映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

記憶にございません!

2019年09月15日 | 映画(か行)

元々覚えていなかった・・・

* * * * * * * * * * * *

お楽しみ、三谷幸喜監督作品。

 

史上最低の支持率となってしまった、総理大臣の黒田啓介(中井貴一)。
無能で態度も悪いセクハラ男・・・。
ある日、演説中に市民の投げた石が頭に当たり、記憶をなくしてしまいます。
自分のことも、家族のことも、そして当然政界のことも・・・。

しかし、国政の混乱を避けるため、記憶を失ったことは国民には隠され、
秘書官たちのサポートで日々の任務をこなしていきます。
しかし、あらゆるしがらみから解放された黒田は、真摯に政治に向き合うようになっていくのです。
ところが、実は政治の実権は官房長官・鶴丸(草刈正雄)が握っており・・・。

 

記憶喪失で、あんなに性格までもが変わるものだろうか・・・と思わないでもないのですが、
まあ、面白いからよしとします。
真摯に政治に取り組もうとした黒田は、政治の仕組みについて一から学び始めます。
「そんなことも忘れてしまったのか」と問われれば、
「いや、元々覚えていなかったようで・・・」と答える。
それまでは、いかにもボンクラな黒田だからこそ、表に立たされて
いいように操られていたのかもしれません。
なんとも痛切な皮肉ではありますが、実際、どこかの総理大臣も
一度記憶を失って、いろいろなことを、一から考え直しては・・・?
などと思ってしまいますね。

昨今、素敵なおじいさん役がすっかり身についた草刈正雄さんの、
こういうちょっとワルい感じもいいなあ。
佐藤浩市さんは、やさぐれてゆすりまがいのことをするフリーライター。
ディーン・フジオカさんは、やはりボンクラ総理を手玉に取る悪徳秘書なのか?と思わせつつ、
実は理想をもってこの世界に入ったヒトなのだった、というのも素敵。
各俳優さんが適材適所に配置されていて、楽しいんだなあ・・・。
田中圭さんなんかも、初めのほうだけ出てきてこれで終わり?などと思っていると
ラスト付近でまた登場! 
これがまたいい。

わーい、面白かったと思える、さすがのオススメ作品。

<ユナイテッドシネマ札幌にて>

「記憶にございません!」

2019年/日本/127分

監督・脚本:三谷幸喜

出演:中井貴一、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、草刈正雄、佐藤浩市、小池栄子、田中圭

政治家への当てつけ度★★★★☆

満足度★★★★☆



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