歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

奈良市・東大寺 西塔建立中に割れて捨てられた?部材「巻斗」が出土

2010年10月01日 | Weblog
 奈良県立橿原考古学研究所(橿原市)の調査で、1988年の発掘調査で東大寺境内西塔跡の北約60mから出土したヒノキの建築部材2点が、寺創建時(8世紀半ば)にあった西塔の建立中に割れて捨てられたものだったことがわかった。
 2点は、柱上で軒などを支える「巻斗(まきと)」とみられ、幅42~43cm、奥行き42~44cm、高さ17~26cm。ともに加工中に割れたらしい。
 最近、1点について、年輪年代測定をしたところ、正確な伐採年はわからなかったが、518年以降に切られたと判明し、出土場所や地層などから、西塔用だったと判断した。
 西塔(推定高さ70mあるいは約100mとも)は752年頃に完成したとみられ、承平4年(934)に雷で焼失。現在は基壇だけが残っている。
 部材「巻斗」は、同博物館の秋季特別展「奈良時代の匠たち―大寺建立の考古学―」(10月2日~11月21日)で展示される。
[参考:読売新聞]
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岩国市・加陽和泉守居館跡 建物跡の礎石(板石)を新たに確認 2日に現地見学会

2010年10月01日 | Weblog
 岩国市教委は発掘調査を続けている「加陽和泉守(かやいずみのかみ)居館跡」で今年8月、東側の土塁中央内側の発掘で、約2・4m間隔に並ぶ板石(礎石)6個を発見した。板石は柱穴の底に補強用に敷いたとみられる。
 その後の調査で、西側に3個、南北各1個の板石を新たに確認。さらに建物の規模が広がる可能性もある。南北9・6m、東西4・8mの建物があったとみられる。居館跡は最大で南北約160m、東西約140m。
 加陽和泉守は、戦国武将・毛利元就(1497~1571)に仕えた人物。元就が1555年、現在の岩国市玖珂町にあった鞍掛城を落城させた前後に、館に移り住んだとされる。
 現地見学会が2日午前10時から開かれる。中津薬師堂横広場(同市楠町3丁目)に集合。
[参考:中国新聞、2010.10.4読売新聞、毎日新聞]

過去の関連ニュース・情報
2010.8.26 岩国市・加陽和泉守居館跡 建物跡を初確認
 「加陽和泉守居館跡」(同市川下地区)での発掘調査で25日、建物の柱を立てたとみられる等間隔に並ぶ礎石が見つかった。建物跡の確認は初めて。
 百数十m四方を囲む土塁の基礎が住宅地に残る居館跡。礎石は、東側土塁中央から約2m内側の畑で見つかった。計5個が約2・4m間隔で「コ」の字型に並んでおり、建物の跡と確かめられた。
 礎石は、約30cm四方の正方形や長辺が約40cmの長方形で、いずれも上面は平ら。
[参考:中国新聞]

2008.9.23岩国市・加陽和泉守居館跡
 岩国市教委が、同市楠町の中世城館遺跡「加陽和泉守居館跡」で南側5カ所を発掘し、土塁内の居館建物跡の痕跡確認や土塁の構造確認などを行った。
 その結果、幅12mを超える大規模な土塁は、外側半分に大型の山石を埋め込んで粘土と砂石でつき固め築造した特殊な構造であり、居館全体が大規模な土木工事によって構築されたことが分かった。館の中心施設や建物跡の具体的な手掛かりは得られなかった。
 加陽和泉守居館跡は「玖珂郡史」に居館を囲む土塁の規模が記載されているなど、文献史料や構造上の特徴から室町時代に創建されたとみられる。遺跡の規模は東西約120~140m、南北約120~160mで、山口市の大内氏館跡に匹敵する。
[参考:山口新聞]
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奥州市・長者ヶ原廃寺跡 本堂基壇の規模・構造が判明

2010年10月01日 | Weblog
 奥州市世界遺産登録推進室は28日、同市衣川区の国史跡・長者ヶ原廃寺跡の第13次発掘調査(7月から実施)で基壇の規模と構造が石列により判明したことや、本堂の基壇跡から熱を受けて赤くなった礎石の破片が大量に見つかったと発表した。本堂が火事で焼け、建て替えられた可能性があるとみている。
 基壇は礎石の下にそれを支える根石(直径30~40cm)が数個置かれ、それぞれの石を動かないように土を敷き詰めた構造になっていた。礎石の破片は基壇の表層部分から見つかった。表層部分を一度整地し、礎石の破片を混入して再度造成したとみられるが、目的は分からないという。
 このほか、本堂基壇東側に石列が発見され、基壇が石列で囲まれていたことも分かった。基壇の大きさは19・2m四方。さらに東側の一部に出入り用と考えられる階段状の張り出しも見つかった。
 現地説明会が10月2日(土)午前11時から開かれる。
[参考:岩手日日新聞、岩手日報、毎日新聞]

過去のニュース・情報
 長者ヶ原廃寺跡
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