著者自身が殺人犯???
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「われわれの契約は、これで終わりだ」
探偵ホーソーンに、彼が主人公のミステリを書くのに耐えかねて、
わたし、作家のホロヴィッツはこう告げた。
その翌週、ロンドンで脚本を手がけた戯曲の公演が始まる。
いきなり酷評する劇評を目にして意気消沈するわたし。
ところがその劇評家が殺害されてしまう。
凶器はあろうことかわたしの短剣。
逮捕されたわたしには分かっていた。
自分を救えるのは、あの男だけだと。
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作登場!
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アンソニー・ホロヴィッツによる、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊。
着々と新刊が出るのが嬉しいですね。
本巻では驚きの出来事が!
ホーソーンの事件簿的な本を書くのは3冊まで、
という当初の約束だったはずなので、
3冊目までのめどが付いた(実際にはすでに3冊出ています)ので、
もうこれ以上は書かない!!と、ホーソーンに宣言したホロヴィッツ。
そんな矢先、ホロヴィッツが脚本を手がけた戯曲の公演がロンドンで始まります。
しかし初日を終え、関係者一同はいきなりの酷評を目にしてしまいます。
すっかり意気消沈してしまったホロヴィッツ。
ところが、その酷評をした評論家が殺害され、
あろうことか、ホロヴィッツに殺人犯の疑いがかけられてしまうのです。
凶器はホロヴィッツの短剣。
アリバイを証明できる者もいない・・・。
逮捕される寸前にホロヴィッツは逃走、ホーソーンを頼りにすることに。
実のところ、ホーソーンが本当に力になってくれるかどうかも
心配ではあったのですが・・・。
・・・ということで、今回二人はタイムリミットありの、
かなり切実な調査をすることになります。
相変わらず親しみを見せず、つっけんどんな態度のホーソーンではありますが、
でもきっと頼りになる、ということはこれまでのことで分かっております。
そんな中でもほんの少しずつ、ホーソーンの秘められた人生の一端を垣間見る・・・。
著者自身が殺人犯の疑いをかけられて窮地に立たされる。
さぞかし、著者も楽しんでこれを書いているのでしょうね。
ホーソンとホロヴィッツ、この腐れ縁は、まだまだ断たれませんね。
「ナイフをひねれば」アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫
満足度★★★★☆