昨日の白玉汁と直接関係はないですが、似たような料理の話。
それは「けいらん」。
青森県、岩手県、秋田県の各一部の地域、さらに北海道にもあるらしい。
ほかに土地によっては、同名のお菓子として存在する所もある。
以下、ネットのほか、2019年2月「鹿角市歴史民俗資料館調査資料1 <鹿角の家庭・郷土料理 けの汁・けいらん >」を参考にしました。掲載サイトはhttp://www.ink.or.jp/~kazunorekishi/pages/siryouDL/siryou%20ichiran.html
僕は1987年、秋田県鹿角市の観光施設「マインランド尾去沢」の食事処で、初めて知って食べた。
そして、昨2020年、鹿角市の大湯温泉(十和田大湯)の「ホテル鹿角」の夕食で、2度目。
お椀の汁物
汁の中に入っている物自体が「けいらん」だが、汁物全体のことも「けいらん」と呼ぶようだ。「けいらん汁」とはさほど言わない感じ。※「きりたんぽ鍋」も、秋田では鍋物のことも「きりたんぽ」と呼ぶことが多い。
上の写真では「けいらん」が紅白1個ずつ。祝い事の時はそうすることがあるそうだが、基本は白。
「けいらん」とは餅。白玉粉やだんご粉で作る。中には、なんとこしあんが入っている。卵の形なので「鶏卵」が由来。
それを汁に入れて、主に祭事や冠婚葬祭の時に食べる。鹿角では学校給食にも出るとのこと。
写真のけいらんは、ほんものの鶏卵よりは小さいが、1口では食べないほうがいいサイズ。昔、あるいは土地や家によっては、もっと大きいこともあるようだ。
北前船によって、上方の精進料理が伝わったものらしい。主に北東北3県のうち旧南部藩のエリアで残っていて、秋田県では鹿角地域だけ。
鹿角市の調査によれば、青森県の津軽地方の中で、沿岸部の深浦町だけに伝承されていて、飛び地状態なのが興味深い。
地域によって違いもある。
中のあんこは、つぶあんはなくこしあん限定のようだが、クルミを混ぜるところが多いようだ(青森の下北など混ぜない所もある)。鹿角ではコショウも混ぜる。岩手ではカラシを入れる所も。汁にあんこが溶けないよう、固めに作るというレシピもあった。
マインランド尾去沢で食べた時は、大きめのクルミとコショウの味がして、戸惑った(おぼろげな)記憶がある。昨年のホテル鹿角では、クルミはより細かかった気がしたし、コショウの味はしなかった気がした。あんこは極端に甘くはない。
【2023年4月26日追記・テレビ朝日系列東北各局が夕方のニュース内で放送する「東北湯けむり紀行」でホテル鹿角が取り上げられ、けいらんにも触れた。コショウ入りで、カツオと昆布のだしとのこと。】
汁は、岩手県遠野では茹で汁を入れてしまうそうだ。
基本はすまし汁。さらに差があるのかも(醤油の有無など)しれないが、「お吸い物」の味。
鹿角や青森では、そうめんや春雨を入れるものも見られる。ホテル鹿角では、ミツバとジュンサイが入っていた。秋田県内ながら沿岸部名産であるジュンサイは、ホテルによるアレンジだと思うが、すまし汁に合う食材だから、好適。
「白玉粉で包んだあんこが入ったお吸い物」そのもの。塩味というよりだしとあんこの組み合わせ。餅好き、こしあん好きとしては、嫌いじゃない。
でも好みは分かれるのだろう。
鹿角発祥(大館は「本場」)とされるきりたんぽが、今や秋田県全体の代表的郷土料理に成り上がっているのに対し、けいらんは秋田市内では食べられる店はないと思うし、知らない人も多いはずだから。
ホテルのほか、鹿角市内にはけいらん専門店がある。
青森では、七戸十和田駅近くの「道の駅しちのへ」と、むつ市の「道の駅かわうち湖」のレストランで食べられる。野辺地駅内のそば屋には、かき揚げとホタテとともにけいらんが1個載った「北前駅そば」というのもある。ほかにも出している店はあるのだろうが、情報が少ない。【9日追記】野辺地町内の馬門温泉「まかど観光ホテル」でも出るようだ。
あと、「あんもち雑煮」というのがあるのを思い出した。香川県で食べられるもので、こちらは味噌仕立てだそう。
【2022年3月12日追記】七戸町の天王神社で開かれるつつじまつりで、けいらんもある屋台(座って食べるタイプっぽい)が出るという情報があった(2019年まで確認。休日など限定との話も)。
ホテル鹿角では、最初のほうで吸い物としてけいらんが出て、最後には、きりたんぽも出してくれた。おかわりはできなそう。
おなじみきりたんぽ
同じ鹿角市内の湯瀬ホテルのきりたんぽは、なんかクセになりそうなこってり気味のもので、これが発祥地のきりたんぽかと思って食べた。
こちらは、普通のきりたんぽかな。
それは「けいらん」。
青森県、岩手県、秋田県の各一部の地域、さらに北海道にもあるらしい。
ほかに土地によっては、同名のお菓子として存在する所もある。
以下、ネットのほか、2019年2月「鹿角市歴史民俗資料館調査資料1 <鹿角の家庭・郷土料理 けの汁・けいらん >」を参考にしました。掲載サイトはhttp://www.ink.or.jp/~kazunorekishi/pages/siryouDL/siryou%20ichiran.html
僕は1987年、秋田県鹿角市の観光施設「マインランド尾去沢」の食事処で、初めて知って食べた。
そして、昨2020年、鹿角市の大湯温泉(十和田大湯)の「ホテル鹿角」の夕食で、2度目。
お椀の汁物
汁の中に入っている物自体が「けいらん」だが、汁物全体のことも「けいらん」と呼ぶようだ。「けいらん汁」とはさほど言わない感じ。※「きりたんぽ鍋」も、秋田では鍋物のことも「きりたんぽ」と呼ぶことが多い。
上の写真では「けいらん」が紅白1個ずつ。祝い事の時はそうすることがあるそうだが、基本は白。
「けいらん」とは餅。白玉粉やだんご粉で作る。中には、なんとこしあんが入っている。卵の形なので「鶏卵」が由来。
それを汁に入れて、主に祭事や冠婚葬祭の時に食べる。鹿角では学校給食にも出るとのこと。
写真のけいらんは、ほんものの鶏卵よりは小さいが、1口では食べないほうがいいサイズ。昔、あるいは土地や家によっては、もっと大きいこともあるようだ。
北前船によって、上方の精進料理が伝わったものらしい。主に北東北3県のうち旧南部藩のエリアで残っていて、秋田県では鹿角地域だけ。
鹿角市の調査によれば、青森県の津軽地方の中で、沿岸部の深浦町だけに伝承されていて、飛び地状態なのが興味深い。
地域によって違いもある。
中のあんこは、つぶあんはなくこしあん限定のようだが、クルミを混ぜるところが多いようだ(青森の下北など混ぜない所もある)。鹿角ではコショウも混ぜる。岩手ではカラシを入れる所も。汁にあんこが溶けないよう、固めに作るというレシピもあった。
マインランド尾去沢で食べた時は、大きめのクルミとコショウの味がして、戸惑った(おぼろげな)記憶がある。昨年のホテル鹿角では、クルミはより細かかった気がしたし、コショウの味はしなかった気がした。あんこは極端に甘くはない。
【2023年4月26日追記・テレビ朝日系列東北各局が夕方のニュース内で放送する「東北湯けむり紀行」でホテル鹿角が取り上げられ、けいらんにも触れた。コショウ入りで、カツオと昆布のだしとのこと。】
汁は、岩手県遠野では茹で汁を入れてしまうそうだ。
基本はすまし汁。さらに差があるのかも(醤油の有無など)しれないが、「お吸い物」の味。
鹿角や青森では、そうめんや春雨を入れるものも見られる。ホテル鹿角では、ミツバとジュンサイが入っていた。秋田県内ながら沿岸部名産であるジュンサイは、ホテルによるアレンジだと思うが、すまし汁に合う食材だから、好適。
「白玉粉で包んだあんこが入ったお吸い物」そのもの。塩味というよりだしとあんこの組み合わせ。餅好き、こしあん好きとしては、嫌いじゃない。
でも好みは分かれるのだろう。
鹿角発祥(大館は「本場」)とされるきりたんぽが、今や秋田県全体の代表的郷土料理に成り上がっているのに対し、けいらんは秋田市内では食べられる店はないと思うし、知らない人も多いはずだから。
ホテルのほか、鹿角市内にはけいらん専門店がある。
青森では、七戸十和田駅近くの「道の駅しちのへ」と、むつ市の「道の駅かわうち湖」のレストランで食べられる。野辺地駅内のそば屋には、かき揚げとホタテとともにけいらんが1個載った「北前駅そば」というのもある。ほかにも出している店はあるのだろうが、情報が少ない。【9日追記】野辺地町内の馬門温泉「まかど観光ホテル」でも出るようだ。
あと、「あんもち雑煮」というのがあるのを思い出した。香川県で食べられるもので、こちらは味噌仕立てだそう。
【2022年3月12日追記】七戸町の天王神社で開かれるつつじまつりで、けいらんもある屋台(座って食べるタイプっぽい)が出るという情報があった(2019年まで確認。休日など限定との話も)。
ホテル鹿角では、最初のほうで吸い物としてけいらんが出て、最後には、きりたんぽも出してくれた。おかわりはできなそう。
おなじみきりたんぽ
同じ鹿角市内の湯瀬ホテルのきりたんぽは、なんかクセになりそうなこってり気味のもので、これが発祥地のきりたんぽかと思って食べた。
こちらは、普通のきりたんぽかな。
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