歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

福井市・河合寄安遺跡 5世紀前葉の記号土器23点、墨書土器1点を確認

2010年10月26日 | Weblog
 福井市文化財保護センターは25日、同市森田地区と坂井市にまたがる河合寄安遺跡(かわいよりやすいせき)で平成13年度に井泉(せいせん)跡から多量に出土した古墳時代中期(5世紀前葉)に作られたとみられる土器の中から、記号土器23点および墨書土器1点が見つかったと発表した。古墳時代中期の土器に墨で記号があるのが見つかったのは全国で初めて。
 記号土器とは、土器にヘラ状の工具などで直線や曲線を描いたもの。長頸壺(水壺)に描かれることが多く、井戸などから出土することから「水」に関わる祭祀に用いられたと考えられている。弥生時代中期から後期にかけて、主に近畿地方で流行し、全国へと波及したが、古墳時代に入ると次第に衰退していった。
 記号土器は高坏10点、甕10点、大小の壺3点。大半が底部の裏面に記号が刻まれていた。記号は直線を2~6本組み合わせたもので、近畿地方のものと似ている。
 墨書土器は復元した大きさが直径17cm、高さ11cmの高坏で、2重の弧線に放射状の6本の直線を組み合わせた記号が脚部の内側に書かれていた。描かれた位置が記号土器の高坏と共通していることから、記号土器の一種と考えられるという。だが、器表面が赤く彩色した形跡もある点で他の記号土器と区別され、祭祀の中で特別な役割をもって用いられていた可能性もある。
 同遺跡からは木製の祭壇「案(あん)」やミニュチュア土器が出土している。
 記号土器24点は30日から同センターで開かれる企画展「土の中の祈り」で展示する。
[参考:福井新聞、中日新聞、共同通信、福井市HP]

5世紀の墨書土器出土 表面にシカの記号、福井(共同通信) - goo ニュース
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする