古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

旱魃(かんばつ)世界   J・G・バラード

2024-11-17 01:45:09 | 小説の紹介

山田和子・訳 創元SF文庫 1965年

 

破滅三部作の一角を成す、街が燃えてしまう

 

「燃える世界」を改変した完全版。

 

マネキン、白いライオン、炎、両性具有などの

 

終末をイメージさせる、想像力に富んだ、ディス

 

トピア小説。

 

J・G・バラードと云う人の小説を一度読んでみたい

 

と思っていたら、偶然、手に入ったので、熟読した。

 

SF的に顕著な文章で、手のひらから零れ落ちていくような

 

感じだが、それも次第に心地よくなってくる。

 

ああ、こんな世界がリアルに来たら、イヤだなあ、と

 

思考しつつ、ラストにはひと筋の希望が射したので、

 

おう、と唸った。いつかは滅ぶだろう、この地球上に

 

住む人間の儚さ、愚かさ、が滲み出ていた。

 

(読了日 2024年10・26(土)12:30)

                 (鶴岡 卓哉)

 


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