古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

酒肴酒(さけさかなさけ) 吉田健一

2025-03-13 11:23:18 | 本の紹介

光文社文庫  1974年

 

吉田氏の文章が苦手と云う方ももしかするといるかも

 

解らない。が、立ち読み程度のレベルで評価してはい

 

けない。

 

この400P余りのちっこい字の物量は大いに読み応え

 

があり、吉田氏をとことん味わいたい人にはもってこい

 

だ。

 

この一冊をもってして、その魅力を大いに感じることが

 

出来るだろう。そのプロレスで云うところの蝶野正洋氏

 

のようなのらりくらりしたレスリングスタイルを文章に

 

したようなスタイルにぼくはどっぷりとハマってしまっ

 

た。

 

手書きでしか味わえないような文章だ。それにしても、

 

吉田氏のような食いしん坊は、六十五歳までしか生きら

 

れないだろう。誠にこれは人間の業を背負った宿命と

 

云わざるを得ないだろう。

 

うまいものを喰い過ぎると長生きはムリだが、人は

 

食べてしまう。そして、その様に人はうまい読み物を

 

読まずにはいられない。ぼくも業を背負って今日も

 

生きるひとりである。

 

(読了日 2025年2・25(火)23:47)

                (鶴岡 卓哉)

 

 

 

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