広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

おおだて鶏めし

2023-11-26 21:06:03 | 各地お土産・食べ物
秋田県大館市、JR奥羽本線 大館駅の名物駅弁「鶏めし」の製造元「花善」の発売期間限定商品。※花善の弁当は直近では2021年に紹介
花善の駅弁は、大館駅、秋田駅、盛岡駅、新青森駅などの取扱店舗のほか、弘前市や秋田市のスーパーマーケットで常時扱う店もある。秋田市内の「いとく」では、かつては毎日売っていたはずだが、現時点では土日などのみ販売になっているとのこと(11月に新国道店で確認)。11月26日には、期間限定品も売っていた。

忠犬ハチ公の故郷おおだて鶏めし 731kcal 税込み1350円
発売期間は「2023年10月1日~11月30日(予定数に達し次第終売)」とされているので、そろそろおしまい。予定数は1万個という情報もある
「祝」やロゴマークがあるように、10月29日の大館駅新駅舎開業と11月10日の大館生まれの秋田犬・忠犬ハチ公生誕100年を記念した商品。
さらに側面に別に記載されているが、一般社団法人日本鉄道構内営業中央会の「駅弁マーク」制定35周年記念の商品でもある。全国の加盟各社で31種類出たうちの1つ。
そして、恒例の「JR東日本 駅弁味の陣2023」エントリー商品でもある。したがって、東京駅・駅弁屋祭でも売られている模様。

掛け紙は、サイズもデザインも通常の鶏めしと通ずるものがある。絵柄は大館新駅舎。実写でなく完成予想CGかな。紐でなく、手で切れる透明バンドを巻く。
掛け紙を外すと、

2021年でもそうだったが、平べったい濡れおてふきは、いつの間にか付かなくなったようだ。引き続き、割り箸は杉間伐材、つまようじ付き。
掛け紙は、通常版より厚手で、裏面にもモノクロで印刷。「大館駅と花善 124年のあゆみ」と「おしながき ~大館の美味いもの、集めました~」。

容器の上に載せてあるのは、駅弁マーク35周年のしおり(加盟他社と共通)と、大館市立有浦小学校6年生の「大館新駅舎開業応援プロジェクト」のリーフレット。
有浦小プロジェクトは、掛け紙にも「駅」のロゴマークが出ている。弁当の中身を考案したとかではなく、このリーフレットを作ることがプロジェクトの内容のようだ。大館名物の説明や動画への二次元コード、大館駅周辺マップなどを掲載。

弁当の容器は、角型ではなく、まげわっぱをイメージしたかのような、薄い木製の小判型なので、通常版より小さい。フタを取ると…

正体は、鶏めしのおかず違いバージョンということになる。
紅白かまぼこ以外は、地味な感じ。容器の違いもあるし、全体に通常版と比べるとちょっと少なめかと見えてしまったが、その点は食べたら否定された。

鶏めし部分は、通常版と同じ(秋田県産あきたこまち100%)。ただし、インゲンはあるが、栗や紅葉の麩はない。説明するまでもなく、定番の安定したおいしさ。
花善の鶏めしは、ごはんがみっちり詰まっていて食べ応えがあるものだが、この点も変わらず。量は通常版と同じくらいかも。
ごはんの上に載った「鶏肉甘辛煮」も、通常版と同じなので、比内地鶏ではなく「国産鶏もも肉」。これは通常版よりも量が多いかも。

紅白かまぼこの白いところがちょっと茶色いのは、ハチ公100年プロジェクト「HACHI100」のロゴ(掛け紙のオレンジ色のロゴ)。おそらく食用インクジェットプリンターによる印刷。一般的な駅弁のカマボコよりも分厚い。
漬物は、しば漬と「ミズのコブ」と呼ばれ秋田で好まれる、ウワバミソウのムカゴ。

おかず区画。渦巻きの下に隠れているものがあるのでめくって、

容器に入ったのが「中山そばと鶏ササミのごまドレッシング和え」。そば自体の味がおいしく、もっと食べたい。
上が「鶏のから揚げとんぶり入り」。おしながきではとんぶりを「トッピング」とあるが、衣に混ぜたのでは。あまり食感は感じないが、から揚げとしておいしい。
その下が「比内地鶏のハンバーグ」てりやき風で、大きさから肉団子程度。
その右が「枝豆入りシュウマイ」。「花善オリジナルの鶏シュウマイに、大館特産の枝豆を合わせました。」だそうで、店舗では枝豆なしのシュウマイをテイクアウトできるらしい。しっかり味が付いている。
右が「いぶり大根クリームチーズ添え」。いぶり大根とは「いぶりがっこ」のことだけど、いろいろあって、その名を出さないのか。いぶりがっこにクリームチーズが合うとよく言われるが、試すのは初めて。なるほどおいしい。がっこ自体も柔らかくて上質そうなもの(大きめの1枚を半分に折っている)で、これだけで高そう。

下のギョウザかに見えた渦巻きが「かまぶく(りんご味)」。
「茹でたジャガイモ・もち粉・砂糖などを練った巻き菓子。当地・大館ではハレの日に欠かせない一品です。」
秋田県北部の食文化だそうで、近年、イベントや報道でたまに目にするようになった。「かまぼこ」に名前も見た目も似ているが、その代替の意味合いがあるようだ。
僕は見るのも初めて。雲平(山科)とゆべしとかをイメージしていたが、それらに比べると薄っぺら。地域や人で流儀もあるのだろうけれど。食感は見た目通りで、ほんのりリンゴの味。デザートとしてはこのくらいの量でいいのかも。

以上、最初は1350円は高いと思えたが、これだけおかずが充実し、ごはんはいつも通りならば、妥当ではないだろうか。通常版のコストパフォーマンスにはかなわないけれど。一部おかずの通常販売品への抜擢とか、定期的な再販、第2弾などがあってもいいでしょう。
【26日追記】新駅舎開業の10月29~31日には、さらに限定として、同じ中身を本物の曲げわっぱ(小判型ではなく円形。大館工芸社製)に詰めた1個8000円の商品を、(大館駅の開業年数にちなむ)124個限定販売(先着と抽選)で完売したとのこと。


【2024年1月18日追記・その後】
JR東日本 駅弁味の陣2023において、総合評価第1位「駅弁大将軍」に決定。花善として3度目で、業界単独トップ。
食材調達の都合で年末にいったん販売を休止し、2024年1月12日頃から販売を再開。いつまで販売を続けるのかは不明。

花善の鶏めしについての次の記事

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 手形山の )❘( | トップ | 「わたしたちの秋田市」 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タロー犬)
2023-11-27 05:48:53
大館といえばやっぱり花膳の「鶏めし」。子どもの頃から大好きな味です。
初めて食べたのは多分私がまだ小学生だった1974年の8月、母親に連れられて弘前の祖父母宅に遊びに行った帰り、「津軽51号」の旧型客車の窓越しに立売人から買い求めたのを覚えていますが、時が流れて2010年の5月か6月、「あけぼの」で弘前に向かった時は、予め電話かネットで予約しておいた弁当をお店の人が列車のデッキまで届けてくれました。当時は画期的なサービスだな…と関心したものですが、お店としても駅に立売人を常駐させておくよりは、電話予約システムの方が合理的なのでしょうね。
返信する
時代が変わって (taic02)
2023-11-29 18:56:54
今は予約以外では、駅でもコンビニなどへの委託販売になってしまいましたね。停車時間が短くなり、普通列車でも窓が開かなくなって、駅弁の売り方も変わらざるを得なかったのでしょう。
一方で、スーパーへの卸し、会議用昼食のようなまとめ買い(条件によっては秋田市内でも配達してくれるらしいです)などに取り組み、花善さんは変化に柔軟に対応しているように感じます。この意気で末永く続いてほしいものです。
遠方への輸送販売にはあまり積極的ではないですが、昨今の食中毒を踏まえると、それが妥当なのかもしれません。
返信する

コメントを投稿