広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

サンライフの天気時計

2021-08-16 23:45:36 | 昔のこと
秋田市八橋運動公園の西隣、八橋南一丁目に、秋田市やそれに関係する福祉・保健分野の施設がまとまる一角がある。福祉エリアとか、まとめた名称があってもよさそうだが、なさそう。この点はまた後日。
1978年まで秋田市立秋田商業高等学校があった場所で、1980年代中頃に今のようになった。1997年の中核市化にともない、秋田市保健所が(当初は駐車場だった場所に?)追加で造られている。
なお、八橋南は2002年の住居表示実施でできた地名で、それ以前は「八橋字戌川原(いぬかわら)」だったはず。

前にバス停があって、その名は「サンライフ秋田・秋田市保健所前」【28日訂正】「秋田市保健所・サンライフ秋田前」。
その名の通り、よく分からない多くの機関・施設が集まる中で、サンライフと保健所がここにあることを知る市民は多いはずで、このエリアを代表する施設と言える。
なお、1988年の冊子時刻表によれば、保健所設置前のバス停は「サンライフ秋田・秋田市保健センター前」【28日訂正】「秋田市保健センター・サンライフ秋田前」だったらしいが記憶にない。
※したがって、この記事では、このエリア全体を指して「サンライフ」「サンライフ秋田」と表記することにします。


山王大通り「児童会館前」交差点から、市道を北・面影橋方向へ進み、この一角に差しかかる地点。
左側がサンライフ
ここに最近まであったある物が、いつの間にかなくなっていた。
植えこみに撤去した痕跡
Googleストリートビューによれば、2019年9月にはまだあって、2020年10月にはなくなっていた。

僕はここはほとんど通らない。2020年4月に通りかかって、こんなものがここにあったのかと、写真を撮影したのが、最後の記録になってしまった。
2020年4月
撤去されたものは、公園にあるような自立式の時計である。タワー状のてっぺんにセイコー製のアナログ電気時計が両面設置されているが、その下に、木の枝葉のように別のものがくっついてる。ただの時計じゃない。

反対面も同じ
葉に見立てたのか、5つの緑の箱があって、それぞれ、
「よくなるでしょう」「快方に向かいます」「下り坂に向かいます」「わるくなるでしょう」(ここまで4つにはランプが付いている)
「これからのお天気ガイド 約8~10時間語のお天気の傾向を予測いたします」
また、てっぺんには風見鶏も付いている。動くのかは不明だが、東西の方角表示は正しい向き。

この先の天気が表示される。と言っても、気象庁や気象会社の発表を受信して表示するようなものではない。気圧計が内蔵されていて、それに基づいて表示するような仕組みのはず。
「天気予報」というよりは「天気傾向予測」程度か。

同種の時計は現在でも、屋内用の掛け時計や置き時計として市販されている。
屋外用では、セイコー、シチズン、パナソニックの設備時計大手では、少なくとも現在はなさそう。
一方、「石川商事」という企業では、大手の設備時計をベースにしたモニュメントなどの「特殊時計」を作っていて、その1つに「温湿度計・天気予報」というのがあった。現在も、デジタル表示で天気予測する屋外用時計はあるようだ。

「お天気ガイド」で検索したら、サンライフとはまったく別デザインで同種のものが2つ見つかった。
北海道小樽市「サンモール一番街」には、アーケード天井から吊り下げで「8時間後の予報です」。
同じく北海道留萌市の「留萌駅前大通り」には、道路の中央分離帯に、サンライフよりコンパクトな自立式。時計はシチズン製。「約8時間後の天気予報」で、(実測していると思われる)温度表示も装備。
何時間後は異なるが、「お天気ガイド」名で天気傾向が4種、時計本体は複数メーカーであることからして、やはり時計本体とは別のメーカーが、3つとも手がけたのではないだろうか。


秋田のものは、2020年時点で、時計は動いていたが、天気表示はたしかどれも点灯(点滅?)していなかったと思う。
金属部分にはサビが出て、天気表示枠もボロっちくなっていて、危なっかしい状態。特に「よくなるでしょう」が穴が開いていてよくない。撤去もやむなし。

「サンライフ」は「中高年齢労働者福祉センター」が正式で、「テルサ(勤労者総合福祉センター)」などと同じく、雇用保険の福祉事業の一環の施設。
2007年に雇用促進住宅などとともに、雇用福祉事業が廃止。秋田の場合は財団法人秋田市勤労者福祉振興協会へ譲渡されて現在に至る。

この時計を設置管理していたのは、秋田市ではなく、サンライフ側だったのだろうか。
歩行者は多いとはいえず、利用者の多くは車で来るようなこの場所、しかもバス停からは見えない。現在なら、ただの時計でさえ、設置されないかもしれない。現に、撤去後代替の時計は未設置。
昭和末、バブル期に突入していた頃だからこそ、設置されたのではないだろうか。 

【10月6日追記】コメント欄でも触れたが、このタイプの時計は、秋田市内のほかのどこかにも設置されていたような記憶もあるが、定かではない。
もしかしてと思い出したのが、中通の公営駐車場の中央通り側。車の入口辺りに、歩道に向かって、高さは配置は違うが、表示部の作りはよく似たものがあったようなおぼろげな記憶があるようなないような…
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする