(DVD)
舞台は1950年代ハリウッド。
華やかそうなその時代にして、実に渋い色調、内容。
なにしろ、エイドリアン・ブロディがうらぶれた私立探偵。
当時のTVドラマのヒーロー「スーパーマン」を演じたジョージ・リーブス。
彼の謎の死の真相を探ります。
当時の花はなんといっても銀幕のスターで、
テレビ俳優は、映画俳優が身を落とした先、みたいな感覚があったようです。
「スーパーマン」はしかし、圧倒的人気を誇り、
子供のいる家庭での視聴率は90パーセントを超えたという。
その絶大な知名度をよそに、彼が本当にやりたい映画の仕事は来ず、
やっと決まったものも失敗。
あまりにも、スーパーマンのイメージが強すぎるのです。
一見華々しい活躍の裏で、このスーパーヒーローを演じた男の苦悩・悲哀が浮かび上がってくる。
このジョージ・リーブスをベン・アフレックが好演しています。
どちらかというと明るくタフな役柄の多い彼ですが、
そのやりきれなさが、うまく出ていました。
あの雰囲気を見るとやはり自殺が真相なのかなあ・・・という気がしてしまいます。
エイドリアン・ブロディも、同じく男の悲哀をにじませつつ、
ジョージ・リーブスにシンパシィを抱いたかのように、事件の謎を追います。
いくつかの可能性に行き着くものの、どれも決定的証拠には欠ける。
なにやら、その頃のハリウッドというか米映画界の裏で、相当怪しげな影の権力が暗躍でもしていたのではないか・・・、
そんなにおいも感じます。・・・謎です。
2006年/アメリカ/126分
監督:アレン・コールター
出演:ベン・アフレック、エイドリアン・ブロディ、ダイアン・レイン、ボブ・ホプキンス