「おいしいおはなし」所収。
ピー子ちゃんとは、祭りの夜店で売っているヒヨコの
ことだ。そのヒヨコが三年半たち、大きくなって、
林(りん)さんによって、さばかれてしまうのだが、
それが、そのピー子ちゃんは新興住宅地に飼われて
いて、そこに子供が二人いて、夜中に林さんが、
子供の目の前で、バラしちまおうぜ、と言ったもんだから、
さあ、たいへん、子供たちは泣きわめく始末。
それでも、肉はガムのかたいのを食っているようだったが、
おじやの出汁をとって、食っちまったそうである。
ぼくが中学のうぶなころに、社会科の山口県の田舎の出身の
先生が、ニワトリをバラスとき、首をちょん切ると、首なしの
ニワトリが庭を走り回るんだ、と話したからビックリした。
いや、今、教師がそんな話したらいささか問題があるかもしれ
ないけど、そんな時代だったよ、実際。
(読了日 2022年11・30 14:20)