秋田大学医学部附属病院の話題。
病院の前を、月に1度行くか行かないか程度で通りかかるのだが、9月初め。
病院正面
正面向かって右の前後方向が、「大学病院前」バス乗り場なのだが、そこで工事していた。
それまであった、バス乗り場の上屋がなくなっていて、後方の駐車場スペースの一部をつぶして細長い2階建ての建物を建設中。
白い仮囲い部分に、元の上屋があった
仮の乗り場
これまでバスが停まっていた部分にコーンを置いて、仮の乗り場にしていた。代替として、病院玄関に通じる屋根付き通路の一部を、来るバスが見えるように窓を透明にして待合所にしていた。
今回の工事前の風景を、再掲写真とGoogleストリートビューから。
(再掲)病院の建物外壁も今と違う2011年。右端がバス停
Googleストリートビューより
この大学病院前のバス停は、ある程度のバスターミナル機能を有する。秋田駅行きは、西口行き2経路と東口行きの3パターンが発着する。2012年に、違う経由の西口行きが近接して発車するダイヤが多く、本数と比べると実質的な乗車機会は少ないことを指摘した。その後、今は本数自体もいくらか減ったし、近接ダイヤもほぼ変わっておらず、相変わらず。
そして、今は病院の門の中・敷地内にある大学病院前バス停だが、以前は門の外にあった。
病院に向かって手前(道路横断要)の左側の土地にあった。今は、外来患者用平面駐車場になっている土地だから、当時から大学の所有地ではあったのか。なお、今の門内のバス乗り場付近は、以前は駐車場や通路だったようだ。
現位置になったのは、2009年よりは確実に前、2000年代中頃、市営バスがなくなったよりは後のことだった。
国立大学法人化、(それに便乗した?)病棟など建物の整備などもあって、大学病院の風景はいくらか変化した。
秋田大学に限ったことではないようで、弘前大学医学部附属病院でも、建物と正面周辺が整備され、2011年10月から土手町循環100円バスが、病院の敷地内(というか玄関)へ乗り入れるようになった。ただし、一般路線バスは従来どおり路上バス停。
10年ちょっとで、バス乗り場を作り変えるのか、小さくはない建物は何になるのかと思っていた。11月初め。
できあがっている ※左手前が、昔のバス停の場所
「日本調剤 秋田薬局」ができた!
「日本調剤」はピンとこなかったが、大手調剤薬局チェーン。テレビCMもやっている。
「秋田薬局」というおおざっぱな店舗名だが、秋田市内には初出店らしい。八郎潟、本荘、大曲などの総合病院近くには、すでにある。
【12日コメントにより訂正】2011年から2015~2017年頃まで秋田市内に「日本調剤保戸野薬局」があった。総合病院近くでない小さい薬局で、今は居抜きで地元の佐野薬局になっている。日本調剤は秋田市再進出となる。
ここでバス停から離れて、薬局のこと。今回のようなことってどうなの?
日本の医療業界では「医薬分業」が進められてきた。今は医者で処方箋をもらって、調剤薬局(保険薬局)へ持っていって薬をもらうのが基本。昔は、診察後に医療機関で薬を出された。個人開業の町医者でも。
秋田では比較的早かったようで、1980年代後半頃から、現行の院外処方が広まった。しかし、あちこちの医院のすぐ近くに、そこの患者をアテにした調剤薬局ができた。いわゆる「門前薬局」で、手間が増えるだけで、なんだかなという気がしていた。
ここ10年くらいは、門前薬局の大手調剤薬局チェーンが進出したり、ジェネリック医薬品、おくすり手帳・かかりつけ薬局/薬剤師が普及したり、また雰囲気が変わってきた気もしていた。
すでに他の薬局があるように、大学病院敷地外の近くに薬局を出店するのなら、門前薬局ではあるが、文句はない。
だけど、ここは大学病院の敷地内、「門内薬局」だ。いいの?
調べると、2016年に規制緩和が行われた結果らしい。
それまでは、医療機関と調剤薬局の間には公道を介する必要があったそうだ。隣接地では間にフェンスを設置するなどしなければならかった【12月3日補足・つまり、フェンスで区切ることで、いったん公道の歩道に出て、再び敷地内に戻るという形】。それでは移動に制約がある患者は大変という理由で、医療機関と同一敷地内でも薬局が営業できるよう、緩和された。※地方厚生局の個別判断を受ける必要はあり。同じ建物内や専用通路でつながっている場合は、引き続き認められない。
また、門内のほうが基本調剤料が低い、つまり薬が安く買えるようだ。
規制緩和を受けて出店した、ある大手薬局チェーンのホームページでは「敷地内薬局」の語を用いているが、カッコで「門内薬局」を1度だけ使ってもいた。
一方で、これは「医薬接近」であり医薬の独立性が保たれるのか、医薬分業の趣旨やかかりつけ薬局の流れと矛盾するという、指摘も、当然ある。
今のところ、全国的に大きい総合病院で事例があるようだ。でも、地域医療をリードし、ある程度中立性も求められるであろう、国立大学病院が率先して院内薬局を開業させるというのは…
借地代・家賃が大学の収入になるというだけでは、病院や学内にスタバやコンビニを入れるのも同じことだけど、医薬分業も合わせると、パチンコ屋と景品交換所みたいな…
話をバス乗り場に戻して。
東口行きバスが到着
敷地内から。このバスは手形山経由西口行き
前後で乗り場が2つ。
あまり利用しないのでいつも忘れてしまうのだが、外側・道路寄りが1番で病院本体の建物寄りが2番と番号がある。駅行きは両方から出る。ここで折り返す手形山経由西口行きは1番、赤沼線東口行きは2番。手形山経由でない(三吉神社入口・赤沼入口経由)西口行きは1【12月28日訂正・2のようです。病院始発路線(手形山と朝の直通車庫行き)が1、途中通過の路線は往復とも2という分け方らしい】だったっけ?
これまでは、同じ時刻表が両方に出ていたり、明確な標柱がなかったり、分かりづらかった。そもそも不慣れな人には、東口と西口の違い、経由地の違いも不安にさせる。
新しくなっても、上記の点は変わっていないと思われる。
新しい乗り場の屋根は、薬局のひさしが「雁木(がんぎ)」「こみせ」のように、通路部分に張り出した構造。薬局の玄関もここに面するので、スロープができて狭い箇所もあるが、通路としては従来と大差ない。
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秋田駅西口を意識したのか、木質の格子状の壁もあるが、ちゃんとガラスが入っている。でもベンチはない。工事中に使っていた、玄関寄りの待合室が引き続き残っていたから、そこで座れということか。間に車の出入口があるので、移動時は注意。
【10日待合室について訂正】訪問時は短時間で、営業中の薬局に遠慮して建物内を見ないでしまっていたが、薬局と同じ建物に待合室ができたようだ。ベンチが4脚ほど置かれ、空調もあるようだ。平日の7時から21時まで開放。通路・乗り場と待合を区分したことになるが、土日は座れないとは。【22日追記】待合室は、建物の門寄り、上の写真でスロープの所。
ここは、あまり広くないスペースを、後付けでバス乗り場にしたこともあろうだろう、車の動線はやや無理があると思う。バスも一部一般車(駐車場の1つ)も救急車も、この正面から出入りするはず。
中でも、建物寄りの2番乗り場に着けるバスは、
これで乗降扱い中
通路・上屋と車体を並行にバスを着けるのではなく、このように斜めに停まってしまうことが多い。そうせざるを得ない。
道路から門内に入り、突き当りの建物(通路の壁)ギリギリまで進んで、180度向きを変えてすぐが、乗り場。そして3つ上の写真でも分かるかと思うが、(業務用?【12月28日訂正】救急車専用の)車の出入口が間にある。
Googleマップ航空写真に加筆。赤い線のように動かないといけない
そんなきゅうくつな場所なので、バスはバックして切り返さないと、2番乗り場にまっすぐに着けることは不可能だと思う。でも狭いから、ミラーをぶつけたり、周りをちょこまか動く他車や人と接触する危険がある。2番に入る赤沼線には、(中型でなく)大型バスも入るから、なおさら大変だろう。
秋田大学当局も、中央交通も、意見を出し合って検討して、設計するなり配置するなりしても良かったかもしれない。
あと、ここが「大学病院前バス停」である旨の表示が見当たらないと思う。乗り場ごとの標柱もそうだが、それよりも「バス乗り場そのものの存在」を知らせる表示(看板)のこと。
今までならなんとなくバス停っぽかったが、現状では「建物の一部」とか「薬局前のきれいな通路」に見えて、バス停はどこかと探してしまう人がいるかも。大学病院前バス停は、病院関係者だけが使うのではないのだから。
【2021年4月21日追記】その後、2021年4月に久しぶりに行くと、格子状の部分に、白地に青のアイコンと文字でバス停を示す表示板が複数設置されていた。これなら問題ないでしょう。
病院の門前から門内に移った、バス停と薬局の話でした。
病院の前を、月に1度行くか行かないか程度で通りかかるのだが、9月初め。
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正面向かって右の前後方向が、「大学病院前」バス乗り場なのだが、そこで工事していた。
それまであった、バス乗り場の上屋がなくなっていて、後方の駐車場スペースの一部をつぶして細長い2階建ての建物を建設中。
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これまでバスが停まっていた部分にコーンを置いて、仮の乗り場にしていた。代替として、病院玄関に通じる屋根付き通路の一部を、来るバスが見えるように窓を透明にして待合所にしていた。
今回の工事前の風景を、再掲写真とGoogleストリートビューから。
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この大学病院前のバス停は、ある程度のバスターミナル機能を有する。秋田駅行きは、西口行き2経路と東口行きの3パターンが発着する。2012年に、違う経由の西口行きが近接して発車するダイヤが多く、本数と比べると実質的な乗車機会は少ないことを指摘した。その後、今は本数自体もいくらか減ったし、近接ダイヤもほぼ変わっておらず、相変わらず。
そして、今は病院の門の中・敷地内にある大学病院前バス停だが、以前は門の外にあった。
病院に向かって手前(道路横断要)の左側の土地にあった。今は、外来患者用平面駐車場になっている土地だから、当時から大学の所有地ではあったのか。なお、今の門内のバス乗り場付近は、以前は駐車場や通路だったようだ。
現位置になったのは、2009年よりは確実に前、2000年代中頃、市営バスがなくなったよりは後のことだった。
国立大学法人化、(それに便乗した?)病棟など建物の整備などもあって、大学病院の風景はいくらか変化した。
秋田大学に限ったことではないようで、弘前大学医学部附属病院でも、建物と正面周辺が整備され、2011年10月から土手町循環100円バスが、病院の敷地内(というか玄関)へ乗り入れるようになった。ただし、一般路線バスは従来どおり路上バス停。
10年ちょっとで、バス乗り場を作り変えるのか、小さくはない建物は何になるのかと思っていた。11月初め。
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「日本調剤」はピンとこなかったが、大手調剤薬局チェーン。テレビCMもやっている。
「秋田薬局」というおおざっぱな店舗名だが、
【12日コメントにより訂正】2011年から2015~2017年頃まで秋田市内に「日本調剤保戸野薬局」があった。総合病院近くでない小さい薬局で、今は居抜きで地元の佐野薬局になっている。日本調剤は秋田市再進出となる。
ここでバス停から離れて、薬局のこと。今回のようなことってどうなの?
日本の医療業界では「医薬分業」が進められてきた。今は医者で処方箋をもらって、調剤薬局(保険薬局)へ持っていって薬をもらうのが基本。昔は、診察後に医療機関で薬を出された。個人開業の町医者でも。
秋田では比較的早かったようで、1980年代後半頃から、現行の院外処方が広まった。しかし、あちこちの医院のすぐ近くに、そこの患者をアテにした調剤薬局ができた。いわゆる「門前薬局」で、手間が増えるだけで、なんだかなという気がしていた。
ここ10年くらいは、門前薬局の大手調剤薬局チェーンが進出したり、ジェネリック医薬品、おくすり手帳・かかりつけ薬局/薬剤師が普及したり、また雰囲気が変わってきた気もしていた。
すでに他の薬局があるように、大学病院敷地外の近くに薬局を出店するのなら、門前薬局ではあるが、文句はない。
だけど、ここは大学病院の敷地内、「門内薬局」だ。いいの?
調べると、2016年に規制緩和が行われた結果らしい。
それまでは、医療機関と調剤薬局の間には公道を介する必要があったそうだ。隣接地では間にフェンスを設置するなどしなければならかった【12月3日補足・つまり、フェンスで区切ることで、いったん公道の歩道に出て、再び敷地内に戻るという形】。それでは移動に制約がある患者は大変という理由で、医療機関と同一敷地内でも薬局が営業できるよう、緩和された。※地方厚生局の個別判断を受ける必要はあり。同じ建物内や専用通路でつながっている場合は、引き続き認められない。
また、門内のほうが基本調剤料が低い、つまり薬が安く買えるようだ。
規制緩和を受けて出店した、ある大手薬局チェーンのホームページでは「敷地内薬局」の語を用いているが、カッコで「門内薬局」を1度だけ使ってもいた。
一方で、これは「医薬接近」であり医薬の独立性が保たれるのか、医薬分業の趣旨やかかりつけ薬局の流れと矛盾するという、指摘も、当然ある。
今のところ、全国的に大きい総合病院で事例があるようだ。でも、地域医療をリードし、ある程度中立性も求められるであろう、国立大学病院が率先して院内薬局を開業させるというのは…
借地代・家賃が大学の収入になるというだけでは、病院や学内にスタバやコンビニを入れるのも同じことだけど、医薬分業も合わせると、パチンコ屋と景品交換所みたいな…
話をバス乗り場に戻して。
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前後で乗り場が2つ。
あまり利用しないのでいつも忘れてしまうのだが、外側・道路寄りが1番で病院本体の建物寄りが2番と番号がある。駅行きは両方から出る。ここで折り返す手形山経由西口行きは1番、赤沼線東口行きは2番。手形山経由でない(三吉神社入口・赤沼入口経由)西口行きは
これまでは、同じ時刻表が両方に出ていたり、明確な標柱がなかったり、分かりづらかった。そもそも不慣れな人には、東口と西口の違い、経由地の違いも不安にさせる。
新しくなっても、上記の点は変わっていないと思われる。
新しい乗り場の屋根は、薬局のひさしが「雁木(がんぎ)」「こみせ」のように、通路部分に張り出した構造。薬局の玄関もここに面するので、スロープができて狭い箇所もあるが、通路としては従来と大差ない。
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秋田駅西口を意識したのか、木質の格子状の壁もあるが、ちゃんとガラスが入っている。でもベンチはない。工事中に使っていた、玄関寄りの待合室が引き続き残っていたから、そこで座れということか。間に車の出入口があるので、移動時は注意。
【10日待合室について訂正】訪問時は短時間で、営業中の薬局に遠慮して建物内を見ないでしまっていたが、薬局と同じ建物に待合室ができたようだ。ベンチが4脚ほど置かれ、空調もあるようだ。平日の7時から21時まで開放。通路・乗り場と待合を区分したことになるが、土日は座れないとは。【22日追記】待合室は、建物の門寄り、上の写真でスロープの所。
ここは、あまり広くないスペースを、後付けでバス乗り場にしたこともあろうだろう、車の動線はやや無理があると思う。バスも一部一般車(駐車場の1つ)も救急車も、この正面から出入りするはず。
中でも、建物寄りの2番乗り場に着けるバスは、
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通路・上屋と車体を並行にバスを着けるのではなく、このように斜めに停まってしまうことが多い。そうせざるを得ない。
道路から門内に入り、突き当りの建物(通路の壁)ギリギリまで進んで、180度向きを変えてすぐが、乗り場。そして3つ上の写真でも分かるかと思うが、(
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そんなきゅうくつな場所なので、バスはバックして切り返さないと、2番乗り場にまっすぐに着けることは不可能だと思う。でも狭いから、ミラーをぶつけたり、周りをちょこまか動く他車や人と接触する危険がある。2番に入る赤沼線には、(中型でなく)大型バスも入るから、なおさら大変だろう。
秋田大学当局も、中央交通も、意見を出し合って検討して、設計するなり配置するなりしても良かったかもしれない。
あと、ここが「大学病院前バス停」である旨の表示が
今までならなんとなくバス停っぽかったが、現状では「建物の一部」とか「薬局前のきれいな通路」に見えて、バス停はどこかと探してしまう人がいるかも。
【2021年4月21日追記】その後、2021年4月に久しぶりに行くと、格子状の部分に、白地に青のアイコンと文字でバス停を示す表示板が複数設置されていた。これなら問題ないでしょう。
病院の門前から門内に移った、バス停と薬局の話でした。
もちろん、日本調剤も例外ではなさそう(系列の、JGやCHも欠品がある模様)。
平成27年12月いっぱいで閉店となったようです。
保戸野鉄砲町の保戸野原の町側、今は居抜きで佐野薬局になっている所ですね。2011年にできて、2015~2017年頃まであったようです。
この系列は、ジェネリック製薬会社を保有していることもあって、ジェネリックの種類は豊富なのは確か。
ただし、単価が安ければ、自社系列ではなく、ニプロファーマや
大手製薬メーカー子会社、中小系のメーカー等の商品も扱っています。
メーカー略号がJGかCHでなければ、他系列(ただし、JGおよびCHのなかには、OEM生産も存在するようで、他社製造自系列販売の商品もあるとの事。加えて、資本関係の整理等で、CHの会社がJGの略号で出しているジェネリックも出始めている)。
あと、その向かいに、小さい「丁酉(ていゆう)会薬局」というのがあります。丁酉会なるものは、秋大医学部と何らかの関係がある団体っぽいのですが、その心境は…
ワクチンはまだ不安が残り、先はまだ遠いかもしれません。
ツルハもこの近くのは調剤がありますが果たして。
コロナワクチンが出来たという話もありますが、調剤薬局で薬が飲めるのはいつになるのやら。