おとなの事情も交えて
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テレビドラマ「チェリまほ」を見たからには、こちらも見ない手はありません。
もちろんこちらも、風間太樹さんが監督を務めています。
テレビドラマ版の最終回は、クリスマスの花火の夜、
安達と黒沢の2人は共に過ごし、安達は魔法の力を喪失する・・・
ということだったと思うのですが、なんと、本作冒頭で明かされる衝撃の事実。
この夜は色々とゴタゴタがあって、まだ安達は童貞を喪失していなかったのです。
ということで、安達は魔法の力を持ったまま、もうしばらくの時が流れます。
本作はその時の出来事。
なんと安達が、長崎に転勤になってしまうのです。
このときに気持ちがすれ違ったまま、安達は長崎に行ってしまい、
双方なんとも言えない空虚な気持ちを持て余しつつ過ごすことに。
そんな安達ですが、その気持ちを紛らわすために仕事に没頭しすぎ、
ある日倒れてしまい・・・。
この先はちょっと、大人の展開になっていきます。
安達は言うのです。
「自分が倒れたことは、家族や本社には連絡が行ったけれども、
一番知らせたい大切な相手、つまり黒沢には連絡が行かなかった。
だから僕は、みんなに自分たちのことを知ってほしい」と。
そして、
「だから周囲に僕たちのことが知れても左遷されたりしないように、
しっかりと仕事をして会社に必要な人間になる。」
お~!!
あの、自分に全く自信がなかった安達のなんという成長具合でしょう。
感動してしまいます。
そしてまた、同居を始めた2人は、それぞれの両親のところに挨拶をしに行くのです。
ものわかりのよい両親達については、ちょっとできすぎかなあとは思うけれど、
まあいずれにしても本作はそうした理想のファンタジー世界である訳なので、
ここでいきなり現実的に反対し始めるなどという方がよほど白けてしまいますよね。
制度上、今はまだ「結婚」という形はとれないけれど、
周囲の人々に自分たちのことを知っていてほしいというのは
すごくリスキーではあるけれど、大切なことだなあ・・・と強く思います。
町田啓太さんは、一見クールだけれど、
そんな彼が安達とのことで内心ドキドキしているというのが、なんともキュンキュンします。
カッコ良くて、笑顔がステキでほわ~っとなってしまいます・・・。
つまり私は目黒蓮クンに限らず、イケメンで笑顔がステキなら皆大好き。
間口が水平線のように広いのであります。
そういえば、黒沢が安達に
「2人で旅行でもしようか。京都とか、函館とか。」というシーンがありました。
京都は分かるけどなぜ函館?と一瞬思いましたが、ピンときました。
この撮影の頃、町田啓太さんはNHKの大河ドラマ「青天を衝け」で、
新選組の土方歳三役をやっていたのではなかったか。
ちょっとクスリとしてしまいました。
<Amazon prime videoにて>
「チェリまほ THE MOVIE ~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~」
2022年/日本/104分
監督:風間太樹
原作:豊田悠
脚本:坂口理子
出演:赤楚衛二、町田啓太、浅香航大、ゆうたろう、草川拓弥
胸キュン度★★★★★
同性愛のおとなの事情度★★★★☆
満足度★★★★★