デジタルなつながりはなくても
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建築デザイナーの水島悟(二宮和也)は、自身が手がけた喫茶店「ピアノ」で、
謎めいた女性、みゆき(波瑠)と出会います。
自分と似た価値観を持つみゆきに惹かれて行く悟。
みゆきと連絡先の交換をしようとしますが、彼女は携帯を持っていないというのです。
そこで、毎週木曜日にこの「ピアノ」で会う約束を交わします。
2人は会える時間を大切にし、丁寧に関係を紡いでいきます。
やがて、悟がみゆきに大事なことを告げようとしたある木曜日、
みゆきは現れませんでした。
そしてそのまま、その後も連絡がとれなくなってしまうのです・・・。
自分のことは何も言おうとしなかったみゆき。
それなので、この喫茶店で会えなくなると、悟にはもうどうすることもできないのです。
事の真相が分かるのは、悟の絶望があきらめに変わるころ・・・。
しかし、そこからの展開がまた意外で感動的。
私、何も予習なしに本作を見たので、感動で涙ながらのエンドロールを見てちょっと驚いた。
原作がビートたけしさんなんですね。
こんな温かな感動の物語って、ちょっと雰囲気が違うような気がしたものですから・・・。
(失礼しました!)
おずおずとした大人の男女の出会いと恋。
ピュアです。
ピュアでありつつも、その熱い思いは本物で尊い。
美しい。
さて、かつてケータイなどなかった時代はどうだったのか。
それはやはりイエデンの番号を聞くとか、住所を聞くとか、
勤め先を聞くとかはしておきますよね。
けれど、相手の思いを汲みすぎる悟は、
相手が言いたくなさそうなのを察してあえて何も聞かないでいたわけなのです。
いい人すぎるぞ、悟。
喫茶店のマスターはリリー・フランキーさんですが、
よく登場するのに、ほとんどセリフがありません。
あえて密かに二人の恋を応援するという役柄。
彼にしては、珍しい役柄なのでは?
また、悟の友人役の桐谷健太さんと浜野謙太さんがすっごくいい感じなのです。
悪友ではあるけれど、すごく信頼に足る奴ら。
3人で話をするシーンはアドリブでもすごく盛り上がりそうな雰囲気が出ていました。
ニノは事務所から独立しても、役者として全く問題なく前進できますね。
今後も楽しみにしています。
<シネマフロンティアにて>
「アナログ」
2023年/日本/120分
監督:タカハタ秀太
原作:ビートたけし
脚本:湊岳彦
出演:二宮和也、波瑠、桐谷健太、浜野謙太、板谷由夏、高橋恵子、リリー・フランキー
ピュアな恋愛度★★★★★
満足度★★★★.5