鳩山と民主党。
平沼グループの城内実が、本ページが先週述べたことと同じことを述べた。
つまり民主党は急速に自民党化していく。 権力を掌握した者は、権力の匂いを振りまくようになる。 実際、鳩山、小沢、岡田、藤井、石井、羽田らは、自民党の顔であった旧田中派の面々だ。民主党の新政権樹立というより、自民党田中派の復権だと言っても間違いではあるまい。 だからといって、ケチをつけている訳ではない。 本ページは一貫して自民党を批判し、民主党の政権奪取を支持してきた。そして今、オールスター内閣ができそうだ。ある意味ワクワクする。こういう感じは長いこと忘れていた。菅直人の副総理、国家戦略大臣というのは面白い。あのくらいエキセントリックで(失礼)、官僚を罵倒するくらいの能力とパワーがなければ赤門帝国には勝てない。岡田の外務大臣も良い。 ただ対中国と対韓国に関して、どのような外交スタンスを取るのか、それが評価の分かれ目だ。 岡田は中国重視政策だと聞こえてくるが、中国は油断がならない。共産党独裁を核にした国家利益と打算を求める強烈な国だ。その利益追求の為には、軍事力の行使も辞さないという衣の下に鎧がある。果たしてフランケン岡田の力量はどうか。一方、対米外交は問題ない。米国との日米同盟は揺るぎない。
★麻生太郎と自民党。
権力を失った自民党は、アイスクリームのように急速に溶けてなくなるのではないか。利権政治に狎れ切って、利権という麻薬がなくなれば禁断症状になり、七転八倒の苦しみに陥るのではないか。政党助成金も少なく、企業団体からの献金もカットされるだろう。
さて結局、麻生は政局より政策と言いながら、7月15日の解散予約から9月16日の首班指名まで、2ヶ月間の政治空白をもたらした。今もって首班指名で麻生にするのか白紙にするのか、自民党はバカなことをやっている。本来なら即、麻生は総裁を辞任し、臨時総裁として幹事長がフォローするのが正道だ。しかし麻生は、不機嫌な顔をしかめて、総理総裁の椅子に居座っている。自民党飛行機は、麻生パイロットの操縦ミスでジャングルに突っ込み、大破してしまった。もはや再生エンジンがない。そういう自民党を救う人材はいるのか。一人だけいる。城内実44歳。赤門、外務省官僚出、小学校時代は父(後に警察庁長官)のドイツ大使館一等書記官勤務で、ドイツで過ごしドイツ語は堪能、天皇陛下、総理のドイツ語通訳もこなした。城内に土下座をしてでも自民党総裁に座ってもらうことが、再生の第一歩になるのだが、そこまで自民党は腹をくくれるか。その度量と卓見があるかどうか。世襲の公家政治家ばかりでは、これからの荒波を乗り越えることはできまい。城内は、元財務官僚の片山さつき5万票に対して12万票の圧倒的支持を獲得し、片山を再起不能にまで沈めた。城内総裁論が出なければ自民党は日一日と衰亡していくだろう。権力を失った自民党には何の魅力もない。畑のスケアクロウより価値がない。
★河村建夫官房長官と中山恭子。
自民党官邸は、拉致被害者家族会について、民主党に拉致問題担当の中山恭子首相補佐官を留任させるよう求めるという。「拉致問題は超党派で対応すべき国民的課題だ。新政権に申し送りする」と河村は述べた。
この中山恭子という人は、ソフトな物腰で家族会に食い込んでいるが、外務省と大蔵省の官僚出身で、家族会を騙し続けてきた張本人だ。彼女の旦那は国交大臣を1週間で首になった中山成彬だが、支離滅裂な言動を繰り返し、果ては地元県議団の反対を押し切って宮崎一区から立ち落選した。自民党参議員の中山恭子が留任すれば、家族会の情報は外務省に筒抜けになり、外務省の家族会押さえ込みに使われるだけだ。
★官僚と役人の腐敗。
千葉県庁で2007年度までの5年間に約30億円に上る不正経理が行われていたという。千葉県庁がやっているということは、他の県庁、市町村もやっている。今までも、同じ不祥事は全国で発生しているが、一向に改まる気配がない。これは公金横領という刑事犯罪なのだ。懲戒免職になり、刑務所にぶち込まれ、横領額は返金させられる。しかし今もって止む気配はない。何故なのか。組織ぐるみ、公金を公金と思わぬ泥棒癖。こうなったら、官僚役人には一切現金に触らせない。すべてキャッシュレスにして決済する必要がある。役人の手口は、事務用品を架空発注して代金を取引業者の口座にプールする「預け」や「注文差し替え」という古典的なやり方だ。不正に加担した業者も刑務所にぶちこめ。しかも泥棒を捕まえる県警も同じことをやっていたという。この内、約1億1000万円分は私的流用だと分かった。不正をやった部署は、農林水産省と国土交通省の国庫補助金を扱う役人だった。これは我々の税金だ。
(ムラマサ、鋭く斬る)