古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ファミリー・アフェア 村上春樹

2023-10-13 09:24:41 | 小説の紹介
文春文庫    1985年

1Q84から初めて春樹氏を読んだというひとは

かつて、こんなに最速のウィットの持ち主だった

なんて信じられないかもしれない。あれは、ひど

かったけど、このファミリー・アフェアは、なんと

も偏狭な主人公が、とてもおもしろいことを次々と

発言する。あー、そうだよ、春樹氏ってこうだった

よ、と思わざるを得ない。時間という凶器によって

春樹氏も滅多打ちにされてしまった、という感がある。

彼は次々とセックスして、名前もよく知らない女とも

セックスする。そこに肉体なんて、ないかのように。

エイズもなんのその。そんなことどうだっていいのだ。

気持ちよければ、我々は疲れていたってセックスする

のだった。なんせ我々は若かったんだから、といいた

くなってくる。


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