山田和子・訳 創元SF文庫 1965年
破滅三部作の一角を成す、街が燃えてしまう
「燃える世界」を改変した完全版。
マネキン、白いライオン、炎、両性具有などの
終末をイメージさせる、想像力に富んだ、ディス
トピア小説。
J・G・バラードと云う人の小説を一度読んでみたい
と思っていたら、偶然、手に入ったので、熟読した。
SF的に顕著な文章で、手のひらから零れ落ちていくような
感じだが、それも次第に心地よくなってくる。
ああ、こんな世界がリアルに来たら、イヤだなあ、と
思考しつつ、ラストにはひと筋の希望が射したので、
おう、と唸った。いつかは滅ぶだろう、この地球上に
住む人間の儚さ、愚かさ、が滲み出ていた。
(読了日 2024年10・26(土)12:30)
(鶴岡 卓哉)
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