映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしの作り方

2021年04月02日 | 映画(は行)

焦らず、諦めず

* * * * * * * * * * * *

自然を愛する夫婦が、究極のオーガニック農場を作り上げるまでの
8年間を追ったドキュメンタリーです。

動物写真家のジョンと、料理家モリー夫妻。
きっかけは、愛犬トッドの吠え声が問題で、
ロザンゼルスのアパートを追い出されてしまったこと。
この際以前からの夢だったオーガニックの農場を作って住むことにしようと、
二人は思い立ったのです。

夫婦と愛犬トッドは、郊外の荒れ果てた農地へ移住。
伝統農法の専門家アラン・ヨークを招き、師として、まずは土作りから・・・。
しかし、長く困難な道でした・・・。

鉄腕ダッシュ村の規模をもっと大きくしたような感じです。
アランの助言に従い、水を引き入れ、用水路やため池を作り、
ミミズを養殖して肥料を作り、牛や羊、鶏を飼い・・・。
SNSで呼びかけ、資金を集め、そしてまた作業を手伝おうという有志も集まる。
こういう取り組みが大きな力になったのですね。

そうしてようやく、果実などが豊かに実を付け始めたのに、
虫や鳥に食われて、ほとんど売り物にならない。
カタツムリは大発生するし、鶏はコヨーテにやられてしまう・・・。
そんな時に、頼りのアランは病に倒れ亡くなってしまうのです。
しかし彼は言っていた。
「いつか、帳尻が合う」と。

 

やがていつしか、農場近辺にはフクロウやタカなどの猛禽類がやってくるようになり、
コヨーテはホリネズミを食べるようになり・・・。
生態系の輪ができあがっていくのです。
自然の力が、うまくバランスを作り上げる。
感慨深いですね・・・。

これ、途中で諦めてしまってはダメだったのです。
辛抱強く時をかけてようやく、理想の農場ができあがる。
頑張り抜いたご夫婦に拍手!!

乾燥し、荒れ果てて、誰もが農場には不向きといったこの地を、
蘇らせることができるのですね、やり方次第で。
なんだか勇気をもらったような気がする作品なのでした。

図らずもドキュメンタリー作品が続きましたが、
真実には力があるなあ、と今さらながら思います。
人の生き方にも色々あって、自分の思いを貫こうとする姿は美しいですね。

<WOWOW視聴にて>

「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしの作り方」

2018年/アメリカ/91分

監督:ジョン・チェスター

出演:ジョン・チェスター、モリー・チェスター

 

チャレンジ度★★★★★

満足度★★★★★

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿