秋田駅東西自由通路の耐震工事の周辺から、前回に続きさらに話題。
中央改札口の真向かい、南側。
左が工事の仮壁、右は電子地図とNewDays
木質の壁が2か所くぼんでいる。左のくぼみは黒いドアがあってNewDaysのバックヤード。
右は狭くて何もない。ここにあったものが、最近姿を消した。
(再掲)青紫色の端末
なくなったのは、路線バスの時刻を検索する、タッチパネル端末。
ここのほか、自由通路の西口バス乗り場の上(小さい階段付近)と東口アルヴェ1階インフォメーションカウンターの横にもあったのが、3台とも撤去。
他の2か所は、くぼみなどなく、柱や壁際の床に置かれていたので、名残りはコンセントが残る程度。
この端末は、秋田中央交通などバス会社やバス協会ではなく、秋田市役所が設置・管理(管理は企業へ委託でしょう)していた。
所管していた都市整備部交通政策課のサイトには、7月5日更新で「秋田駅前バス案内サービスの運用を終了します」とのお知らせがひっそりと掲載(ページ番号1007511)。
「秋田駅前に設置してある秋田市バス案内システム情報端末3台について、設備の老朽化に伴い、令和3年7月31日(土曜日)をもってサービスの運用を終了いたします。平成20年度の運用開始から長きに渡ってご利用いただき、誠にありがとうございました。」
「秋田駅前バス案内サービス」の呼称は聞いたことがあったが、「秋田市バス案内システム(情報端末)」という名もあったのか。2008年だから13年間ほどの稼働。
現地にも、張り紙くらいあっていいと思いますが…
ないよりはあったほうがいいものだけど、総合的に考えると、なくなっても仕方ないでしょう。
そもそも、使う人はいなくはなかったが、多いとは言えない程度。
スマートフォンが普及し、Googleマップでもバスの時刻やルートを検索できるようになった。
一方で、バスは減便が進んで、駅に来た段階で時刻表を検索するような行き当たりばったりでは、長時間待たされるケースが増えた。事前に時刻表を把握して計画的に行動しないと、バスが利用しづらくなってしまった。
そして、やっぱり紙(冊子)の時刻表を見る人のほうが多い。
そんな感じで、検索端末の存在意義は低下したと思う。他都市でも類似の装置は、鹿児島市で見かけた(電源が落ちていて使えなかった)くらいで、あまりないはず。
時刻のデータは、中央交通から提供されていたのだろう。同社公式サイトの時刻表検索と、表示形式はほぼ同一。サイトで時刻検索ができるようになったのも、2008年頃と記憶するから、市の検索端末導入と関連はありそう。
しかし、両者の細かな操作性は異なるし、検索端末のみで表示データに不具合が生じたこともあったので、ネットでつながって連動しているような密接な関係ではなかったと思う。
2014年当時の時刻検索結果。系統番号や年末年始運休設定は導入前
公式サイトも端末も、基本的な操作性やデザインは、導入当初からずっと変わっていない。
そのため、「バス停名の頭文字を知らないと、バス停名で検索できない」という、大きな欠点は変わらず。例えば、「サンライフ秋田」の前にバス停があるのを知っていても、名称は「秋田市保健所・サンライフ秋田前」なので「あ」の項目にある。「さ」を探しては一生見つけられない。ただし、端末では、地図や施設名称から探すことは可能だった。
システム導入より後に始まった、系統番号や年末年始特別ダイヤ時運休便(□印)への対応は、専用欄がなく路線名に付記するという、後付け感あふれる方法(端末のほうはうろ覚え)。
年末年始のほか、お盆の土日ダイヤ適用日が年々拡大されてきたが、端末にはそうした告知・注意書きも出なかった(一部シール貼りはしていた)。
当初は、秋田駅西口と東口発の一般路線バスだけの検索だった。2014年頃にリニューアル(端末自体は同じはず)され、郊外のマイ・タウンバスに乗り継ぐ検索にも対応したが、いずれにしても駅から(駅まで)以外は対象外。
撤去された端末は、コンビニのマルチメディアステーションのような姿だが、検索して表示する以外の機能はなし。
メンテナンス風景を目撃したら、画面下の扉の中には、普通のデスクトップパソコンやマウス(とキーボードも?)が入っているだけだった。
画面の左上には、白で「MEDIASAURUS」のロゴ。
調べると、「TOTOKU」ブランドの「東京特殊電線」という企業の製品。いちおう「マルチメディア情報端末」という肩書き。本体は画面部分だけのようで、下部はラックのような別物扱い。
同社の情報機器事業は2013年にJCVケンウッドへ譲渡されていたので、今はJVCケンウッドのサイトに情報が載っているが、MEDIASAURUSシリーズは生産終了している模様。
上記の通り、駅でバス時刻検索できれば便利だけど、必要性は低いと考えるし、秋田市にも中央交通にも、後継を導入する余裕はないだろう。あるいは、紙の時刻表を一覧にして張り出したほうがいいかも。
でも、ちょっと期待を寄せたくなるものがある。中央改札口前の自由通路中央。
ナマハゲの隣の白い機械
「information」「駅構内や秋田駅周辺をご案内します。」と書いてある。
凸版印刷の多言語AIサイネージ「BotFriends Vision」。「BotFriends(ぼっとふれんず)」は凸版印刷の商標。「AIチャットボット」「AIデジタルアシスタント」という説明もされている。
実証実験と東北デスティネーションキャンペーンに合わせて、2021年4月から1年間の予定で、仙台、盛岡、新青森の各駅とともに設置。7月からは高輪ゲートウェイ駅、阪急電鉄・大阪梅田駅にも置かれているそうで、全国的にもまだ目新しいものらしい。東北に置いたのは「音声認識による方言の認識精度の検証も」するためだそう。
それが秋田駅では中央改札口内外とみどりの窓口内に、合計5台も置かれている。が、使っている人は1度しか見たことない。
タッチしなくても指差して作動する非接触パネルと音声認識で操作し、オペレーターにつなぐこともできるようだ。問い合わせ先はJR東日本商事。
「こんにちは!陸奥めぐです!」
秋田駅のものは、画面の背景がその自由通路の写真だけど、設置位置より西寄り・トピコ前から中央改札方向を移したもので、スタバが造られる前の古い写真。
「駅周辺をご案内します」なら、ひょっとしたら、これで路線バスの案内がされているのかも、と思っていじってみた。
非接触パネルは、ほんとに触れずに意図通りに選択され、スムーズな動作。券売機、ATMにも使えそう。
項目選択はパネルが使えても、地図を出して調べたい店の名前などを入力する時は、音声でしかできないようだ。せっかく非接触で使えても、マスクでもごもご/飛沫を飛ばしてしゃべらないとならないのはなんだかな、だし、人通りがある改札口前では恥ずかしい。画面上のソフトウェアキーボードもあればいいのに。
トップ画面に「駅構内案内」「乗換案内」「周辺地図」などがあるが、どこにもバス情報はなし。
表示されるたいていの情報は、JR東日本のホームページやGoogleマップで分かる内容だと思う。他の言語は分からないが、これではスマホで調べるのと大差ないと思う。
この端末に秋田駅からのバスの案内機能を組みこめば、駅に関する情報、鉄道からの二次交通の情報が充実するし、利用者が多いとは言えない端末の有効利用にもなる。
Googleマップでバス検索もできているのだから、それを内包するなど技術的には難しくなかろう。
JR東日本さんのお力があれば、自治体やバス会社の負担も少ないに違いない。いかがでしょうか。
中央改札口の真向かい、南側。

木質の壁が2か所くぼんでいる。左のくぼみは黒いドアがあってNewDaysのバックヤード。
右は狭くて何もない。ここにあったものが、最近姿を消した。

なくなったのは、路線バスの時刻を検索する、タッチパネル端末。
ここのほか、自由通路の西口バス乗り場の上(小さい階段付近)と東口アルヴェ1階インフォメーションカウンターの横にもあったのが、3台とも撤去。
他の2か所は、くぼみなどなく、柱や壁際の床に置かれていたので、名残りはコンセントが残る程度。
この端末は、秋田中央交通などバス会社やバス協会ではなく、秋田市役所が設置・管理(管理は企業へ委託でしょう)していた。
所管していた都市整備部交通政策課のサイトには、7月5日更新で「秋田駅前バス案内サービスの運用を終了します」とのお知らせがひっそりと掲載(ページ番号1007511)。
「秋田駅前に設置してある秋田市バス案内システム情報端末3台について、設備の老朽化に伴い、令和3年7月31日(土曜日)をもってサービスの運用を終了いたします。平成20年度の運用開始から長きに渡ってご利用いただき、誠にありがとうございました。」
「秋田駅前バス案内サービス」の呼称は聞いたことがあったが、「秋田市バス案内システム(情報端末)」という名もあったのか。2008年だから13年間ほどの稼働。
現地にも、張り紙くらいあっていいと思いますが…
ないよりはあったほうがいいものだけど、総合的に考えると、なくなっても仕方ないでしょう。
そもそも、使う人はいなくはなかったが、多いとは言えない程度。
スマートフォンが普及し、Googleマップでもバスの時刻やルートを検索できるようになった。
一方で、バスは減便が進んで、駅に来た段階で時刻表を検索するような行き当たりばったりでは、長時間待たされるケースが増えた。事前に時刻表を把握して計画的に行動しないと、バスが利用しづらくなってしまった。
そして、やっぱり紙(冊子)の時刻表を見る人のほうが多い。
そんな感じで、検索端末の存在意義は低下したと思う。他都市でも類似の装置は、鹿児島市で見かけた(電源が落ちていて使えなかった)くらいで、あまりないはず。
時刻のデータは、中央交通から提供されていたのだろう。同社公式サイトの時刻表検索と、表示形式はほぼ同一。サイトで時刻検索ができるようになったのも、2008年頃と記憶するから、市の検索端末導入と関連はありそう。
しかし、両者の細かな操作性は異なるし、検索端末のみで表示データに不具合が生じたこともあったので、ネットでつながって連動しているような密接な関係ではなかったと思う。

公式サイトも端末も、基本的な操作性やデザインは、導入当初からずっと変わっていない。
そのため、「バス停名の頭文字を知らないと、バス停名で検索できない」という、大きな欠点は変わらず。例えば、「サンライフ秋田」の前にバス停があるのを知っていても、名称は「秋田市保健所・サンライフ秋田前」なので「あ」の項目にある。「さ」を探しては一生見つけられない。ただし、端末では、地図や施設名称から探すことは可能だった。
システム導入より後に始まった、系統番号や年末年始特別ダイヤ時運休便(□印)への対応は、専用欄がなく路線名に付記するという、後付け感あふれる方法(端末のほうはうろ覚え)。
年末年始のほか、お盆の土日ダイヤ適用日が年々拡大されてきたが、端末にはそうした告知・注意書きも出なかった(一部シール貼りはしていた)。
当初は、秋田駅西口と東口発の一般路線バスだけの検索だった。2014年頃にリニューアル(端末自体は同じはず)され、郊外のマイ・タウンバスに乗り継ぐ検索にも対応したが、いずれにしても駅から(駅まで)以外は対象外。
撤去された端末は、コンビニのマルチメディアステーションのような姿だが、検索して表示する以外の機能はなし。
メンテナンス風景を目撃したら、画面下の扉の中には、普通のデスクトップパソコンやマウス(とキーボードも?)が入っているだけだった。
画面の左上には、白で「MEDIASAURUS」のロゴ。
調べると、「TOTOKU」ブランドの「東京特殊電線」という企業の製品。いちおう「マルチメディア情報端末」という肩書き。本体は画面部分だけのようで、下部はラックのような別物扱い。
同社の情報機器事業は2013年にJCVケンウッドへ譲渡されていたので、今はJVCケンウッドのサイトに情報が載っているが、MEDIASAURUSシリーズは生産終了している模様。
上記の通り、駅でバス時刻検索できれば便利だけど、必要性は低いと考えるし、秋田市にも中央交通にも、後継を導入する余裕はないだろう。あるいは、紙の時刻表を一覧にして張り出したほうがいいかも。
でも、ちょっと期待を寄せたくなるものがある。中央改札口前の自由通路中央。

「information」「駅構内や秋田駅周辺をご案内します。」と書いてある。
凸版印刷の多言語AIサイネージ「BotFriends Vision」。「BotFriends(ぼっとふれんず)」は凸版印刷の商標。「AIチャットボット」「AIデジタルアシスタント」という説明もされている。
実証実験と東北デスティネーションキャンペーンに合わせて、2021年4月から1年間の予定で、仙台、盛岡、新青森の各駅とともに設置。7月からは高輪ゲートウェイ駅、阪急電鉄・大阪梅田駅にも置かれているそうで、全国的にもまだ目新しいものらしい。東北に置いたのは「音声認識による方言の認識精度の検証も」するためだそう。
それが秋田駅では中央改札口内外とみどりの窓口内に、合計5台も置かれている。が、使っている人は1度しか見たことない。
タッチしなくても指差して作動する非接触パネルと音声認識で操作し、オペレーターにつなぐこともできるようだ。問い合わせ先はJR東日本商事。

秋田駅のものは、画面の背景がその自由通路の写真だけど、設置位置より西寄り・トピコ前から中央改札方向を移したもので、スタバが造られる前の古い写真。
「駅周辺をご案内します」なら、ひょっとしたら、これで路線バスの案内がされているのかも、と思っていじってみた。
非接触パネルは、ほんとに触れずに意図通りに選択され、スムーズな動作。券売機、ATMにも使えそう。
項目選択はパネルが使えても、地図を出して調べたい店の名前などを入力する時は、音声でしかできないようだ。せっかく非接触で使えても、マスクでもごもご/飛沫を飛ばしてしゃべらないとならないのはなんだかな、だし、人通りがある改札口前では恥ずかしい。画面上のソフトウェアキーボードもあればいいのに。
トップ画面に「駅構内案内」「乗換案内」「周辺地図」などがあるが、どこにもバス情報はなし。
表示されるたいていの情報は、JR東日本のホームページやGoogleマップで分かる内容だと思う。他の言語は分からないが、これではスマホで調べるのと大差ないと思う。
この端末に秋田駅からのバスの案内機能を組みこめば、駅に関する情報、鉄道からの二次交通の情報が充実するし、利用者が多いとは言えない端末の有効利用にもなる。
Googleマップでバス検索もできているのだから、それを内包するなど技術的には難しくなかろう。
JR東日本さんのお力があれば、自治体やバス会社の負担も少ないに違いない。いかがでしょうか。