アイスクリームの国

昔、「戦争のはらわた」というアメリカ映画があったが、戦争とは人間を狂気にし、野獣と同じか、それ以下の動物に作り上げる。
現代の民主主義というもの、あるいはアメリカン・デモクラシーというものは、一見、甘いクリームがかかっているようなイリュージョンを与えるが、それは一秒ごとに融けていくアイスクリームのように脆弱なものだ。
イラク駐留米軍兵士の死者数が、２００３年３月の軍事作戦の開始以降、３３３３人に達した、 英軍の死亡者は１４４人。
そして、イラク米兵の「戦場における倫理」の調査で、モラルや規律の低下が深刻な問題になっていることがわかった。
イラク民間人を侮辱、罵倒したことがあるのはアメリカ兵士の３０％に達した。
一方、「仲間の兵士が民間人を殺傷した場合、軍に報告する」と答えたのは兵士の４０％にとどまった。また、拷問について、兵士の３９％が、武装勢力の情報を得るためなら許されるべきだと回答したそうな。
強大な権力を持っているアメリカ大統領は、わずかな側近だけで、この世を破滅に導くような決定と行動を具現化することができる。
これは現代民主主義に巣くう不条理ではないのか。
そのような神にも近い権力を大統領に与えたものなのかどうか、政治学者は現代民主主義の理論と哲学を問い直す時に来たようだ。
（ムラマサ、空を一閃）