酒鬼薔薇聖斗のその後

酒鬼薔薇聖斗・少年Ａ　（本名・東）
夏草むせるタンク山の上で、淳君の首を切り落とし校門の門柱に乗せた少年。
第一発見者は、それはまるで老人の顔であったと述懐する。
神戸市須磨区で土師淳君（当時１１）が殺害されて１０年。
当時１４歳の少年が、小学生２人を殺害、３人を負傷させた事件である。
事件発生当初から、町の少年達の間では少年・東がやったのではないかという評判が立っていた。　東は中学には行っていなかった。　自転車を乗り回して奇声を上げていたという。　当時、父親は神戸製鋼に勤める真面目な工員。　兄弟２人と母がいる傍から見れば普通の４人家族であった。
さて、月日が流れて東京・府中市の関東医療少年院で、その少年は汗だくになってバレーボールを追いかけ、仲間に大声で呼びかけていた。
当初少年は、「世の中は弱肉強食。自分が年下の子を殺しても、大人が自分を死刑にすればつじつまは合う」と言い切り、「生きることを強いる大人は嫌いだ」と、肉親の面会を拒んだ。 キツネ目の陰険な風貌少年Ａ。
入院から２年たった夏。少年は「危機」にあった。「自分が壊れていく」と訴え、「気持ちをはき出したい」と内面を話すようになった。母親役の女性医師を「僕にとって理想の母」と言い始めた。 ９９年、表情にはりが生まれる一方、自らの攻撃性に悩み、将来への強い不安や孤独感をのぞかせた。 移送された東北少年院での１年間　「対人関係と職能訓練」に費やしたそうな。
男は今年３月、遺族に２度目の手紙を送った。
殺害された山下彩花ちゃんの母親は「罪と向き合う意識は読み取れたが、具体的にどう償っていくのかが全く見えてこなかった」と述べる。
少年は２４歳の男になった。　その間、母親役の女性医師を強姦しようとしたこともあった。　殺されなかった分だけ救いであったが、狼を動物園から放してしまった決断と責任は誰が取るのであろうか。　
個人的見解としては、国が一生、医療刑務所で保護・管理するべき対象ではないだろうか。　それは社会の安全・安定に必要なコストであると思う。
今、彼は、富士山がきれいな静岡の御殿場で働いて暮らしているという。
（ムラマサ、静かに鳴る）