古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

陰翳礼賛  文・谷崎潤一郎 写真・大川裕弘

2024-11-13 05:20:34 | 本の紹介

PIE 2010年

 

日本人にとっての暗さ、陰、と云うものの重要さ

 

を説いた一冊。全国の店などで撮られた気配の

 

ある写真がたくさん載っている。

 

いや、この本を読めば、日本人に生まれたことの

 

意味について考えざるを得ないだろう。

 

それは谷崎氏の好きだった日本女性のことを考える

 

ことにもある。元来、日本人の女性はうす暗いところに

 

そそとしているのが美しい、とある。

 

今の時代、うす暗い陰にいろ、と言ったら、女性は

 

怒り出すだろう。都合のいい美の追求でもある。男の

 

強かった時代の幻だ。

 

今の時代、美しさというものの意味も変わり、美しい

 

より、かわいい、が重宝される。

 

ぼくは夜が好きで、暗いのが好きなので、そこに美

 

を求める谷崎氏に共感しかなかった。人の性格でも、

 

暗いのもなかなか今の時代、いいと思うのだ。

 

暗さの中にこそ美があるだろう。やたらめったら明るい

 

と云う人というのもなかなか厄介なものである。

 

(読了日 2024年10・14(月)22:45)

                 (鶴岡 卓哉)

 

 


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