武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

新宿酒場ロン 5・18

2007年05月19日 | 人生の意味
新宿酒場ロン 5・18
いつものように、島、絵美、銀さんが飲みながら話し込んでいる。
「あの借金取立て屋のヤクザはどうしようもないな」
「それに警察のミスが目立った長久手の立てこもり事件だった」
「まず、負傷した交番勤務の警官を5時間半も目の前で救出しなかった」
「指揮官の大きなミスというより、能力の欠如だね」
「桜田門は色々言い訳はしていたが、愛知県警に苦虫をかんでいた」
「その気になればすぐに対応できた」
「普通の感覚だったら、30分以内、かかっても1時間以内に救出する」
「負傷した警官は首の脊髄をやられていて、首から下が麻痺状態だそうだ」
「現場指揮官が駄目なんだろうね、命令待ちで現場判断をしなかった」
「根性が無いということさ」
「今のサツは指揮官先頭という言葉さえ知らないだろうし」
「マークシート・エリートだから、答えが分からないものには対応できない」
「負傷した警官を救出するときに、SATが万一やられるのは仕方が無い」
「そのことよりも5時間半も見捨てるほうが問題だ」
「犯人は射殺しても良かった」
「いや射殺すべきであった」
ところが犯人が最後に投降したときに愛知県警がかけた言葉は 『拳銃は置いてきてくれたんだよね、ありがとう、ひざを曲げて、それじゃあ、手を上げてね』これじゃ可愛い子供にかける言葉だ。
「いずれにしても、一生、務所から出てこられないだろう」
島が憤慨している。
絵美が話題を変えた。
「この前、東大の教授が電車で痴漢をして警察に捕まったわ」
「誰?」
「何と、蟻川恒正(ありかわ・つねまさ)教授、憲法学者よ」
「へェー、どこ触ったの?」
「下半身だけど、桜田門もびっくりよ」
「教授は痴漢を認めているって」
「東大のあの植草先生も2回捕まったけど」
「絵美は痴漢されたことあるの」
「あるけど、電車でね。 その男の手を思い切り引っかいてやったわ」
「ウヒャ~」 皆のけぞった。
銀さんが絵美を睨みながら、例の猟奇事件を持ち出した。
「会津学鳳高校の少年はキチガイだね」
「彼の論評をできるのは兵庫・酒鬼薔薇少年A(本名・東)しかいない」
「あのAはいま静岡・御殿場で働いているらしいけど・・・」
「会津の少年の心理は? じゅうめいさんの意見は?」
「誰でもよかったと言っているが、母親しかありえなかった。中学時代は3千人の町でスポーツ優秀、勉強はトップ、そして明るい性格といわれた町の秀才、父は団体職員(JA),母は保育士、3人兄弟の長男で会津若松の高校に入ったが、成績は3年になっても中くらい、他に地元では一番の名門・会津高校があるからさらに挫折感が大きかった。3年になった4月から殆ど学校へ行かず、ドロップアウトしていく自分と、母の物心両面の愛情・応援とが乖離し始めたときに、鏡である母を消すことによって、目に見えぬ重苦しい呪縛から解き放たれようと欲した。 鏡の破壊、そして自己の破壊。首と腕を切断していたときに己をも一緒に切断していた。だから彼はその最中、大いなる自由の高揚感を味わったのではないか。
だが問題はこれからだ。少年はこれから、誰も救いようがない底なしの、無限地獄の業火に千年焼かれ続けることになる」と言い終ったときに、皆押し黙った。 洋子ママも歌おうとしない。空気がなにか乾いたようになった。
(ムラマサ、シンとも鳴かず)


コメント
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