古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

わが家の夕めし 池波正太郎

2025-03-01 13:37:02 | 池波正太郎

講談社文庫 2007年

 

昭和四十四年からの六年間のもっともエッセイの

 

少ない、小説に真っ向から取り組んでいた時期の

 

珠玉のエッセイ五十一篇。

 

旅をしたことや新国劇のことなど、歴史上の史実な

 

ども交えて、幅広く書いている。

 

僕は史実誌などより、池波氏の個人的な記述の方が

 

好みなのだが、個人的な見解はあまり多くはないよ

 

うである。池波氏の師匠は長谷川伸氏と云う人なのだが、

 

直木賞を獲った時も、そう、と素っ気ない顔をしていたが、

 

実は相当喜んでいたらしい、と聞いた時の池波氏の六回も

 

落ちてから直木賞を獲った高揚した気持ちが伝わって来た。

 

装丁に煙草を咥えた池波氏。きっと大好きだった銀座で

 

撮られたものだ。今では咥えタバコは禁止だが、おおらかな

 

時代のエッセイ、なんか心が和んで来る。

 

(読了日 2025年2・2(日)13:30)

               (鶴岡 卓哉)

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