公式発表や報道から、秋田と青森の駅弁2題。
秋田県北部・JR奥羽本線大館駅の名物駅弁、花善の「鶏めし」。
昨年は、JR東日本の企画でパリで出張販売された(日本でも販売)が、それと同時期に、花善自身の現地法人がパリにでき、パリで常時鶏めし(日本と同一ではない)を売ることになった。それをきっかけにフランスからパリ【14日訂正】秋田へ人を呼びこみたいという。
たしか、大館出身で、小樽の大学を休学中の人が中心になっているとかいうことだったが、すごい。
1月11日付秋田魁新報 経済面のインタビュー連載「飛躍の年に」に、今年創業120年を迎える花善社長の話が載っていた。
それによれば、年間70万食を売り上げているそうだ。
驚いたことに「昨年11月には、思い切って関東圏の駅での販売をやめた。」。
理由は「「輸送費をかけて数え切れない他の駅弁と競うよりも、秋田でしか食べられない味の方が強みになる」と考えた。」
花善の公式ホームページを見てみると、明確に「関東では売るのやめました」との記載はないが、販売箇所の一覧には、関東のものは載っていない。
以前は、東京駅の「駅弁屋 祭」や大宮駅などの「旨囲門」が出ていたはずだけど。なお、仙台駅や岩手県、青森県での販売は変わらず。
昨年11月4日付の読売新聞のサイトにもインタビューが出ていて「東京駅の店舗は9月末で撤退し、首都圏の店舗は順次閉店する方針」とあった。魁と総合すれば、11月をもって完全撤退ということで、上記パリ仕様の駅弁を売っている途中だったことになる。
ほんとに思い切った決断で、「もったいない」とも思ってしまった。
たしかに、首都圏の駅弁屋には、最近は東日本エリア外も含めて各地の駅弁がたくさん並んでいる。し烈な競争があるのだろう。
その中で花善の鶏めしは、特に最近は知名度が上がっているはずで、充分やっていける駅弁だと思う。
相反するけれど、首都圏では大館の鶏めしの知名度は、まだ伸びる余地があるとも思う。パリから人を呼ぶように、それによって首都圏から秋田へもっと人を呼べそうなのに。
ツイッターを検索してみると、祭での取り扱いをやめたことを知って惜しむ声が、数件。公式情報がなくて「やめたのかな」という推測する声もある。
やはり首都圏にいながらにして鶏めしを食べたいという人はいる。首都圏以西の人が、秋田まで行くには遠いけど、東京に出てきた時に買うといったこともあるだろう。
関東撤退は花善さんの判断で口をはさむ余地はないとしても、そのことはちゃんと告知してほしい。首都圏の客の印象を悪くさせることになりかねない。
【14日補足】たくさんある他社の駅弁には目もくれず、花善の鶏めしだけを目当てに東京駅などへ出向く客だって、数は分からないがいたに違いない。そういう人たちへの案内はあってしかるべきだろう。
それにしても、祭や旨囲門へ輸送して売る駅弁って、その輸送費は誰が負担しているのかと思っていたが、(全部か一部かは別として)製造側が負担していたことになる。
大館からは航空便になるだろうし、トラックで運べる関東近郊の業者との消耗戦になっていたのかもしれない。
でも、それを言うなら、大館から秋田市まで100キロを、あるいは盛岡や仙台まで輸送しているのはどうかということになるし、やっぱりパリで買えるのに東京では…ということにもなるし。
大館でできたてを買うのがいちばんおいしいのはたしかだけど。
そういえば、現在、京王百貨店新宿店で、恒例の国内最大規模の駅弁大会が開催中。
それには花善が参加している。2週間のうち前半は実演販売、後半は輸送で整理券対応。
【2023年4月7日追記】その後も、関東で鶏めしが発売再開されたという話は聞かない。しかし、2023年3月の東京駅 駅弁屋 祭では、なぜか販売されていた。
1月10日付のJR東日本秋田支社のプレスリリースで、新しい駅弁が同日から発売されることが分かった。発売当日の発表とはなんとも…
「青森県産本まぐろ使用 本まぐろ御膳」1300円。
五能線沿線の青森県深浦町では、地元で水揚げされるマグロを使った「深浦マグロステーキ丼」がご当地グルメ。それをはじめとするマグロ料理をいろいろ楽しめる弁当。深浦町が監修。
リゾートしらかみの乗客向けに、五能線関係の駅弁はこれまでもいくつか出ている。
ただ、沿線に駅弁業者がないこと、リゾしら以外には需要が極めて少ないという制約があるためか、秋田駅の関根屋や沿線の飲食店または観光施設が製造し、五能線の駅では売らずに秋田駅や車内販売、もしくは予約販売というものだった。
これも、深浦駅では売らず、リゾートしらかみ2号の車内販売、同4号の事前予約販売、新青森駅、盛岡駅での発売。
製造元は、最近は青森駅弁でがんばっている、工藤パン系列「幸福の寿し本舗」。
後述の新聞記事によれば「1日50~100食の販売を想定」。
これまでは、秋田発のリゾートしらかみ下り列車での駅弁がメインだったと思うが、青森側からの上りの駅弁はあまりなかったかもしれない。
そんなわけで秋田では買えないなと思っていたら、1月11日付秋田魁新報 県北地域面に記事が出ていて、製造元は輸送体制や販売状況を見て「今後秋田駅での販売が可能か検討したい」と話していた。
仮に実現すれば、秋田駅に新たな駅弁業者参入となる。
やはり輸送には障害が少なくない予感がするから、かなりの人気にならないと、実現しないかも。人気になれば、それこそ首都圏でも売られよう。
全国的にみても、マグロがメインの駅弁は多くなさそう。八戸の吉田屋(今は販売終了?)、関東近辺や和歌山方面にちらほらある程度で、マグロ料理いろいろを組み合わせたものは他になさそう。
僕は魚介たっぷりかつ高級な駅弁は好まないが、深浦のマグステ丼の話は聞き及んでいたし、これはちょっと食べてみたい。内容からすると高いとは言えないかもしれない。
秋田県北部・JR奥羽本線大館駅の名物駅弁、花善の「鶏めし」。
昨年は、JR東日本の企画でパリで出張販売された(日本でも販売)が、それと同時期に、花善自身の現地法人がパリにでき、パリで常時鶏めし(日本と同一ではない)を売ることになった。それをきっかけにフランスから
たしか、大館出身で、小樽の大学を休学中の人が中心になっているとかいうことだったが、すごい。
1月11日付秋田魁新報 経済面のインタビュー連載「飛躍の年に」に、今年創業120年を迎える花善社長の話が載っていた。
それによれば、年間70万食を売り上げているそうだ。
驚いたことに「昨年11月には、思い切って関東圏の駅での販売をやめた。」。
理由は「「輸送費をかけて数え切れない他の駅弁と競うよりも、秋田でしか食べられない味の方が強みになる」と考えた。」
花善の公式ホームページを見てみると、明確に「関東では売るのやめました」との記載はないが、販売箇所の一覧には、関東のものは載っていない。
以前は、東京駅の「駅弁屋 祭」や大宮駅などの「旨囲門」が出ていたはずだけど。なお、仙台駅や岩手県、青森県での販売は変わらず。
昨年11月4日付の読売新聞のサイトにもインタビューが出ていて「東京駅の店舗は9月末で撤退し、首都圏の店舗は順次閉店する方針」とあった。魁と総合すれば、11月をもって完全撤退ということで、上記パリ仕様の駅弁を売っている途中だったことになる。
ほんとに思い切った決断で、「もったいない」とも思ってしまった。
たしかに、首都圏の駅弁屋には、最近は東日本エリア外も含めて各地の駅弁がたくさん並んでいる。し烈な競争があるのだろう。
その中で花善の鶏めしは、特に最近は知名度が上がっているはずで、充分やっていける駅弁だと思う。
相反するけれど、首都圏では大館の鶏めしの知名度は、まだ伸びる余地があるとも思う。パリから人を呼ぶように、それによって首都圏から秋田へもっと人を呼べそうなのに。
ツイッターを検索してみると、祭での取り扱いをやめたことを知って惜しむ声が、数件。公式情報がなくて「やめたのかな」という推測する声もある。
やはり首都圏にいながらにして鶏めしを食べたいという人はいる。首都圏以西の人が、秋田まで行くには遠いけど、東京に出てきた時に買うといったこともあるだろう。
関東撤退は花善さんの判断で口をはさむ余地はないとしても、そのことはちゃんと告知してほしい。首都圏の客の印象を悪くさせることになりかねない。
【14日補足】たくさんある他社の駅弁には目もくれず、花善の鶏めしだけを目当てに東京駅などへ出向く客だって、数は分からないがいたに違いない。そういう人たちへの案内はあってしかるべきだろう。
それにしても、祭や旨囲門へ輸送して売る駅弁って、その輸送費は誰が負担しているのかと思っていたが、(全部か一部かは別として)製造側が負担していたことになる。
大館からは航空便になるだろうし、トラックで運べる関東近郊の業者との消耗戦になっていたのかもしれない。
でも、それを言うなら、大館から秋田市まで100キロを、あるいは盛岡や仙台まで輸送しているのはどうかということになるし、やっぱりパリで買えるのに東京では…ということにもなるし。
大館でできたてを買うのがいちばんおいしいのはたしかだけど。
そういえば、現在、京王百貨店新宿店で、恒例の国内最大規模の駅弁大会が開催中。
それには花善が参加している。2週間のうち前半は実演販売、後半は輸送で整理券対応。
【2023年4月7日追記】その後も、関東で鶏めしが発売再開されたという話は聞かない。しかし、2023年3月の東京駅 駅弁屋 祭では、なぜか販売されていた。
1月10日付のJR東日本秋田支社のプレスリリースで、新しい駅弁が同日から発売されることが分かった。発売当日の発表とはなんとも…
「青森県産本まぐろ使用 本まぐろ御膳」1300円。
五能線沿線の青森県深浦町では、地元で水揚げされるマグロを使った「深浦マグロステーキ丼」がご当地グルメ。それをはじめとするマグロ料理をいろいろ楽しめる弁当。深浦町が監修。
リゾートしらかみの乗客向けに、五能線関係の駅弁はこれまでもいくつか出ている。
ただ、沿線に駅弁業者がないこと、リゾしら以外には需要が極めて少ないという制約があるためか、秋田駅の関根屋や沿線の飲食店または観光施設が製造し、五能線の駅では売らずに秋田駅や車内販売、もしくは予約販売というものだった。
これも、深浦駅では売らず、リゾートしらかみ2号の車内販売、同4号の事前予約販売、新青森駅、盛岡駅での発売。
製造元は、最近は青森駅弁でがんばっている、工藤パン系列「幸福の寿し本舗」。
後述の新聞記事によれば「1日50~100食の販売を想定」。
これまでは、秋田発のリゾートしらかみ下り列車での駅弁がメインだったと思うが、青森側からの上りの駅弁はあまりなかったかもしれない。
そんなわけで秋田では買えないなと思っていたら、1月11日付秋田魁新報 県北地域面に記事が出ていて、製造元は輸送体制や販売状況を見て「今後秋田駅での販売が可能か検討したい」と話していた。
仮に実現すれば、秋田駅に新たな駅弁業者参入となる。
やはり輸送には障害が少なくない予感がするから、かなりの人気にならないと、実現しないかも。人気になれば、それこそ首都圏でも売られよう。
全国的にみても、マグロがメインの駅弁は多くなさそう。八戸の吉田屋(今は販売終了?)、関東近辺や和歌山方面にちらほらある程度で、マグロ料理いろいろを組み合わせたものは他になさそう。
僕は魚介たっぷりかつ高級な駅弁は好まないが、深浦のマグステ丼の話は聞き及んでいたし、これはちょっと食べてみたい。内容からすると高いとは言えないかもしれない。