子守歌であると同時にレクイエム
* * * * * * * *
1944年に北イタリアで実際にあった、マルザボットの虐殺を元にしています。
貧しい農家の一人娘マルティナは、
生まれたばかりの弟を亡くして以来、話をすることができません。
そしてまた母が妊娠。
新しく生まれてくる“弟”を彼女は心待ちにしていたのでした。
時は二次大戦下。
イタリアはドイツの支配下にあり、ドイツ軍が村にもやってきます。
しかし村の男たちはそんなドイツ軍に反抗し、
パルチザン組織に加わり反撃を試みる。
パルチザンの攻撃に業を煮やしたドイツ軍は、パルチザン一掃のため思い切った手段に出ます。
非武装の村人、主に女性や子供たちを虐殺・・・。
こういう悲惨な出来事を、物言わぬマルティナがじっと見つめ続けます。
その姿は、言ってみれば、
声高に自己の権利や思想を主張しない村人、民衆の姿。
彼らの生活を蹂躙するのは、戦争という名の巨大な何か。
マルティナが見るのはドイツ軍の残虐だけではありません。
パルチザンによるドイツ兵への殺戮も見ています。
敵とか味方ではない。
何か目に見えない狂気を彼女は感じ取ったに違いありません。
殺戮が繰り広げられたその村で、けれども小さな命の火は守りぬかれたのです。
物言わぬ民衆にできることは、
繋がれた小さな命に子守歌を歌うこと・・・。
その子守歌は亡き魂に捧げるレクイエムでもある。
心震える歌声に涙が溢れます。
このマルティナ、なんてきれいな子なのでしょう。
つい見入ってしまいました。
天使のようなその風貌で、
この悲惨な物語が一種のファンタジーめいた印象を残します。
いつまでも心の底に静かに残っていそうな、そんな作品でした。
「やがて来たる者へ」
2009年/イタリア/117分
監督:ジョルジョ・ディリッティ
出演:アルバ・ロルバケル、マヤ・サンサ
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1944年に北イタリアで実際にあった、マルザボットの虐殺を元にしています。
貧しい農家の一人娘マルティナは、
生まれたばかりの弟を亡くして以来、話をすることができません。
そしてまた母が妊娠。
新しく生まれてくる“弟”を彼女は心待ちにしていたのでした。
時は二次大戦下。
イタリアはドイツの支配下にあり、ドイツ軍が村にもやってきます。
しかし村の男たちはそんなドイツ軍に反抗し、
パルチザン組織に加わり反撃を試みる。
パルチザンの攻撃に業を煮やしたドイツ軍は、パルチザン一掃のため思い切った手段に出ます。
非武装の村人、主に女性や子供たちを虐殺・・・。
こういう悲惨な出来事を、物言わぬマルティナがじっと見つめ続けます。
その姿は、言ってみれば、
声高に自己の権利や思想を主張しない村人、民衆の姿。
彼らの生活を蹂躙するのは、戦争という名の巨大な何か。
マルティナが見るのはドイツ軍の残虐だけではありません。
パルチザンによるドイツ兵への殺戮も見ています。
敵とか味方ではない。
何か目に見えない狂気を彼女は感じ取ったに違いありません。
殺戮が繰り広げられたその村で、けれども小さな命の火は守りぬかれたのです。
物言わぬ民衆にできることは、
繋がれた小さな命に子守歌を歌うこと・・・。
その子守歌は亡き魂に捧げるレクイエムでもある。
心震える歌声に涙が溢れます。
このマルティナ、なんてきれいな子なのでしょう。
つい見入ってしまいました。
天使のようなその風貌で、
この悲惨な物語が一種のファンタジーめいた印象を残します。
いつまでも心の底に静かに残っていそうな、そんな作品でした。
「やがて来たる者へ」
2009年/イタリア/117分
監督:ジョルジョ・ディリッティ
出演:アルバ・ロルバケル、マヤ・サンサ
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