JR東日本の各新幹線(東北・上越・北陸・山形・秋田)の、自動車内放送の前に流れるチャイムの話。
1982年の東北・上越新幹線開業時は、各停車駅にちなんだ民謡などをアレンジして「ふるさとチャイム」として流していた。
1985年の上野、水沢江刺、新花巻の各駅開業時にも、追加で導入(ちなみにこのタイミングで、浦佐駅の曲を変更したほか、全駅分を再収録しているので、この前後で音色が違う【6月11日補足・特に開業時バージョンの、上毛高原「上州馬子唄」の鈴や燕三条「岩室甚句」の太鼓の音が特徴的。】。CDやネットで聴く時は注意)。
しかし、1990年のくりこま高原駅開業時に、同駅に「イメージに合致する地元の曲がない」として、導入を見送り。くりこま高原に停まる列車では、全駅で新たな共通のチャイムを流すようになった。
これが、今も使われるチャイムの最初。
【10日・言葉足らずだったのでこの段落書き換え】※この時点の、仙台~盛岡間の運行形態(停車パターン)は、「各駅停車」と「途中無停車(スーパーやまびこ)」の2つだけだったはず。したがって、このタイミングをもって、各駅停車しか停まらない、古川、一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻のふるさとチャイムは聴くことができなくなったことになり、水沢江刺と新花巻は5年間しか流れなかったことになろう。
そして1991年6月の東京駅開業時には、上越新幹線も含めてすべての列車でふるさとチャイムを廃止して、共通チャイムに替えた。【2022年にふるさとチャイムが復活した! 末尾の追記参照】
だから、このチャイムはもう30年以上流れている。
※東京開業のタイミングで、自動放送の英語のナレーターが日本人からネイティブ(イギリスのJean Wilsonさん)に変わったようだ。日本語ナレーターは開業時から元フジテレビ堺正幸さん。
(再掲)200系電車
1991年東京開業時点では、東北上越新幹線には200系しか走っていなかった。左の先頭車がとがった(100系タイプ、シャークノーズ)のも200系だが、1990年代中頃に製造・改造された車両もあり、ふるさとチャイムを“知らない”200系もいたようだ。
共通チャイムは、2種類(2曲)あり、路線(方面)で使い分けている。東北新幹線系統の曲と上越・北陸新幹線の曲。※以下、それぞれを東北版、上越版と表記します。
山形、秋田両新幹線は、東北新幹線から枝分かれするためか、(単独運行区間も含めて)東北版。北海道新幹線も、JR北海道所有のH5系電車を含めて、東北版らしい。
一方、北陸新幹線のうち、JR西日本所有のW7系電車では、まったく違うチャイム。
また、Wikipediaでは、東北版は「北千住駅1番線で使用されていた発車メロディに類似」とある。2000年代まで使われていたようで、Youtubeに投稿されているのを聴いたら、前半はそっくりだった。詳細は不明。
僕は幼稚園の時に初めて東北新幹線に乗り、駅ごとに違うチャイムにも興味を持ち、そのカセットテープを買ってもらった。
そして、「特急ものしり百科」の類の本で、秋田にも新幹線が来る計画があることを知って(ミニ新幹線ではなく、田中角栄の頃の整備新幹線構想)、その時はどんなメロディーになるだろうと心を躍らせた。
その後10年近く経って中学生になっていたが、ふるさとチャイムがなくなってしまうのを知った時は、残念だった。
でも、聴いてみれば共通チャイム(当時は東北版しか聞く機会がなかった)も、上品で耳障りでなく、シンプルすぎずうるさすぎず、好きになった。
さて、このチャイム、誰が作ったのか。ネット上では一切、情報を見たことがない。
実は、我ながら感心することに、それが分かる当時の新聞を切り抜いていた。
1991年6月16日・日曜日 朝日新聞 社会面
「東北・上越新幹線の車内放送 民謡調から電子音楽に 20日から」
↑ふるさとチャイムも、エレクトーンのようなアナログ電子楽器(当時の機種の場合)で演奏していたと思われるので、それも電子音楽と言えるのではないか。ちなみに共通チャイムは、FM音源のデジタルシンセサイザーの音色か。
その中に、
「JR東日本が決めた新しい電子音は、環境音研究家渡辺久芳さんの作曲。」
とある。
「環境音研究家」という作曲家とかじゃない人らしい。ネットでも、日本音楽著作権協会(JASRAC)の登録を検索しても、渡辺氏についてはこれ以上分からず。
さらに、
「(チャイムは)東北、上越の両新幹線で別々だが、いずれもバロック調で「広い草原」や「さわやかな朝」をイメージした」
東北版が「広い草原」ってこと? う~ん。上越版は、朝っぽいかも。
【12月15日追記・「さわやかな朝」は、開業時~2002年まであった上越新幹線の列車名「あさひ号」からの連想ではないかとのコメントをいただいた。だとすれば、筋が通る。】
実はネットには、東北版が「TR-11」、上越版が「TR-12」という曲名であるとの情報がある。
後年(2000年以降頃)、携帯電話の着メロなどで曲を商品として販売する時、管理の都合上で命名したのか、などと思った。駅のホームの発車メロディーには、そんなものがある(JR-SHシリーズなど)。
じゃあ、それをJASRAC検索(J-WID作品データベース検索サービス)したら…
あった!(JASRACが管理をしているわけではないが、登録はされているらしい)
作曲者とされている八幡電気産業株式会社は、今も鉄道用の放送や通信機器を製造している。公式サイトでチャイムへの言及はないが、東北上越新幹線開業時に「テープ式自動放送装置」が採用されていた。ふるさとチャイムを再生して放送できるデッキのことだと思う。
「金益 研二」は、同名のピアニストはいらっしゃった。でも年齢的に、ちょっと若い気がする。
ふるさとチャイムからの流れで、八幡電気産業が共通チャイムにも関わることになり、渡辺氏に作曲を依頼した(が著作権登録では……)、みたいなことか???
【11日追記・さらに「株式会社スイッチ」という企業も関係するらしいことが分かった】
TR-11、TR-12があるのなら、TR-10とかもあるのではと思い、調べた。
JASRACには、八幡電気産業名義で、1、2、3、13も登録されていた。
Google検索すると「株式会社スイッチ」という企業のサイトを発見。鉄道向け音源制作などを行なう企業で、「音源供給先」の1つに鉄道会社とともに八幡電気産業も挙げられていた。
「音源リスト」には、「Water crown」など駅ホームの発車メロディーも挙げられていた。Water crownは、東洋メディアリンクスの製品だと思っていたが、スイッチが作っていたということか?
リストの「特急メロディー」には、TR01からTR28まで挙げられており、一部は列車名・曲名も出ていた。TR11とTR12は、やはり両新幹線。「TR」はtrainか。
そのほかは、JR東日本を中心に、小田急電鉄やJR西日本、JR九州も。
TR05~TR08は、青森と新潟の485系電車3000番台(リニューアル編成)に搭載されていた、「美しき青きドナウ(TR08)」などのクラシック曲のチャイム。※サイトでは「かもしか」も出ているが、かもしかは国鉄時代のままのオルゴールの「鉄道唱歌」でしたよ。
485系3000番台は、1995年登場。また、2001年改造の「きらきらうえつ」用チャイムにTR09、TR10、TR13が割り当てられている。登場時期と数字がバラバラ。
したがって、TR11とTR12は、制作時もしくは直後に命名されたのではなく、やはり後年に付けられたのだと思われる。【12日追記・スイッチの会社設立は1996年なので、この点からも、最初から関わったということではないのかもしれない。】(以上追記)
断片的な情報で、余計に分からなくなってしまった。
さて、もう1つ、東北版共通チャイムに関する話。
今回、ネットでいろいろ調べていたら、NHK「読むらじる。」で「車内チャイムに隠された謎とは? クラシックデュオ・スギテツが徹底検証!(https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/tetsutabi/vIMSiQQ9nI.html)」を見つけた。2021年4月16日放送。
その中で「東北新幹線のチャイム」について、「この車内チャイムの謎は4小節目3拍目の“ラソ”の音がコケちゃっているところ。」「そうそう。滑っているとも言いますよね~。」「これはワザとなのか偶然なのか? 東北を旅する、鉄道に興味のない音楽家の中でも話題になっています。」というやり取りがされていた。
音楽の素人には、そもそもどの部分なのか、そしてコケる/滑るの意味が分からない。
ツイッターでも、何人かが指摘しており、ゴスペラーズの北山陽一氏(八戸出身)は2014年10月10日に「三拍子で四小節目の三拍目のラソ(同時発音にきこえる)が、なぜ八分音符でないのか気になって仕方ない人が実は結構いるのではないか。」。
その他の方々のツイートも見て、自分なりに理解できた。
場所は、後半のトレモロ(?【11日追記・ここの場合は「トリル」のようだ】)に入る直前の、最後の部分を指すようだ。
その部分が音楽を知る人には、「ラソが同時発音」もしくは「ラが短く、すぐソが続く」と聞こえ、違和感を受けるという。その原因が「コケる/滑る」。すなわち、演奏時に指がもつれるなどして(ミスタッチ)、譜面と違う演奏になっているのではないか、ということのようだ。
つまり、チャイムの謎とは、
「本来は8分音符で等間隔に演奏されるべき「ラソ」が、それより短く不規則な長さで演奏されている。それは演奏ミスなのか、意図的に作曲されたのか」
ということのようだ。
そういえば、鉄道運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」で、プレイ中の車内放送として、このチャイムが流れるものがあった。実物とは異なる音源で、その例の部分が、車内で流れるのと違う音符の配置じゃないかと思ったのを思い出した。ゲームでは正規の8分音符の長さで「ラソ」と鳴っていたのか。【11日追記・音が1音多いように聞こえたので、それが「ソ」に当たる。】
共通チャイムの音源は、後年にデビューした新型車両(400系~E7系まで8形式)も含めて、すべて同じ1990年の音を使い続けているはずである。各形式ごとの放送機器やスピーカーの性能で、違って聞こえることはありそうだけど。
他の鉄道車両のチャイムでは、曲は同じでも、車両型式によって音源が異なることがあるし、今ならば、途中でチャイムの音声データを入れ替えることも可能だろう。それなのに30年一貫して使い続けているのだから、演奏ミスではないと思う。最初からこう作曲されていたと考えるべきではないか。
ネットでは、放送前の注意喚起が目的のメロディーなのだから、気付かせるためにあえて不自然にしているのではないかとの声もあり、素人ながらそちらのほうが納得できる。【11日追記・素人には別に気にならないから、注意喚起の効果は低いようにも思えるが。】
【11日追記】ネット上では、一部に「E2系とE3系のチャイムは、若干音色が違う(高い)」という指摘もあった。それでも、例の箇所は同じなのだから、これはもうそう作曲されていると考えるほかないのではないか。
そういえば、上越版チャイムには、最後のほうで音が途切れて無音になる瞬間があるというか、テンポが一瞬乱れるような感じがして、ちょっとドキッとする。同じ意図でそうしているのかも。
ネット上で、音楽に詳しい人による指摘は見つけられなかったが。東北新幹線と比べると、やはり上越・北陸新幹線の利用者は少ないということなんだろうか。
謎はあるものの、多くの乗客にすっかりなじんでいるメロディー。
北海道新幹線が開業しても変わらなかったし、まだしばらく聞くことができそう。2030年度末という、北海道新幹線札幌開業の時どうなるか。その頃には、自動放送のナレーターも、そろそろ交代を視野に入れないといけなくなるだろうし。
【6月11日追記・2022年のふるさとチャイムの復活について】
「「鉄道開業150年」事業」として、JR東日本が「懐かしの 200 系カラー新幹線が復活運転!!」を行なう。2022年は東北・上越新幹線開業40周年でもあるが、5月10日のプレスリリースでは、その名目とはしていない(その後のネットニュースでは40周年を謳うものもある)。
E2系電車の1本、J66編成を200系の塗装に変更するとともに、ふるさとチャイムを搭載して、定期営業運行(団体運行も)する。
6月9日から営業運行し、塗装は意外に違和感がない。
「上越新幹線と東北新幹線仙台以南で営業運行」との報道を見たが、とりあえずは東北新幹線で運行されているようだ【13日追記・この後、6月12日には上越新幹線でも運行】。Youtubeに投稿されたものを視聴すると、音源は廃止時と同一のようで、ふるさとチャイムがない東京駅は共通チャイムが鳴る。
一ノ関~盛岡のチャイムも再生できるのだろうが、仙台以北でE2系の定期運用がないので、団体列車以外では聞くことができなそう。
1982年の東北・上越新幹線開業時は、各停車駅にちなんだ民謡などをアレンジして「ふるさとチャイム」として流していた。
1985年の上野、水沢江刺、新花巻の各駅開業時にも、追加で導入(ちなみにこのタイミングで、浦佐駅の曲を変更したほか、全駅分を再収録しているので、この前後で音色が違う【6月11日補足・特に開業時バージョンの、上毛高原「上州馬子唄」の鈴や燕三条「岩室甚句」の太鼓の音が特徴的。】。CDやネットで聴く時は注意)。
しかし、1990年のくりこま高原駅開業時に、同駅に「イメージに合致する地元の曲がない」として、導入を見送り。くりこま高原に停まる列車では、全駅で新たな共通のチャイムを流すようになった。
これが、今も使われるチャイムの最初。
【10日・言葉足らずだったのでこの段落書き換え】※この時点の、仙台~盛岡間の運行形態(停車パターン)は、「各駅停車」と「途中無停車(スーパーやまびこ)」の2つだけだったはず。したがって、このタイミングをもって、各駅停車しか停まらない、古川、一ノ関、水沢江刺、北上、新花巻のふるさとチャイムは聴くことができなくなったことになり、水沢江刺と新花巻は5年間しか流れなかったことになろう。
そして1991年6月の東京駅開業時には、上越新幹線も含めてすべての列車でふるさとチャイムを廃止して、共通チャイムに替えた。【2022年にふるさとチャイムが復活した! 末尾の追記参照】
だから、このチャイムはもう30年以上流れている。
※東京開業のタイミングで、自動放送の英語のナレーターが日本人からネイティブ(イギリスのJean Wilsonさん)に変わったようだ。日本語ナレーターは開業時から元フジテレビ堺正幸さん。
(再掲)200系電車
1991年東京開業時点では、東北上越新幹線には200系しか走っていなかった。左の先頭車がとがった(100系タイプ、シャークノーズ)のも200系だが、1990年代中頃に製造・改造された車両もあり、ふるさとチャイムを“知らない”200系もいたようだ。
共通チャイムは、2種類(2曲)あり、路線(方面)で使い分けている。東北新幹線系統の曲と上越・北陸新幹線の曲。※以下、それぞれを東北版、上越版と表記します。
山形、秋田両新幹線は、東北新幹線から枝分かれするためか、(単独運行区間も含めて)東北版。北海道新幹線も、JR北海道所有のH5系電車を含めて、東北版らしい。
一方、北陸新幹線のうち、JR西日本所有のW7系電車では、まったく違うチャイム。
また、Wikipediaでは、東北版は「北千住駅1番線で使用されていた発車メロディに類似」とある。2000年代まで使われていたようで、Youtubeに投稿されているのを聴いたら、前半はそっくりだった。詳細は不明。
僕は幼稚園の時に初めて東北新幹線に乗り、駅ごとに違うチャイムにも興味を持ち、そのカセットテープを買ってもらった。
そして、「特急ものしり百科」の類の本で、秋田にも新幹線が来る計画があることを知って(ミニ新幹線ではなく、田中角栄の頃の整備新幹線構想)、その時はどんなメロディーになるだろうと心を躍らせた。
その後10年近く経って中学生になっていたが、ふるさとチャイムがなくなってしまうのを知った時は、残念だった。
でも、聴いてみれば共通チャイム(当時は東北版しか聞く機会がなかった)も、上品で耳障りでなく、シンプルすぎずうるさすぎず、好きになった。
さて、このチャイム、誰が作ったのか。ネット上では一切、情報を見たことがない。
実は、我ながら感心することに、それが分かる当時の新聞を切り抜いていた。
1991年6月16日・日曜日 朝日新聞 社会面
「東北・上越新幹線の車内放送 民謡調から電子音楽に 20日から」
↑ふるさとチャイムも、エレクトーンのようなアナログ電子楽器(当時の機種の場合)で演奏していたと思われるので、それも電子音楽と言えるのではないか。ちなみに共通チャイムは、FM音源のデジタルシンセサイザーの音色か。
その中に、
「JR東日本が決めた新しい電子音は、環境音研究家渡辺久芳さんの作曲。」
とある。
「環境音研究家」という作曲家とかじゃない人らしい。ネットでも、日本音楽著作権協会(JASRAC)の登録を検索しても、渡辺氏についてはこれ以上分からず。
さらに、
「(チャイムは)東北、上越の両新幹線で別々だが、いずれもバロック調で「広い草原」や「さわやかな朝」をイメージした」
東北版が「広い草原」ってこと? う~ん。上越版は、朝っぽいかも。
【12月15日追記・「さわやかな朝」は、開業時~2002年まであった上越新幹線の列車名「あさひ号」からの連想ではないかとのコメントをいただいた。だとすれば、筋が通る。】
実はネットには、東北版が「TR-11」、上越版が「TR-12」という曲名であるとの情報がある。
後年(2000年以降頃)、携帯電話の着メロなどで曲を商品として販売する時、管理の都合上で命名したのか、などと思った。駅のホームの発車メロディーには、そんなものがある(JR-SHシリーズなど)。
じゃあ、それをJASRAC検索(J-WID作品データベース検索サービス)したら…
あった!(JASRACが管理をしているわけではないが、登録はされているらしい)
作品タイトル「TR11-車内放送音楽」、著作者名(作曲)「八幡電気産業」、アーティスト名「金益 研二」
作品タイトル「TR12-車内放送音楽 」、著作者名(作曲)「八幡電気産業」、アーティスト名は未登録
確証はないが、これ?作品タイトル「TR12-車内放送音楽 」、著作者名(作曲)「八幡電気産業」、アーティスト名は未登録
作曲者とされている八幡電気産業株式会社は、今も鉄道用の放送や通信機器を製造している。公式サイトでチャイムへの言及はないが、東北上越新幹線開業時に「テープ式自動放送装置」が採用されていた。ふるさとチャイムを再生して放送できるデッキのことだと思う。
「金益 研二」は、同名のピアニストはいらっしゃった。でも年齢的に、ちょっと若い気がする。
ふるさとチャイムからの流れで、八幡電気産業が共通チャイムにも関わることになり、渡辺氏に作曲を依頼した(が著作権登録では……)、みたいなことか???
【11日追記・さらに「株式会社スイッチ」という企業も関係するらしいことが分かった】
TR-11、TR-12があるのなら、TR-10とかもあるのではと思い、調べた。
JASRACには、八幡電気産業名義で、1、2、3、13も登録されていた。
Google検索すると「株式会社スイッチ」という企業のサイトを発見。鉄道向け音源制作などを行なう企業で、「音源供給先」の1つに鉄道会社とともに八幡電気産業も挙げられていた。
「音源リスト」には、「Water crown」など駅ホームの発車メロディーも挙げられていた。Water crownは、東洋メディアリンクスの製品だと思っていたが、スイッチが作っていたということか?
リストの「特急メロディー」には、TR01からTR28まで挙げられており、一部は列車名・曲名も出ていた。TR11とTR12は、やはり両新幹線。「TR」はtrainか。
そのほかは、JR東日本を中心に、小田急電鉄やJR西日本、JR九州も。
TR05~TR08は、青森と新潟の485系電車3000番台(リニューアル編成)に搭載されていた、「美しき青きドナウ(TR08)」などのクラシック曲のチャイム。※サイトでは「かもしか」も出ているが、かもしかは国鉄時代のままのオルゴールの「鉄道唱歌」でしたよ。
485系3000番台は、1995年登場。また、2001年改造の「きらきらうえつ」用チャイムにTR09、TR10、TR13が割り当てられている。登場時期と数字がバラバラ。
したがって、TR11とTR12は、制作時もしくは直後に命名されたのではなく、やはり後年に付けられたのだと思われる。【12日追記・スイッチの会社設立は1996年なので、この点からも、最初から関わったということではないのかもしれない。】(以上追記)
断片的な情報で、余計に分からなくなってしまった。
さて、もう1つ、東北版共通チャイムに関する話。
今回、ネットでいろいろ調べていたら、NHK「読むらじる。」で「車内チャイムに隠された謎とは? クラシックデュオ・スギテツが徹底検証!(https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/article/tetsutabi/vIMSiQQ9nI.html)」を見つけた。2021年4月16日放送。
その中で「東北新幹線のチャイム」について、「この車内チャイムの謎は4小節目3拍目の“ラソ”の音がコケちゃっているところ。」「そうそう。滑っているとも言いますよね~。」「これはワザとなのか偶然なのか? 東北を旅する、鉄道に興味のない音楽家の中でも話題になっています。」というやり取りがされていた。
音楽の素人には、そもそもどの部分なのか、そしてコケる/滑るの意味が分からない。
ツイッターでも、何人かが指摘しており、ゴスペラーズの北山陽一氏(八戸出身)は2014年10月10日に「三拍子で四小節目の三拍目のラソ(同時発音にきこえる)が、なぜ八分音符でないのか気になって仕方ない人が実は結構いるのではないか。」。
その他の方々のツイートも見て、自分なりに理解できた。
場所は、後半のトレモロ(?【11日追記・ここの場合は「トリル」のようだ】)に入る直前の、最後の部分を指すようだ。
その部分が音楽を知る人には、「ラソが同時発音」もしくは「ラが短く、すぐソが続く」と聞こえ、違和感を受けるという。その原因が「コケる/滑る」。すなわち、演奏時に指がもつれるなどして(ミスタッチ)、譜面と違う演奏になっているのではないか、ということのようだ。
つまり、チャイムの謎とは、
「本来は8分音符で等間隔に演奏されるべき「ラソ」が、それより短く不規則な長さで演奏されている。それは演奏ミスなのか、意図的に作曲されたのか」
ということのようだ。
そういえば、鉄道運転シミュレーションゲーム「電車でGO!」で、プレイ中の車内放送として、このチャイムが流れるものがあった。実物とは異なる音源で、その例の部分が、車内で流れるのと違う音符の配置じゃないかと思ったのを思い出した。ゲームでは正規の8分音符の長さで「ラソ」と鳴っていたのか。【11日追記・音が1音多いように聞こえたので、それが「ソ」に当たる。】
共通チャイムの音源は、後年にデビューした新型車両(400系~E7系まで8形式)も含めて、すべて同じ1990年の音を使い続けているはずである。各形式ごとの放送機器やスピーカーの性能で、違って聞こえることはありそうだけど。
他の鉄道車両のチャイムでは、曲は同じでも、車両型式によって音源が異なることがあるし、今ならば、途中でチャイムの音声データを入れ替えることも可能だろう。それなのに30年一貫して使い続けているのだから、演奏ミスではないと思う。最初からこう作曲されていたと考えるべきではないか。
ネットでは、放送前の注意喚起が目的のメロディーなのだから、気付かせるためにあえて不自然にしているのではないかとの声もあり、素人ながらそちらのほうが納得できる。【11日追記・素人には別に気にならないから、注意喚起の効果は低いようにも思えるが。】
【11日追記】ネット上では、一部に「E2系とE3系のチャイムは、若干音色が違う(高い)」という指摘もあった。それでも、例の箇所は同じなのだから、これはもうそう作曲されていると考えるほかないのではないか。
そういえば、上越版チャイムには、最後のほうで音が途切れて無音になる瞬間があるというか、テンポが一瞬乱れるような感じがして、ちょっとドキッとする。同じ意図でそうしているのかも。
ネット上で、音楽に詳しい人による指摘は見つけられなかったが。東北新幹線と比べると、やはり上越・北陸新幹線の利用者は少ないということなんだろうか。
謎はあるものの、多くの乗客にすっかりなじんでいるメロディー。
北海道新幹線が開業しても変わらなかったし、まだしばらく聞くことができそう。2030年度末という、北海道新幹線札幌開業の時どうなるか。その頃には、自動放送のナレーターも、そろそろ交代を視野に入れないといけなくなるだろうし。
【6月11日追記・2022年のふるさとチャイムの復活について】
「「鉄道開業150年」事業」として、JR東日本が「懐かしの 200 系カラー新幹線が復活運転!!」を行なう。2022年は東北・上越新幹線開業40周年でもあるが、5月10日のプレスリリースでは、その名目とはしていない(その後のネットニュースでは40周年を謳うものもある)。
E2系電車の1本、J66編成を200系の塗装に変更するとともに、ふるさとチャイムを搭載して、定期営業運行(団体運行も)する。
6月9日から営業運行し、塗装は意外に違和感がない。
「上越新幹線と東北新幹線仙台以南で営業運行」との報道を見たが、とりあえずは東北新幹線で運行されているようだ【13日追記・この後、6月12日には上越新幹線でも運行】。Youtubeに投稿されたものを視聴すると、音源は廃止時と同一のようで、ふるさとチャイムがない東京駅は共通チャイムが鳴る。
一ノ関~盛岡のチャイムも再生できるのだろうが、仙台以北でE2系の定期運用がないので、団体列車以外では聞くことができなそう。
東北の象徴として、東北でオリンピックやるときの入場行進の頭(ドラクエのイントロみたいな)から鉄道唱歌、民謡アレンジなんかもいいんじゃないかと考えました。
プラカードは「ギリシャ GREEK」みたいな方向幕風で、なんて。
ふるさとチャイムは生では知りませんでした。
小さい頃は200系のプラレールがあったのに。
仙台が変わってしまったので、残してほしいんですけどね。
堺さんもいつまでも使って構わない気がしますが。
新幹線よりもやはり昼のニュースかな。
花時計のたよりも無くなって、春からは15分になるみたいです。
東北新幹線のふるさとチャイムはいかにも東北新幹線に乗っているという気がしました。
著作権絡みで契約で流す時期が過ぎたから替えたmのかなと思ったのですがそうでも無さそうですね。
FMENさんが書かれたニュースですが
ラジオもNHK-FMはかなり変わりそうで
朝放送の古楽の楽しみの時間は第二放送の英語講座がFMでも始まって
古楽の楽しみは午前5時に移動してクラシックファンの怒りをかってます。
共通チャイムにも、様々な思い出や郷愁を重ねる人は多いみたいですね。
自動放送の内容(文言)は時代で変わり、そしてプロであっても年齢による声の変化は避けられないでしょうから、いつかは交代の時が来てしまうと思います。今のうちにボーカロイドのように声をサンプリングしておくという手もありますが。
>あんなかさん
ふるさとチャイム廃止は、乗客から古臭いなど否定的な声も出ていたこと、テープの管理や入れ替えが煩雑になっていたという理由もあったそうです。
>Unknownさん
昔の(アコースティックな)オルゴール時代は、時々異様に早かったり遅かったり、ピンが欠けて無音があったりしたものでした。
電車でGOは切りがついて水流れのような部分がありませんでした。
あのダラララでああ降りなきゃという気分になります。
乗りなれた人や車窓でわかる仙台や秋田などと違い、トンネルに阻まれた白石蔵王、福島、郡山、上野などはダラララで降りる準備に良いかも?
電車でGo!は、バージョンによって音の違いもあるので、全貌は分かりません。
実際にトンネルが多いこともありますが、フル規格区間ではトンネル内走行中に放送が始まることが多いような気がします。走行音と重なって、空耳で流れたかと思うことも。
そして東北新幹線40年でもありまして、こちらも。
イベントは運転再開見込めないから中止だそうです。
高田由香のCMもお蔵入りでしょうか。
なんかネットではいまだに東北新幹線はチャイム時代の200系で止まってる人もいるようですが、今回は境ストップよりも白石の方が秋田新幹線にはパンチな気が。
東海道新幹線は関ヶ原の雪がウイークポイントですが、東北新幹線にとっては、地震が多い福島~宮城がウイークポイントになってしまっています。今後のためにも、抜本的対策が必要かもしれません。
5+6のやまびこ編成ですらないのも不思議ですが。
まあ今回は上野大宮仙台だけの停車編成にはあわない事業で、南東北通過の弊害が出てしまいました。
一方、復刻車&編成がおもに相方になるつばさははじめて(というよりつばさ開通も廃止一因)流れることになり山形民は大喜びとのこと。
ただし福島から南ですが。
復刻編成の定期運用がない仙台~盛岡、特に駅が多い岩手県では、せっかくのチャイムを聞くことができず、残念に思う人が多そうです。