古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

「ねこ弁」/無花果(いちじく)/秋山食堂    秋山ちえ子  

2022-12-15 09:03:38 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

秋山ちえ子という人をぼくは存じ上げなっかたのだが、

 

評論家ということらしい。30過ぎくらいから、ラジオ

 

文筆の仕事を始めたらしい、1917年生まれ。

 

著作は多いらしいが、それらの本には出会ったことはなか

 

った。当然、亡くなられているだろう。こういうお方も

 

いらっしゃるのだなあ。

 

「ねこ弁」とは、その名の通り、鰹節をあしらった弁当らしく

 

駅弁の代わりに持っていくらしい。「無花果」には、エデンの

 

園での一件が描かれていて、無花果を買ったことが描かれている。

 

戦時中に、無花果の実が成っていて、一個だけ頬張ったらしい

 

が、そのうまそうなこと、涎が出る。先日、無花果の季節に

 

ぼくも幾度か無花果を買い求め、口にした。ハハの好物が無花果

 

なのである。「秋山食堂」では、普段着の料理で人をもてなす

 

ことが描かれている。ぼくはよそんちの料理がだめなんだったわ、

 

残念。

 

        (読了日 2022年11・30 1:15)

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悲しいときにもおいしいスープ   石井好子

2022-12-14 00:57:15 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収。

 

スープが好きと言う好子さん。この小品エッセイは1983年

 

5月「パリ仕込みお料理ノート」によせられたという。

 

シャンソン歌手で、一冊、読んだことがあるが、いつも外国に

 

行っていたようだ。ヴィシソワーズ、オニオングラタンスープ

 

コンソメスープなど、当時は最新のスープだったのではないか。

 

特に、ヴィシソワーズ、この本では、ヴィシスワーズといって

 

いるが、は、うまそうである。なにを隠そう、ぼくもスープ好きの

 

ひとりである。この前、夜中にひとりで、いろいろな調味料をぶち

 

込んで作ったスープは傑作だった、二日かけて、ペロッと食べてし

 

まったが、もう一度作ることは多分できないでしょうねえ。

 

        (読了日 2022年11・30 1:00)

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箸文化と匙文化      チョン・デソン

2022-12-13 02:47:42 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収。

 

このチョンさんは食文化のスペシャリストらしい。

 

日本の箸文化と朝鮮の匙文化を比較し、分析している。

 

日本文化にも造詣が深く、詳しいので、読んでいて

 

すごく勉強になる。

 

匙文化といっても、そのマナーにはいろいろあって、

 

一様には覚えられないほどだ。

 

ぼくの夢のひとつは、朝鮮、韓国に行って、いっぱいの

 

皿に乗った料理を食べることなので、匙を食べ始めたら

 

置いてはいけない。ごはんなどは口を器につけてはいけない、

 

のマナーだけでも覚えておこう、と思った。

 

韓国料理は西洋と中國と日本が絡み合い、料理がすごく発展

 

していったので、いつか、食べる日を夢見ている。

 

         (読了日 2022年11・30 0:36)

 

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居酒屋の至福       川本三郎

2022-12-12 01:30:14 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

110円本でこんないい本があるんだから、いうことはない。

 

この小品は、1996年「東京つれづれ草」三省堂刊に載って

 

いたものらしい。居酒屋批評談だと思うのだが、ただの居酒屋

 

への愛ではない。いい居酒屋への愛で溢れている、ところがいい。

 

イニシャルで三つの店を紹介しているが、ぼくは酒が飲めないので

 

あれだが、吞みたくなってくる。ちょっと小体なのがいい店という

 

印象だが、大きな店70‐80席の店にもいい店というものはあるもの

 

なのですね。ネギマという、ネギとマグロの小鍋のイキな説明に、

 

シャキッとしてしまうおれっちだった。

 

        (読了日 2022年11・29 22:55) 

 

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私のカレー・ライス    宇野千代

2022-12-11 00:37:26 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

東郷青児とつるんでいて、東郷氏にその華やかな

 

カレー・ライスを作って進ぜた、というのである。

 

それは野菜とか肉とルーが別になっていて、肉は

 

ひき肉を使っているそうな。それに、付け合わせの

 

福神漬けとか、そういったものが20数種類もある

 

そうで、東郷氏はそれらをつまんで食べていたらし

 

い。その姿が楽しくて、作り続けた、と語る。とっ

 

ても、この華やかなカレーがご自慢らしくて、その

 

語り口も滑らか、とてもお上手でいらっしゃる。

 

カレー好きのぼくとしては、是非、妄想して、食べて

 

しまってみるのである。宇野女史のカレーかあ、食って

 

みたかったなあ。

 

    (読了日 2022年11・29 22:34)

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かいわれのみち    安野光雅

2022-12-10 05:27:29 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

安野氏といえば、画家であり、筆をとることも知られている。

 

 

ここでは、ストーン・ブレイン・サンドというかいわれを使った

 

サンドウィッチのことを宗教めいて、描いている。

 

決して、ストーン・ブレイン・サンドは宗教ではない、と言っている。

 

サンドウィッチが宗教になるはずはない。「ストーン・ブレイン・

 

サンド友の会」を組織し、後日、帝国ホテルにいく機会の度毎に

 

このサンドを注文し、正式メニューとして登録されるまで、この

 

会を続ける、とある。

 

まあ、帝国ホテルには行ったことはないのだが、ストーン・

 

ブレイン・サンドなるものがあるのだろうか。おそらく、ウソであろう

 

ことはかたくない。そもそも、かいわれのサンドのごときもので

 

騒ぎ立てするほどのことだろうか? いや、食ってみたら、意外や

 

意外、すごくうまいものなのかもしれない、と思わせるあたり、宗教

 

めいてきたのか?

 

          (読了日 2022年11・29 22:11)

 

 

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食は三代 わが思い出の玉子焼き    玉村豊男

2022-12-10 01:23:44 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

食は三代、とはおいしいものを食べる世代が三世代

 

続かないと美食家とはいえねえ、ということらしい。

 

ぼくのおばあちゃんは103歳まで生きたが、その

 

食に関しては面白いものがあった。パンの耳を残し、

 

すごくマズそうにパンを食べたし、逆に、ロールパン

 

っぽものについた蜜のかかったところをパクッとものすごい

 

早さで食べてしまったりした。くじらのハリハリ鍋が人生で

 

一番おいしかった、と言っていた。ハハは、すごく食に

 

うるさい人だ。味に関しては鋭敏なんじゃないか、と思うが

 

若いころに、お菓子ばかりを食べていたせいで、歯が三本だけだ。

 

いや、バラしちゃ、可哀想でしょ、チーン。

 

      (読了日 2022年11・28 23:45)

 

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おいしいものは恥ずかしい   中山千夏

2022-12-09 04:44:15 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

「私はおいしいものが好きで」という言い方に引っかかっているという

 

中山さん。おいしいものが好きって、当たり前じゃん、とこういうわけだ。

 

その肯定した言い方が、なんとも恥ずかしいらしい。性慾もその時代の

 

女子にとっては恥ずべきものだったらしい。バイブでオナニーなんて、

 

自殺ものだったのではないか、そんなことを書くおいらも、恥知らず、って

 

ことになるんだと思う。そこはかとなく恥ずかしい、という感覚も大切

 

だ、と説く。そこいらへんは分かっているつもりだ、というのは、ぼくら

 

くらいの世代までではないか。いや、怪しいか。とにかく、今はクソも

 

ミソも一緒である世代だといっていいと思う。

 

        (読了日 2022年11・28 22:00)

 

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カキ氷とアイスクリーム   井上ひさし

2022-12-08 00:17:59 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

おいしいものから食べることが、井上氏はできないという。

 

それから、ごはんを3.14159分目よそってくれ、と

 

娘に言い、ケンカになり、すったもんだして、量りを買っ

 

てきて、娘にグラムで申告するように言い渡される。

 

飽食を食い収めのためにしているのだ、と言い、犬の食べる

 

分はおれが食う、もったいない、と言い、すごくケチだ。

 

イナゴにえらい恨みがあり、秋になるとイナゴばかり食わさ

 

れたと嘆く。

 

この人は結局、このエッセイでは人は、「食い収め」をして

 

いるということが言いたかったようである。

 

      (読了日 2022年11・28 21:00)    

 

 

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天ぷらそば        池部良

2022-12-06 00:54:25 | 本の紹介

「おいしいおはなし」所収

 

生活雑記というもののようだ。「天ぷらそば」を父は娘さんに

 

頼めというが、おふくろはおやじさんに頼め、どっちに頼めば

 

いいのか途方にくれたという。

 

この小品、4Pしかない。天ぷらそばを行き遅れだという娘さんに

 

奢ってもらったことを、お母さんがブチギテ、あなたを殺して、

 

私も死にます、という。そんなご大層なことか、たかが天ぷらそば

 

じゃないか、と思う。生きる死ぬなんて、大げさだ。

 

それは嫉妬かららしいのだが、女の嫉妬というのは、母のにしても

 

大層、恐ろしいものである。

 

    (読了日 2022年11・28 20:00)

 

 

 

 

 

 

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