映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

夜のピクニック

2021年01月03日 | 映画(や行)

特別な夜の出来事

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恩田陸さんの原作本は読んで、好きでしたが、
映画の方は見ていなかったので、この度拝見。
というか、この作品、第2回の本屋大賞受賞作だったのですね。
恩田陸さんは「蜜蜂と遠雷」で第14回本屋大賞を受賞していて、
それが2回目だったなんて、今頃気づきました・・・。

 

この日は、貴子(多部未華子)の高校の伝統行事「歩行祭」の日。
24時間夜通しで80㎞を歩き続けるというハードな行事です。
高校3年の彼女にとっては最後の歩行祭。
貴子は、この一日のうちにクラスメイト西脇(石田卓也)に声をかける
ということを自分の中で賭けをします。
彼とはこれまでまともに話したことがありません。
けれど、自分も彼も互いに妙に意識している。
そのことを友人たちも気がついていて、
互いに密かに思い合っている(?)と思うのですが、
実は西脇は貴子と異母兄弟なのでした・・・。

 

80㎞もの歩行、特に夜通し歩くという特異な状況の中で、
通常では話せなかったことが口にできてしまう。
つらいことをやり抜く中で、彼女たちは青春の階段を一つ上ることができたようです。

貴子の、今はアメリカにいる友人・杏奈から不可思議な手紙が届いています。
そして現れた謎の少年。
こうしたちょっとした謎も物語に奥行きを与えています。

 

本作の撮影は原作者・恩田陸さんの母校、
茨城県水戸第一高校を舞台として使用したそうで、
この夜通し歩行も実際にある行事とのこと。
残り20㎞からは走ってタイムトライアルになるというのも壮絶。
(もちろん、すべて歩きでも可です。)

 

さて本作は2006年作品ということで15年ほど前のもの。
この若き俳優たちが今見ると豪華なんですよ~。

多部未華子さんは今では欠かせない主演クラスの女優さん。
貫地谷しほりさん・・・というのは実は映画を見ている間には気づかなかった! 
柄本佑さんは欠かせない良いポジションの役でした。
そして、池松壮亮さんはまだ少年だ~!! 
加藤諒さんもいたなあ。

なんだかそういうのを見るだけでも、価値のある作品。

 

<Amazon prime videoにて>

「夜のピクニック」

2006年/日本/96分

監督:長澤雅彦

原作:恩田陸

出演:多部未華子、石田卓也、郭智博、貫地谷しほり、柄本佑、池松壮亮

青春度★★★★☆

若き俳優の活躍度★★★★★

満足度★★★.5