこと)あり数が多いものの、近年は設置されていなかったタイプの表示。
ここは県道だが、従来同様、設置は秋田市が行っていると思われる。
久々に“復活”したことになるが、以前とは相違点もある。年月が開いたから仕方ないし、大差はないけれど。
(再掲)元祖の表示
新しいものは柱が太くなり、柱上部にあったサツキの花が描かれた立方体の箱がなくなった。若干背が高いかも。
表示板部分
表示板は、以前はまっ平らな板だったのが、これは中央部が少し膨らんでいる。
【24日追記】もう1点違いがあった。従来は並んだ上下の表示板に、数センチのすき間があったが、新しいものはくっついている。
真横から見ると分かる
施設名など案内板の書体は、以前と同じ青い角ゴシック体ながら、フォントは変わった。
既存の表示板(竿燈大通り設置の緑色版)
以前は写研の「ゴナ」か?
新しいものはモリサワの「新ゴ」。若干肉太になった。
新ゴは、このような表示や印刷物でよく見かける書体で、使用頻度が高くかつ特徴的なデザインの「き」「さ」「な」などは容易に見分けられるが、「れんが」や「ねぶり」は見慣れないのでなんか新鮮だし、識別しづらかった。
以前の表示板がメーカー側でリニューアルされたのか、それとも廃盤になって似せたものを発注したのか。いずれにしても、以前のものと極力揃えようという、秋田市の配慮は感じられる。
ただ、秋田市民俗芸能伝承館・愛称「ねぶり流し館」を示す表示内容は、愛称・正式名称の表示方法が、日本語も英語も新旧で違っている。
表示板が案内するのは、曲がってすぐのねぶり流し館と、そこから430メートル進んだ赤れんが郷土館。
この案内表示が、唐突に1本だけここに設置された意味について、とても思い当たる節がある。
この表示板は、秋田市中央部にはまんべんなく設置されていたような気もするが、実は通町の通りには、おそらく西端の市道区間に1つあるだけだった。
案内板が設置された時期と、通町の再開発・拡幅の時期が重なるかどうかの関係だったので、後回しにされてうやむやにされてしまったのだろうか。
また、この通り以外でも、ここにあったらいいのに、ここでこの施設へ誘導するべきなのに、という場所にそれがないもの、すなわち地理を知らず初めて訪れる旅行客ならば、ここで教えてくれなきゃたどり着けないものが、いくつかある。
特に分かりづらいのが、秋田市中央部の主要観光施設であろう、赤れんが郷土館とねぶり流し館であった。
どちらも碁盤の目状の道路配置の大町地区にある。碁盤の目というのは分かりやすいようでいて、分かりにくい。何本目を曲がると言われても、道の大小や信号機の有無で数え間違ってしまったり、寂れた秋田市街地では目印になる店舗も少なくなってしまった。
そんな時こそ、案内表示があればいいのだが、両施設を案内するものはとても少なかった。
だから、通町橋~二丁目橋周辺で、どちらかの施設を探して地図やスマホを見ながらウロウロする人を見かけたり、実際に場所を尋ねられた経験も複数回あった。
そこで、昨年度、秋田市に対し、より分かりやすく適切に案内表示をしてほしい旨の提案をした。
ものすごく積極的というわけではないが、否定的ではない回答をいただいたので、これが設置された理由の1つだと思われる。ありがとうございました。
地元の者の感覚では、通町の丁字路まで来れば、ねぶり流し館なんてすぐそこだから、誘導は不要ではないかと思うかもしれない。
でも、現地へ行ってみてほしい。他の建物があって、通町の通りからは、ねぶり流し館の看板や玄関は見えず、すぐそこにあるということすら認識できないのだ。実際、道標設置以前には、ここで場所を尋ねられた。
設置直後で養生中
ここで曲がらなければ、通町を直進してどんどん離れていってしまうことになるから、意味がある設置だと思う。
ここに設置されたのはいいとして、まだ分かりにくい場所はある。
秋田駅方面からねぶり流し館へ行くには、通町から行くにはわずかに遠回りだから、本当は一丁目橋を渡ったほうがいい。だが、そこにも案内はない(広小路西交差点には大きい地図があるけれど、広すぎてピンとこないのかも)し、その先で、1本手前の川反通り・星辻神社の前へ曲がってしまう人もいるようだ。あるいは、曲がるべきニューシティ跡地角の交差点で曲がり損ねてしまえば、通町同様、ずんずん西へ突き進んでしまうことになる(この角からも建物を視認できない)。こうした場所にも道案内がほしい。
極端な話、立派なポールでなくても、パソコンで印字してラミネートしたものを電柱や壁に張ったっていいじゃない。見栄えは二の次、まずは伝えることが大事なのだから(という趣旨も市へは伝えた)。
施設名の表記揺れについても、あわせて要望した。
秋田市民でさえ、民俗芸能伝承館=ねぶり流し館であることを知らない人も多い。旅行客なら当然。
旅行客なら「ねぶり流し館」すらうろ覚えの人もいる【23日補足・とういうか誰も知らないかも。竿燈の古い呼び名である「ねぶり流し」はマイナーだから】。これまで尋ねられた人たちには「ネブリなんとか」とか「竿燈を展示する施設」と聞かれた。
(再掲)
2014年以降、市が設置している地図入り案内板「秋田市まちあるきMap」では、当初は「民俗~」だけを表記。後に追加設置したものは「ねぶり~」表記で、同じ仕様の中でも表記揺れが生じている。これも親切ではなく、統一するべきだと思う。
既存の表示板も含めて、今後表記を統一していきたいということだったので、通町の新しい表示板の表記が、これからの標準表記になるということだろうか。
今はスマホが誘導してくれるし、紙の地図でもよく読めばたどり着ける。だけど、雨の中などそんなことがしづらい時もある。そんな時に頼りになるのが、街角に設置された道標であろう。今後の充実に期待。
あともう1つ頼りになるのが、居合わせた地元の人の案内。
迷っている人にこちらから話しかけるのは勇気がいるし、向こうも嫌がるかもしれない。せめて聞かれた時には、分かる限り丁寧に教えてあげたいものである。
6月21日から7月3日は、今年度最初のJR東日本「大人の休日倶楽部パス」利用期間。
この年齢層は、迷ったらまず尋ねるという方々が多いようだ。※関連記事
東日本(一部商品は北海道も)各地の中から秋田市を選んで訪れてくれた人たちが気持ちよく旅していただけるよう、お迎えしたいものです。
※2022年には、通町にまた別の道案内看板が設置された。
今年3月末(2017年度末)、新たな道標が、おそらく1か所だけ設置された。

大町通りが通町の通りにぶつかる、セブン-イレブン角の丁字路交差点。
こげ茶色で柱に所在地名を縦書き、目的地は横書きで案内するという、秋田市でいちばん古くから(1997~1999年設置とのこと)あり数が多いものの、近年は設置されていなかったタイプの表示。
ここは県道だが、従来同様、設置は秋田市が行っていると思われる。
久々に“復活”したことになるが、以前とは相違点もある。年月が開いたから仕方ないし、大差はないけれど。

新しいものは柱が太くなり、柱上部にあったサツキの花が描かれた立方体の箱がなくなった。若干背が高いかも。

表示板は、以前はまっ平らな板だったのが、これは中央部が少し膨らんでいる。
【24日追記】もう1点違いがあった。従来は並んだ上下の表示板に、数センチのすき間があったが、新しいものはくっついている。

施設名など案内板の書体は、以前と同じ青い角ゴシック体ながら、フォントは変わった。

以前は写研の「ゴナ」か?
新しいものはモリサワの「新ゴ」。若干肉太になった。
新ゴは、このような表示や印刷物でよく見かける書体で、使用頻度が高くかつ特徴的なデザインの「き」「さ」「な」などは容易に見分けられるが、「れんが」や「ねぶり」は見慣れないのでなんか新鮮だし、識別しづらかった。
以前の表示板がメーカー側でリニューアルされたのか、それとも廃盤になって似せたものを発注したのか。いずれにしても、以前のものと極力揃えようという、秋田市の配慮は感じられる。
ただ、秋田市民俗芸能伝承館・愛称「ねぶり流し館」を示す表示内容は、愛称・正式名称の表示方法が、日本語も英語も新旧で違っている。
表示板が案内するのは、曲がってすぐのねぶり流し館と、そこから430メートル進んだ赤れんが郷土館。
この案内表示が、唐突に1本だけここに設置された意味について、とても思い当たる節がある。
この表示板は、秋田市中央部にはまんべんなく設置されていたような気もするが、実は通町の通りには、おそらく西端の市道区間に1つあるだけだった。
案内板が設置された時期と、通町の再開発・拡幅の時期が重なるかどうかの関係だったので、後回しにされてうやむやにされてしまったのだろうか。
また、この通り以外でも、ここにあったらいいのに、ここでこの施設へ誘導するべきなのに、という場所にそれがないもの、すなわち地理を知らず初めて訪れる旅行客ならば、ここで教えてくれなきゃたどり着けないものが、いくつかある。
特に分かりづらいのが、秋田市中央部の主要観光施設であろう、赤れんが郷土館とねぶり流し館であった。
どちらも碁盤の目状の道路配置の大町地区にある。碁盤の目というのは分かりやすいようでいて、分かりにくい。何本目を曲がると言われても、道の大小や信号機の有無で数え間違ってしまったり、寂れた秋田市街地では目印になる店舗も少なくなってしまった。
そんな時こそ、案内表示があればいいのだが、両施設を案内するものはとても少なかった。
だから、通町橋~二丁目橋周辺で、どちらかの施設を探して地図やスマホを見ながらウロウロする人を見かけたり、実際に場所を尋ねられた経験も複数回あった。
そこで、昨年度、秋田市に対し、より分かりやすく適切に案内表示をしてほしい旨の提案をした。
ものすごく積極的というわけではないが、否定的ではない回答をいただいたので、これが設置された理由の1つだと思われる。ありがとうございました。
地元の者の感覚では、通町の丁字路まで来れば、ねぶり流し館なんてすぐそこだから、誘導は不要ではないかと思うかもしれない。
でも、現地へ行ってみてほしい。他の建物があって、通町の通りからは、ねぶり流し館の看板や玄関は見えず、すぐそこにあるということすら認識できないのだ。実際、道標設置以前には、ここで場所を尋ねられた。

ここで曲がらなければ、通町を直進してどんどん離れていってしまうことになるから、意味がある設置だと思う。
ここに設置されたのはいいとして、まだ分かりにくい場所はある。
秋田駅方面からねぶり流し館へ行くには、通町から行くにはわずかに遠回りだから、本当は一丁目橋を渡ったほうがいい。だが、そこにも案内はない(広小路西交差点には大きい地図があるけれど、広すぎてピンとこないのかも)し、その先で、1本手前の川反通り・星辻神社の前へ曲がってしまう人もいるようだ。あるいは、曲がるべきニューシティ跡地角の交差点で曲がり損ねてしまえば、通町同様、ずんずん西へ突き進んでしまうことになる(この角からも建物を視認できない)。こうした場所にも道案内がほしい。
極端な話、立派なポールでなくても、パソコンで印字してラミネートしたものを電柱や壁に張ったっていいじゃない。見栄えは二の次、まずは伝えることが大事なのだから(という趣旨も市へは伝えた)。
施設名の表記揺れについても、あわせて要望した。
秋田市民でさえ、民俗芸能伝承館=ねぶり流し館であることを知らない人も多い。旅行客なら当然。
旅行客なら「ねぶり流し館」すらうろ覚えの人もいる【23日補足・とういうか誰も知らないかも。竿燈の古い呼び名である「ねぶり流し」はマイナーだから】。これまで尋ねられた人たちには「ネブリなんとか」とか「竿燈を展示する施設」と聞かれた。

2014年以降、市が設置している地図入り案内板「秋田市まちあるきMap」では、当初は「民俗~」だけを表記。後に追加設置したものは「ねぶり~」表記で、同じ仕様の中でも表記揺れが生じている。これも親切ではなく、統一するべきだと思う。
既存の表示板も含めて、今後表記を統一していきたいということだったので、通町の新しい表示板の表記が、これからの標準表記になるということだろうか。
今はスマホが誘導してくれるし、紙の地図でもよく読めばたどり着ける。だけど、雨の中などそんなことがしづらい時もある。そんな時に頼りになるのが、街角に設置された道標であろう。今後の充実に期待。
あともう1つ頼りになるのが、居合わせた地元の人の案内。
迷っている人にこちらから話しかけるのは勇気がいるし、向こうも嫌がるかもしれない。せめて聞かれた時には、分かる限り丁寧に教えてあげたいものである。
6月21日から7月3日は、今年度最初のJR東日本「大人の休日倶楽部パス」利用期間。
この年齢層は、迷ったらまず尋ねるという方々が多いようだ。※関連記事
東日本(一部商品は北海道も)各地の中から秋田市を選んで訪れてくれた人たちが気持ちよく旅していただけるよう、お迎えしたいものです。
※2022年には、通町にまた別の道案内看板が設置された。