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アマビエ菓子@秋田

2020-05-19 00:39:20 | 各地お土産・食べ物
前回に続き、アマビエのお菓子。
前回の通り、アマビエ菓子の多くを占めるのが、上生の練り切り。「アマビエ 和菓子」などで画像検索してみれば、各地のアマビエ上生を見られ、多種多様なことが分かる。
顔をデザインしたものが多く、横顔半面もしくは尾びれまで含めた全身のものも。色は“水木設定”かそれに近いものが多い。
アマビエの本場、熊本では「誉の陣太鼓」でおなじみのお菓子の香梅が、横顔2種と正面顔の3タイプを製造。岐阜県大垣市ではピンクを使わず青系でまとめて立ったような姿、兵庫県西宮市では緑と茶色ベースの落ち着いた色合いで立ったものがある。

ざっと見た限り、アマビエ和菓子は4月下旬以降に販売を始めた店が多いようだ。そんな中、もっと早い時期から作っているお店もある。
宮崎市で4月11日以前、長崎市で4月11日、岡山市で4月16日に、それぞれ発売開始した店があった。
素人考えでは、技術のある職人がいて日頃上生を作っている店ならば、やろうと思えばすぐにでもできそう。情報収集力と決断力も合わせて、スピーディーな店ということか。


4月11日に発売を始めたのがもう1店、秋田にある。
秋田市に本社といくつかの店舗、本荘にも1店ある「かおる堂」。正式には「秋田菓子宗家 かおる堂」だそうで、秋田の菓子店では大きい企業。市民でも意識する人は少ないと思うが、系列で別ブランドの菓子店(一乃穂、扇屋開運堂、杉山壽山堂、秋田いなふく米菓)も展開する。あと、上記誉の陣太鼓とほぼ同一の「長者の山」という商品がある。

秋田経済新聞サイトによれば、かおる堂の女性職人が考案して、5個だけ売ったのが始まり。
その後、直営5店舗で1日200個限定販売。1個税抜150円(上生にしては安い)、99kcal。
ゴールデンウイーク前時点では、1人当たりの購入数も2個に制限して、それでも連日早々に売り切れていたとのこと。それをもらった。
かおる堂 アマビエ練り切り
中は黒いこしあん、目は絞り出した羊羹。手作りだから、写真の2つでウロコの線や目の位置が微妙に違う。
顔中心で尾びれがないデザイン。かわいいけど、特に正面からだとアマビエの特徴である髪(?)が見えづらいので、鳥のようにも見える。
横からだと髪が分かるが、アマビエにしては毛量少なめ?

ラベルの商品名は「妖怪アマビエ」
デザインは別として、もちろん上品なお味で、おいしい。こしあん好きにはたまらない。

ネット上の皆様の写真を見比べると、個体差なのか意図的なのか、色合いの濃淡が違うものや、上の写真よりピンクの髪が前に来て“額が狭い”ものがあった。【21日追記】発売直後に秋田魁新報が撮影した写真では、全体が少し細長く見える。
ところで、水木先生が色付けしたアマビエだが、2パターンがある(「水木 アマビエ」で画像検索)。伝承される絵に近いアマビエ単独のキャラクターと、「ゲゲゲの鬼太郎」アニメ5期登場のキャラクターということのようで、特に髪の色は前者が水色、後者はピンク。
かおる堂のは鬼太郎のアマビエに近いと言える。全国の他のアマビエ練り切りでも、髪がピンクのものが少なくない。ネットの画像では、鬼太郎キャラよりも単独キャラのほうが多く広まっているようにも感じるのに。
初期に売り出した長崎の店も同じ色使いで、そちらやかおる堂のものがネットと報道で取り上げられ、各地の菓子店に影響を与えた面もあるのかもしれない。

また、ほとんど取り上げられていないが、かおる堂系列の「杉山壽山堂(※)」でも、「アマビエ(ねりきり)」を税込み180円で発売中。
※壽山は「じゅさん」なのか「じゅざん」なのかは不明。創業は1705年と古く、わりと近年にかおる堂傘下になったようだ。
かおる堂のアマビエとはまったく違う。顔だけでなく全身で、かおる堂とも元絵とも、だいぶ違う雰囲気を醸し出している【19日補足・キモカワ系?】。体は薄緑、髪は薄ピンク。中央がくびれたように見え、ウロコをくぼみで表していることから落花生に目鼻が付いたようにも見えるし、髪やギョロっとした目からヤマンバギャルも連想してしまう。


かおる堂本体に話を戻して。
練り切りの人気に気を良くしたのか、あるいは、品切れ対策もあって日持ちする商品で出したかったのか、さらにアマビエ商品を発売。
4月13日にはカオルサブレ「アマビエバージョン」が登場。写真はありません。
同社の代表商品に、直径7センチくらいの円形で厚い「カオルサブレ」がある。今は、それに好みの画像や文字を食用インクで印刷する「プリントカオルサブレ」(有料)もやっている。
それを活用して、アマビエの画像の両側に「祈・コロナ終息」「アマビエ」の文字を縦書きした商品。文字のフォントは、隷書と思われるものと角ゴシック体の2タイプが存在し、ゴシックのほうがレア(初期製造の一部だけ?)な模様。
値段は1枚200円と、練り切りに比べて割高感。
それもそのはず、印刷なしのカオルサブレは1枚100円ほどのようで、個人でプリントカオルサブレを頼むと200円になる。印刷費をそのまんま転嫁しているのだった。

さらにもう1つ。マスコミでは練り切りとサブレばかりを報道していたので、おそらく遅れて発売された(4月19日時点では売っていた)と思われるもの。
これは全国で秋田にしかないはず。元になるお菓子が秋田にしかないから。
アマビエ諸越(もろこし) ※こちらの商品には「妖怪」なし
1個150円、93kcal。シリカゲル入り密閉包装で2か月持つ。
秋田名物の小豆の粉の打ち菓子「もろこし(過去の記事)」。かおる堂でも、絵合わせパズルみたいなタイル状のもろこしがある。杉山壽山堂は「元祖秋田諸越本舗」と称し、サイトのURLはmorokoshi.jpで何種類も作っている。

アマビエ諸越は、円形で中央部が盛り上がったドーム状。直径5.5センチ、中央の高さ1.5センチ弱と、もろこしにしては大きい。同社のレギュラー商品ではこのようなものがあるのかは不明。その表面に、例によって食用インク(可食インクと表記)でアマビエの絵(文字はなし)を印刷している。

一般にもろこしは、薄いもの、ひと口大のものなどが多いが、形状はさまざま。柔らかくないから厚いのは食べるのに苦労するし、大きなものはかじったり割ったりする時に粉が散らかる。
アマビエ諸越も食べるのに苦労しそうな見かけだが、実際にはそうでもなかった(粉は散る)。
普通のもろこしとは違う、やや軽めでサクっとしたような食感。味も軽くあっさりした感じ。落雁とはぜんぜん違うけれど、もろこしにしてはちょっと変わっていた。
原材料名欄では「糖類(砂糖、和三盆糖)、小豆粉、澱粉、着色料(詳細略)」。
以前紹介した、勝月のもろこしは、「小豆粉・上白糖」であった。メーカーによっては砂糖が先にくるものもあるにはあるようだが、要は小豆の粉が少なめなことによる違いか。【19日補足・それと和三盆の味わいが加わって、少し違う味や食感になっているのだろう。】
【19日補足】かおる堂には「炉ばた」という商品名の一口もろこしがあり、それも和三盆を使っているらしい。食べたのは遠い記憶だが、そう言えば、軽めの食感だったような。

描かれたアマビエは、もろこしもサブレも同じもののようだ。横顔でなく正面顔。見覚えがある。
もろこしと練り切り
なんのことはない。「アマビエの絵」の正体は、練り切りの写真だった! たぶん。
なんともお手軽。上記の通り、このデザインのアマビエの正面顔では、鳥に見えてしまうよ。イラストを別に作って印刷したほうが、良かったのではないでしょうか。

食品用プリンターというのは、紙用インクジェットプリンターと同じ原理(紙送り機構とインクが違う)らしいが、表面が平らでないもの、またもろこしのような水分を吸収する素材にも、いくぶんにじむものの印刷できるのか。
そして、もろこしもサブレも、アマビエの色合いが良くないと思う。
これも、白い紙に印刷するのが基本で、色付き用紙だと発色が違うという、紙用カラープリンターと同じ宿命なのだろう。この点からも、線画などイラストにしたほうが、きれいに見せられるはず。

アマビエ商品が売られなくなって、ブームが去る時はいつになるだろうか。

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2 コメント

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上生菓子 (taic02)
2020-05-24 23:39:33
アマビエじゃなくても、職人さんのアイデアと技と心がこもっていて、食べるのは惜しい時がありますね。
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Unknown (shalomjunko123)
2020-05-23 19:35:15
食べるのもったいないですね。
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