広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

白玉の棒

2021-06-08 00:08:49 | 各地お土産・食べ物
これが何かご存知でしょうか?
白い魚肉ソーセージ?
1本100グラム、長さ18センチ、直径2.5センチ弱、175kcal。
ザ・ガーデン自由が丘西武秋田店の閉店処分で購入。通常は1袋200円強か。
包装は、
商品名:白兎 白玉もち

名称:即席白玉もち
秋田県潟上市昭和の淡路製粉の商品。「白兎」はそのブランド。
原材料名は白玉粉、米粉(国産)/安定剤(加工でん粉)、グリシン。

分からないかたは、まだピンとこないでしょう。
でも、この存在を知っている人。この一般的な名称が「即席白玉」だって知ってましたか?
「ソーセージ白玉」とか「棒白玉」とか「白玉棒」みたいに呼ぶ人が多いようだ。

なぜ「即席」なのかは作りかた。
フィルムをはがしてから(はがさないとくっついて大変なことになりそう)、厚さ1.2センチ(15等分だそう。袋に目盛りが印刷されている)にカット。
それを水に入れて電子レンジ500W5分加熱、または沸騰した湯で3~4分茹でる。その後、水にさらして、お好みの味でどうぞ。
鍋料理なら、カットしてそのまま投入して、柔らかくすることもできる。
形は違うけれども、水分調整や丸めて1個ずつ茹でる手間なく、手軽に白玉ができるというもの。包装では、アウトドアや非常食・保存食としても勧めている。
調理例。
あんこを添えて(ホタテの貝柱じゃありません)

「白玉(餅/団子)」というと、丸めて中央を押しをつぶした、赤血球みたいな形を連想してしまうから、こんな「円柱」を白玉と呼ぶのは邪道なような気もしてしまう。
ホンモノの白玉と比べて、食感と味は微妙に違う気がしなくもないが、充分白玉の代用になる。少なくとも「餅菓子」としては文句なし。

淡路製粉は、主に米原料の粉類では、全国に通用するメーカーのようで、秋田県外のスーパーでも見かける。
また、潟上市に近い秋田市金足には、その名も「秋田白玉工業」というメーカーもあり、白玉粉も即席白玉も製造。この近辺には昔はもう1社あったような気もする。


即席白玉は秋田県ではスーパーでは必ず売っている。全国的にはどの程度知られて流通しているのか。
ネットで調べると、知っている人、使って食べている人はたくさん。一方で、2020年前後でも「こんなものがあったとは」と知って驚く人もちらほら。特別珍しくはないが、誰もが知るわけでもないようだ。

メーカーも、秋田だけではない。
例えば新潟市の「越後しらたま本舗」でも製造している。その名もまさかの「白玉棒」!
それだけでなく、即席白玉をカットした状態で袋に入れた「白玉餅」もラインナップ。袋から鍋に移すだけの超即席白玉だ。
白玉棒は「BBQで棒のまま焼いて砂糖醤油をつけたり海苔巻きにしてもおいしいです。」という、斬新な食べかたも提案(個人的には白玉は焼くもんじゃない)。
それらの説明の中で「昭和40年代に学校給食の大量調理向けに開発された製法です。」「学校給食でミックスフルーツ缶と混ぜた「フルーツ白玉」(に使われた)」とあった。
ここが開発して最初に売ったのかどうかは分からない言い回しだが、ともかく歴史は古い。


僕が初めて即席白玉に触れたのも、学校給食だった。デザートではなくおかずで。
ここでまた、2012年の記事の、昭和末~平成初期の秋田市立小中学校の給食の続編。
当時は「白玉汁」というのがたまに(年1回より多かったと思う)出ていた。
醤油仕立ての汁に、糸こんにゃく、ネギ、鶏肉などとともに、即席白玉が入っていた。
白玉といえば、お菓子と認識していたので、それがおかずになるのに最初は驚いたけれど、餅好きとしては好きな献立になった。

カットが不充分で2切れくっついていたこともあったから、給食室で皮をむいて切っていたのだろう。
あと、お椀に白玉の個数を平等に配分するのが難しい。担任の先生が盛り付けていた低学年の時は、たしか給食室に問い合わせて、1人何切れと数えて大変そうに盛り付けてくださった。べたっとくっつくこともあって、ほんとにご苦労だったはず。
給食当番が盛り付けるようになると、気が利かない級友が盛り付けて、運が悪いと1個だけ、最悪1個も入らず落胆したことも。

たまに「だまこ汁」という献立名で、同じものが出ることもあった。
「だまこ」とは、秋田県の郷土料理、きりたんぽを丸めて焼かない版。郷土給食の意味合いもあったのだろうか。【9日追記・だまこは米粒が残っている状態だから、それを粉を固めた白玉で代用するのは不可能であって、だまこ汁と呼ぶのは不適切。】

全国的にも「白玉汁」が給食にある地域は少なくないようだが、味噌仕立てや野菜の具材が多いなど、同一ではなさそう。
近年の秋田市の学校給食では「だまこ汁」が出ている。一般財団法人秋田市給食会ホームページ「物資配合表」によれば、榎食品「冷凍だまこ」なるものが納品されているので、それを使ったほんとのだまこなのか。
一方、日東ベスト株式会社「白玉だんご」も採用されている。これは冷凍品でおそらくデザート用で、今はデザートに白玉が出ていそう。
そう言えば、コンビニスイーツでも、丸い白玉が入ったものをよく目にする。今は、丸い白玉を大量生産する技術が確立され、カットする即席白玉の出番は少なくなったのかもしれない。

埼玉県や茨城県の学校給食では、秋田の郷土料理としてだまこ汁を出している地域もあったが、どう調達しているのか。榎食品は秋田の企業。
秋田県由利本荘市では、今年の小正月の日に「白玉汁」が出ていたが、白玉の正体は不明。

餅好きなら、即席白玉を家庭に常備しても悪くないかもしれません。
貫く棒の如き白玉

※白玉汁とちょっと似ているかもしれない、「けいらん(汁)」というのもあり、秋田県鹿角市では給食に出るそうだ。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 秋田ニューシティ外観ぐるり | トップ | けいらん汁 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
だまこもちとは (FMEN)
2021-06-08 00:28:04
うちは秋田白玉のをよく使っていて、あんこやクリームであえてました。

給食はカラフルなゼリーに混ぜてあることがありました。
名前が「フルーツ白玉」、「フルーツポンチ」、「フルーツサラダ」の3パターンありまして、ポンチ率が高かったんですが、何が違いだったのか?
サラダは1回だけだったはずで、変更か間違いか。
当時は材料表でない時代なので真実は食缶の中。
白玉が入らない時は当然フルーツポンチ、杏仁豆腐が入ると白玉の有無関わらず「杏仁豆腐」だったような。

だまこもちとかデザート以外は気持ち悪く感じます。
チーズとかでもクリームやマスカルポーネでないと抵抗が。
これはブルガリアから来たカロヤン、元大関琴欧洲(現・鳴戸親方)がちゃんこに出るヨーグルトをデザートとして見ているのに違和感なもんに似てるのかも。
ちなみに相撲には「白玉」なる年寄株があり、件の琴欧洲がいた佐渡ヶ嶽部屋に白玉親方がいるという。
どんな由来かわからないそうですが、まさかこの白玉だったら?
返信する
デザートに白玉 (taic02)
2021-06-08 19:14:08
我々の頃は、フルーツポンチや杏仁豆腐は出ましたが、白玉は入らなかったです。白玉は白玉汁のみ。
今は別として、名前は表記ゆれというかアバウトな面はあったと思います。さつま汁と豚汁はまだしも、ビーフシチューとボルシチもさほど違わなかったような…

これもお菓子か食事か、線引きの見解が分かれるところではありますね。僕はほぼ気にならないほうなのですが。
年寄名跡は、ピンポイントな地名もあれば、そういうよく分からないのもありますよね。元寺尾さんの「錣山」とか。
返信する

コメントを投稿