タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

今日の観察~3月7日

2010年03月07日 | タカの渡り観察
罪なお嬢さん~いや、ツミのお嬢さんの話

 今日は最初にタカ長の鳥友から頂いた面白い体験談を紹介します。下記の写真も文もその鳥友、Wさんのものです。本人の了解を頂いたのでそのまま紹介します。

2/24、15:30 神石高原町小野の成羽川沿いの車道を歩いていると、
 斜面の落石防護ネットの中でバタついている1羽のハイタカ属を発見しました。
 暫く様子を見ていましたが、どうも脱出困難なご様子。



 その場所は、車道から軽く10m以上はある急な斜面です。
 さて、どうする?
 結構傾斜の強い滑りやすい金網の斜面、かなりの腕力勝負となりそう。
 でも、このまま見捨てる訳にもいかんじゃろう。
 「助けてやろうぜ!」と決心したK&Kは、滑りやすい落石防護ネットをあえぎながら上り始めました。

 やっとこさでたどり着いたその場所では、ツミのお嬢さんが、ネットの中の狭い窪みで両翼を大きく開いて我々に威嚇して見せた。
 間近に見るツミは美しい。
 「綺麗じゃのぉ…」
 しかし、このお嬢さんとしては、正に恐怖のどん底。
 あらん限りの力を振り絞って脱出しようとする。



 それにしても、こんなネットの下にどうして潜り込んだんじゃろうか?
 まずは、用意していた1脚でネットを強引に広げようとしたものの、さすがに落石防護ネットです。びくともせんわ。

 唯一の手段は、窪地下側にある僅かな隙間に追い込むしかない。
 がしかし…彼女はどうしても上へ上へと逃げたがる。
 そこで、Kのフリースの膝かけをネットの中に少しづつ降ろして上側の逃げ道を遮断し、下側の隙間に向けての追い出し作戦を強行しました。
 悪戦苦闘の末、何とか脱出に成功した時は、汗ビッシヨリ。



 超至近距離から見るツミの美しさは圧巻でした。
 見えますか? ドアップにしたツミのお嬢さんの瞳に映る金網の風景が…
 画像は、平素デジスコ用に使っているCanon IXY 1000 広角端マクロモードを使用


 いかがでしたか?永年フィールドワークをしていてもめったに遭遇することのない貴重な体験ですね。それにしてもこのような危急の場合でもカメラを手放さない鳥友の根性もみあげたものです。最近のなまくらなマスコミ関係者に見せてやりたい、と言ったら関係者に叱られるでしょうか?

 かなり危険な体験だったようですが怪我がなくて何よりでした。罪なお嬢さんを助けるために、前期高齢者が怪我をしたのでは絵になりませんから、、、、、。


今日の結果

  3月7日    曇

    観察者    ジューヤク タカ長 トビ吉 キョージュ カンヌシ ガミーネ 他下関組2名
    観察時間    8:00-16:00

       ノスリ           20
       ハイタカ    西向き  3
       ハイタカSP  西向き  1

 それにしても寒い観察でした。終日北よりの風が吹いて、体感温度としては今シーズン一番寒い観察であったことは間違いありません。



 そのようなときに観察地の駐車場にやって来る人もいなくて、私たちの車だけが独占している状態でした。「タカ関係者以外駐車禁止」と書いて張り出しておこうか、と冗談を言いあったほどです。



 そのような天気だから(?)何羽かのノスリはタカ長カメラの射程距離内を飛んでくれたのですが、曇り空の下ではどこを向いてもシルエットで、タカ長のウデではまともな写真を撮ることが出来ませんでした。



 連写したのでシャッター音だけは一人前でしたが、出来上がった写真はご覧のようにシルエット、、、、、、、

 

 タカの下面がそれなりに写ったのはこのミサゴだけでした。今日現われたミサゴはどれもわたる気配を見せないミサゴでした。他にはハヤブサも何度か出ました。渡りの総数もその他のタカの数も十分ではありませんでしたが、とにかく終日観察できたのですからヨシとしないといけないのでしょう。

 下関組も満足して観察地を後にされました。次に来られるときは三桁の渡りを見てもらいたいものです。