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東日本大震災~愛犬とともに感じた恐怖~

2013年03月10日 | 愛犬との暮らし
東日本大震災からまる2年を迎えました。

余震が今なお続いているせいか、つい最近のことのように感じられます。

あの節は全国各地から暖かいご支援をいただき、誠にありがとうございました。

東日本大震災を通じて、人間って他人の惨事であっても、被災者に対してこんなにも、家族のように目を向け、心をくだき、時間と我が身を提供し、支え合うことができることに大きな感動を覚えました。

ただ、ただ、感謝いたしております。

≪愛犬テリーちゃん物語(17)~大地震を3度も体験した愛犬~》
3月11日のあの日、あの時間の恐怖を愛犬テリーは忘れることがないでしょう。

あの日、私は家の中で本を読んでおり、傍らにテリーが寝そべっておりました。

突然の、これまで経験したことがないような下から突き上げるゆれに、テリーを抱きかかえたものの、次にやってきた大きな横揺れに、体のバランスがとれず身動きできない状況でした。

揺れは収まるどころか、どんどん強くなっていき、長い揺れの間、頭の中は“ああもうだめ”と、“死”の恐怖すら覚えました。

恐怖で大きな声を上げたことは覚えていますが、どのような言葉を発したかまでは記憶から消えてしまっています。

よろけながらも、廊下まで出ると、外にいた夫が玄関前で、“早く出て来い。

早く家から離れるんだ。”と叫んでいます。

無我夢中で、どうにか庭の中央まで避難すると、あたりを見回す余裕ができました。

見ると、周りの全ての物体が波うっているかのように大きく揺れています。

電線も回転するんじゃないかと思うくらいに大きく揺れています。

地震はテリーにも大きな恐怖感を与えました。

抱きかかえた私の腕の中で、震えがとまらずにいたのでした。

いつおもらししたものか、テリーのオシッコが私の手を濡らしています。

そのことに私が気づいたのは、地震が起きて5分位たった後のことでしょうか。

東日本大震災では、私たちが住む地域の震度は6強を記録しています。

東日本大震災の前にも当地では大きな地震にみまわれています。

2003年7月26日に起きた宮城県北部地震、そして5年後の2008年6月14日に起きた岩手・宮城内陸地震ではともに震度6弱の大地震です。

愛犬テリーは2度の大きな地震を経験し、小さな地震にも怯えるようになっていました。

それからというものの地震が起これば、凍えているかのように体を震わせ、固まってしまうのです。

地震が収まってからも、しばらくの間、震えがとまりません。

もうそろそろ落ち着いたであろうと、抱っこしている腕の中から床に下ろすと、金魚のフンのように後をついてきては、抱っこを求めてくるのです。

震度6弱と6強では、体に感じる揺れ方が相当に違います。

東日本大震災では、テリーはオシッコまでおもらししちゃうのですから、その怯え様はご想像いただけるかと思います。

本地震の後、余震もひっきりなしに続くので、テリーは震えながら、お父さんの腕にしがみついてくるので、なかなか片付け始めることができませんでした。

私はといいますと、実家の母のことが気になって、お父さんとテリーちゃんを残して、急ぎ実家に車で向かいました。

“大丈夫だろうか” “一人でどんなにか怖かったであろう”と案じながら運転していると、道路のいたるところが陥没しています。

そのため、ふだん15~16分位でいけるところを、2時間以上もかかって実家に到着しました。

母は気丈にも、壊れたものの片付けにとりかかっており、その姿を見てほっと安心いたしました。

携帯も使えない状態でしたので、家を出てくる時、夫から“家のことはいいから、しばらくは実家に泊まっておばあさんのめんどうをみてていいから”と言われ、およそ1か月間夫とテリーちゃんから離れて暮らすことになりました。

こんなにも長い間、家を離れたことはありませんでした。

しばらくぶりに家に帰ると、テリーちゃんは喜びと愛情がいっぱい詰まった鳴き声で私を迎えてくれました。

それから、顔のいたるところを舐めまわされたのは言うまでもないことです。

夫に“私がいない間、テリーちゃんどうしていた? テリー、ずいぶん私を探し回ったでしょう”と言えば、夫は“そんなことはなかったなあ”と言うんです。

“お父さんの姿がちょっと見えなくなっただけで、すぐ探し回るテリーちゃんだもの、そんなはずはないよね。 ね!テリーちゃん。”                                  
コメント
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