古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

CM地獄     フィリップ・K・ディック

2021-03-13 09:53:17 | 小説の紹介

浅倉久志・訳      「ディック傑作集4」所収

 

フューチャーSF誌1954年6月号

 

ロボットが、ファスラッドというなんでも再生させて直し

 

てしまうという機械を押し売りする、そこからおこる悲劇。

 

TVってCMばかりだよな。ぼくはメモリーに録っているから、

 

自然、CMは飛ばしてみるんだけど、たまに生TVをみると、

 

CMが邪魔でしょうがない。でも、なかにはCMをみる、って

 

人もいるから驚きだ。CMウォッチャーっていうのがいるら

 

しい。

 

この短編は初出のとき、くそみそにいわれたらしい、アンハ

 

ッピーエンドをP・Kもすごく後悔したらしい。ロボットと

 

人間の仲の良さを描くのは、でも、P・Kらしくないんじゃな

 

いかと思うんだけどね。……合掌。

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京に着ける夕      夏目漱石

2021-03-12 10:49:30 | 小説の紹介

角川文庫

 

6ページの小品。京都でのおはなしのようだが、

 

京都は冬は凍えるほど寒く、夏はうだるほど、

 

暑い。ぼくのおじさんは、学生のころ、京大に

 

行くために、京都で暮らしたことが原因で早死に

 

したと聞く。すごくきびしい土地柄だそうだ。この

 

作品でも、その寒さが問題となり、東京から遠いよ

 

という。とても遠かっただろうことがうかがえる。

 

ぼくは一時期、京都で暮らすことを夢見たが、現実を

 

しってボー然とし、京都暮らしは今では完全にあきら

 

めている。広島の方が気候もいいし、どうかんがえても

 

暮らしやすいからだ。……合掌。

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伝染(うつ)るんです。3    吉田戦車

2021-03-11 09:46:38 | 本の紹介

小学館      1992年

 

二階建てのバスの景色は素晴らしいですよォ、とその

 

おばあさんは力説していた。そのおばあさんの捨てる

 

本のなかにこの本があった。そのおばあさんはこの前、

 

クルマの免許を返して、バスに慣れてきたらしい。この

 

前のときは大きなクルマに乗ってきていた。

 

で、この本の内容だが、シュールギャグといっていいの

 

だろうか? 一番僕がツボだったのが、石井は両親来て

 

ないのか、と先生が運動会のとき、弁当をたべている学

 

生に話しかけてきて。よし、先生が双眼鏡で屋上からお

 

前がどういう順番でおかずを食い、お茶をすするのかみ

 

つめていてやろう、といい、遠くの屋上から先生が双眼

 

鏡で見つめている、っていう四コマ漫画である。えっ?

 

すべってないでしょ?

 

なんかよくわからないものもいっぱいあって、感性の塊

 

みたいな四コマ漫画。

 

異形の才能を感じてしまった。遅ればせながら。……合掌。

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イタリアからの手紙   塩野七生

2021-03-10 09:27:28 | 本の紹介

昭和47年    新潮文庫

 

古本屋みたいなことをやっていると、いろんな

 

本が持ち込まれてくる。この本もそうだ。

 

49年前の本かあ、と何気なくよんでみると、ハ

 

マってよんでしまった。大して、シチリアとかイ

 

タリアにはキョーミはないのだが、初期塩野作品

 

らしく、初々しさもあり、みずみずしい感性に溢

 

れていて、ステキだ、と思わず、ステキになりたい

 

ぼくは熟読した。

 

シチリアと言えば、マフィアでしょうと、マフィア

 

というエッセーもちゃんとあります。手抜かりはあり

 

ません。イタリア・マフィア、アメリカ・マフィアと

 

区別されるそうだが、元々シチリアからの移民だった

 

ことは、ゴッドファーザーで勉強済みだった。

 

驚いたのはローマでは2千年前の下水をそのままつか

 

っているということ。そうじも二千年一度もしていな

 

いという、ウソでしょう、と思わず。

 

人生の豊かな味わいに誘うという24のエセー、だと

 

さ、うーん、マンダム。……合掌。

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人はなぜ恋に破れて北へいくのか   椎名誠

2021-03-09 07:22:35 | 本の紹介

集英社文庫   2010年

 

何冊か積んどくしていたので、読んでみると、やっぱり

 

おもしろい。

 

問題は「ダシ」なのである、の、「東京駅 サスペンス

 

劇場」だ。うんこ的なものが風雲急を告げて、でそうに

 

なっての奮闘記だが、シーナ氏はこの手の文章を書かせ

 

たら右にでる者はいないだろう。

 

11年前の本だが、シーナ氏がそのころ、なににキョーミ

 

を抱いていたのか、など、キョーミシンシンであり、ムダと

 

いっちゃムダだが、ムダにこそ意味があるゾ、といいたいん

 

である。

 

わけあって、病室で読んだが、思わず、何度か笑ってしまっ

 

た。この本のおかげで手術も乗り越えられた、ありがとうご

 

ざいました。……合掌。

 

 

眠さも五倍だニャー! おいらと眠らニャいか?(作品とは関係ないニャー)

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フヌールとの戦い    P・K・ディック

2021-03-08 22:35:58 | 小説の紹介

「ディック傑作集4」所収   友枝康子・訳

 

この作品の重要なテーマは、侵略者がおバカだったら

 

どうなるか、であろう。

 

人間に変身するのはいいが、六十センチしかない彼ら

 

は化けたらすぐに判明してしまう。

 

その度に殺すのだが、次々と化けて出る。そのうち、

 

タバコを吸えば大きくなる、会話上でライトフットが

 

軽口のように言うと、タバコを吸った侵略者フヌールは

 

4フィートに大きくなる。その次に、ウィスキーを飲めば

 

同じくらいになる、と言ってきかないので、飲むと、6フ

 

ィートになる。タバコを吸って大きくなるのもバカだし、

 

自分が異様に小さいことに気づかないのもバカだ。バカは

 

ウィスキーを飲んで人と同じ6フィートになった。フヌール

 

は一体が大きくなると、他の化けてる同じ体つきの男も同じく

 

大きくなるシステムである。もっと大きくして、8フィート

 

にすれば、大きすぎて、気づくだろうと考える。そして、大人の

 

することで、あれですよ、中学生が大好きなあれをすれば、8

 

フィートになっちゃった、あぁ、おバカ。……合掌。

 

 

おいしそうなケーキとコーヒーを読書のお供にどうぞ!(残念ながらうちのカフェのケーキではありませぬ、相すみませぬ)

 

 

 

 

 

 

 

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干渉する者     P・K・ディック

2021-03-07 09:56:59 | 小説の紹介

大瀧啓裕・訳    「ディック傑作集4」所収

 

タイム・マシーンもの。ヘイスンが時航機にのって、

 

人類の滅亡した理由を探りにいく。

 

写真を撮るたびに滅亡具合がひどくなり、とうとうヘ

 

イスンの出番となるのだが、100年後に行くと、蝶

 

がいる。キレイな蝶だが、毒があり、金属も溶かす。

 

マア、この手の作品を多く読んできた人なら、オチは

 

読めるよね。お約束通りですよ。久しぶりにこの手の

 

作品を読んだけど、新鮮さはなかったね。けど、これが

 

オリジナルなんだよね。……合掌。

 

 

えっ? オレは悪いことはしてねえよ?(作品とは関係ねえっつーの)  えっ? オレは悪いことしてねえっつーの!(作品とは関係ねえっつーの)

 

 

 

 

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たとえば、俺とか彼女たち、とか   鶴岡 卓哉

2021-03-06 16:25:51 | 詩・ポエム

たとえば、俺とか彼女たち、とか  



彼女たちは快感を求める

冒険と無秩序が空を覆う頃

俺は空に星を見る

虚しさを取り戻すため

俺は一歩、漆黒の闇の中に踏み込む

 

 

 

 

夏の危険な遊びをしてる人たち……。

僕とはあまり縁がないですね。僕の

危険な遊びといえば、39円のコー

ラを飲むことぐらいですから……合掌。

 

 

オメーも暇だなあ?えっ?

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笑う茶碗      南伸坊

2021-03-05 10:22:58 | 本の紹介

ちくま文庫   2004年

 

仲良し夫婦っていいなあ、と思う。たまにケンカしたり

 

して、鈴虫がきっかけで仲直りなんかしちゃって、なん

 

てステキなんだ。僕は結婚したことがないが、虹を教え

 

てくれたり、ひょっとこのメークをして笑ってくれる人

 

がいたらいいかもな、と思ってしまう。

 

笑う茶碗とは夫婦茶碗のことらしい、けど、夫婦につい

 

てしっていることは、僕は皆無なので、うーん、楽しそ

 

うで、ほっこりするなア、でも、現実はどうなのかな?

 

と一抹の疑問を抱かないでもいられない。そりゃあ、人

 

に見せるときはキレイにパッケージして、中身もととの

 

えるだろうけど、、、実際は……と。いやいや、南氏夫婦

 

はこういう夫婦なのだ。

 

ひとつ発見があった。四つ目の鬼は眉眉目目ではなく、

 

眉目眉目だそうだ。ツマ、文子女史、さすが見落としがな

 

い。……合掌。

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ヤツの住処    鶴岡 卓哉

2021-03-04 05:00:13 | 詩・ポエム

ヤツの住処  



ためらいと興奮のただ中にいて

俺は無秩序に並んだパーツのような気分

今にも破壊の大王が降臨しそうな空の下、俺はヤツを蔑んだ

崖の下にも木の幹の中にも土くれの中にもヤツはいた

そこは混沌の渦の爆発的生命の根源の一隅で

そここそヤツの住処だ


誰もお客さん来ないからって、拗ねちゃあだめニャン!(わけあって、今はギャラリーには不在ニャン!) 
  

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