古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

覚えていない   佐野洋子

2025-03-05 06:30:50 | 佐野洋子

新潮文庫  平成二十一年

 

佐野女史が五十代の頃に書いたエッセイをまとめたもの。

 

マガジンハウスの刈谷さんが六十八歳の佐野さんのとこ

 

ろに来て、せっせと集めていた十数年前の雑誌とかに寄

 

稿したエッセイを持って来たという。

 

それを読んだ佐野氏は五十代は若い、青臭いと云って

 

いいと云う。ぼくも五十代だが、そうか、五十代は未だ

 

若いのか、やれやれ、と思った。それでも、出版を承知

 

した佐野女史だった。

 

佐野女史は人をけなすのも得意かもしれないが、褒めるの

 

もとてもうまいのだ。書評もとてもずばりと云う。そもそも

 

この人は本当のことを言い過ぎる。男だったらすっ飛んで

 

逃げるだろう。それを河合隼雄氏に言うと、「本当の

 

ことを言うと人は生きていけない」と云われたという。

 

全くその通りだよ。

 

ぼくは佐野女史のファンだが、西原恵理子女史の解説を

 

読み号泣してしまった。今年一番に泣いたと思う。

 

 

(読了日 2025年2・9(日)23:10)

               (鶴岡 卓哉)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする