真の敵はFBI?
* * * * * * * * * *
マサチューセッツ工科大で女子大学院生の変死体が発見された。
遺体を検分したスカーペッタは奇妙な事実に気づく。
全身に粉末状の蛍光物質が蒔かれていたのだ。
夫のベントンはワシントンDC連続殺人事件と同一犯ではないかとにらみ、
問題の粉末は犯人が施した「儀式」の痕と推理する。
真相は何か!?
検屍官シリーズ第21弾(上)
殺された大学院生ゲイルは、投資運用会社ダブルSと係争中だった。
さらに彼女とケイの姪ルーシーはITのエキスパート同士の知人で、
ルーシーは図らずも事件に関わってしまう。
一方、夫のベントンは捜査方針をめぐりFBI内で孤立。
ケイの周辺に暗雲が漂う。
その最(さ)中(なか)、ダブルS社が何者かに襲撃された!(下)
* * * * * * * * * *
毎年年末に新刊が発売されるこの検屍官シリーズ。
私が読むのはたいてい年明けになりますが、
それにしても、前作を読んで、もう1年が過ぎたということです!
驚いてしまいますね。
なんて時の流れは早いのでしょう・・・。
それと同時に私も加速度的に年をとっているということで・・・。
オソロシイ。
さて、でもスカーペッタはまだまだ、お元気のようです。
というか本作、冒頭から彼女は相当疲れています。
何しろ、学校で前代未聞の大量無差別殺人事件があった直後。
彼女も検屍官としてその現場を見ており、
あまりの無残さに心が折れてしまっていました。
その心の弱まったところにつけ込まれるようにインフルエンザにかかり、
寝込んでいて、ようやく少し回復してきた、
そんな早朝に、仕事の要請が入ります。
クリスマスにはまだ少し早い12月の雨の日。
なんと本作は、最後の後日談を除いてすべて、
この同日に起こったことが順を追って描かれていまして、
全く、いつもながらスカーペッタのタフさには感心させられます。
当人は常にクタクタだと弱音を吐いているのですが、
いやいや、このタフさはルーシーも顔負けでありましょう。
スカーペッタとベントンの住む家のほど近く、マサチューセッツ工科大で、
女子大学院生の変死体が発見されます。
妙にリラックスしたようなポーズを取り、白い布がかけられた死体には、
全身に蛍光物質が蒔かれており、まるで何かの儀式のよう。
そしてこれは、今ベントンが追っているワシントンDCの連続殺人事件と酷似している・・・。
また、この殺された女子大学院生のゲイルはルーシーの知人でもあった。
事件の真相は・・・。
本作、憎むべき犯人はもちろんいるのですが、
それよりも本当の敵の存在が大きいのです。
スカーペッタやベントンは、時として事件の謎よりも、
政府や法曹界、そして自らの組織内の軋轢に悩まされます。
今回の敵はズバリFBI。
ベントンの立場が微妙になっていくのを観るのはつらいものがありますが、
こんな優秀な人を優遇せずにどうするのよ!
といいたくなります。
でも、優秀すぎて、かっこ良すぎて、
まあ、たしかに反感は買うかも・・・とも思います。
マリーノは今回からスカーペッタの元を離れ、警官に復帰!
まあ本人は相変わらずですが。
でも本作マリーノがいなければ全然味気なくてつまらない話になっちゃいますよね。
しょうもないおじさんだけど、私は好きです。
それから、スカーペッタのオフィスで働くおしゃべりの止まらないブライスも。
また一年後には、マリーノの訓練している犬も、もう少しおりこうになっているかな?
「儀式 上・下」 パトリシア・コーンウェル 講談社文庫
満足度★★★★☆
儀式(上) (講談社文庫) | |
池田 真紀子 | |
講談社 |
儀式(下) (講談社文庫) | |
池田 真紀子 | |
講談社 |
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マサチューセッツ工科大で女子大学院生の変死体が発見された。
遺体を検分したスカーペッタは奇妙な事実に気づく。
全身に粉末状の蛍光物質が蒔かれていたのだ。
夫のベントンはワシントンDC連続殺人事件と同一犯ではないかとにらみ、
問題の粉末は犯人が施した「儀式」の痕と推理する。
真相は何か!?
検屍官シリーズ第21弾(上)
殺された大学院生ゲイルは、投資運用会社ダブルSと係争中だった。
さらに彼女とケイの姪ルーシーはITのエキスパート同士の知人で、
ルーシーは図らずも事件に関わってしまう。
一方、夫のベントンは捜査方針をめぐりFBI内で孤立。
ケイの周辺に暗雲が漂う。
その最(さ)中(なか)、ダブルS社が何者かに襲撃された!(下)
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毎年年末に新刊が発売されるこの検屍官シリーズ。
私が読むのはたいてい年明けになりますが、
それにしても、前作を読んで、もう1年が過ぎたということです!
驚いてしまいますね。
なんて時の流れは早いのでしょう・・・。
それと同時に私も加速度的に年をとっているということで・・・。
オソロシイ。
さて、でもスカーペッタはまだまだ、お元気のようです。
というか本作、冒頭から彼女は相当疲れています。
何しろ、学校で前代未聞の大量無差別殺人事件があった直後。
彼女も検屍官としてその現場を見ており、
あまりの無残さに心が折れてしまっていました。
その心の弱まったところにつけ込まれるようにインフルエンザにかかり、
寝込んでいて、ようやく少し回復してきた、
そんな早朝に、仕事の要請が入ります。
クリスマスにはまだ少し早い12月の雨の日。
なんと本作は、最後の後日談を除いてすべて、
この同日に起こったことが順を追って描かれていまして、
全く、いつもながらスカーペッタのタフさには感心させられます。
当人は常にクタクタだと弱音を吐いているのですが、
いやいや、このタフさはルーシーも顔負けでありましょう。
スカーペッタとベントンの住む家のほど近く、マサチューセッツ工科大で、
女子大学院生の変死体が発見されます。
妙にリラックスしたようなポーズを取り、白い布がかけられた死体には、
全身に蛍光物質が蒔かれており、まるで何かの儀式のよう。
そしてこれは、今ベントンが追っているワシントンDCの連続殺人事件と酷似している・・・。
また、この殺された女子大学院生のゲイルはルーシーの知人でもあった。
事件の真相は・・・。
本作、憎むべき犯人はもちろんいるのですが、
それよりも本当の敵の存在が大きいのです。
スカーペッタやベントンは、時として事件の謎よりも、
政府や法曹界、そして自らの組織内の軋轢に悩まされます。
今回の敵はズバリFBI。
ベントンの立場が微妙になっていくのを観るのはつらいものがありますが、
こんな優秀な人を優遇せずにどうするのよ!
といいたくなります。
でも、優秀すぎて、かっこ良すぎて、
まあ、たしかに反感は買うかも・・・とも思います。
マリーノは今回からスカーペッタの元を離れ、警官に復帰!
まあ本人は相変わらずですが。
でも本作マリーノがいなければ全然味気なくてつまらない話になっちゃいますよね。
しょうもないおじさんだけど、私は好きです。
それから、スカーペッタのオフィスで働くおしゃべりの止まらないブライスも。
また一年後には、マリーノの訓練している犬も、もう少しおりこうになっているかな?
「儀式 上・下」 パトリシア・コーンウェル 講談社文庫
満足度★★★★☆