と、言うのは聞いたことがあるが、ここ二日の気温は、「梅雨入りなし」の、「いきなり梅雨明け」のようだ。
体がきつい。
本作を最初に映画.comで見つけたのはいつ頃のことだろう。
よく覚えていないが、1月14日に「映画、これも見たい。」で取り上げている。どんなに遅くとも昨年には気がついていた作品であるはず。随分待たされた感じがする。
本作を見る理由は、朝倉あきさんの存在である。
かぐや姫の物語でかぐや姫を演じた朝倉さん。その後一時芸能活動をお休みした。3年前ちょっと前に小田急のCMで見てから、その自然な感じがとても気になり、「お芝居をしているところを観たいリスト」の上の方にず~っと居つづける女優さんである。
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亡き恋人から届いた手紙 - - - 止まったままの私の「時」が動き出す。
3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。
元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密。- - - 喪失感から緩やかに解放されていく初海の日々が紡がれる。
(映画の公式サイトから)
ほぼ実年齢の主人公・滝本初海を朝倉さんが演じている。その初海に思いをよせる染め物職人・志熊藤太郎は三浦貴大さんである。「世界は今日から君のもの」の矢部(三浦さん)と、予告編を見る限り真逆の好青年だ。この二人がどのようにものがたりを紡ぐのか、それが楽しみだった。公開日初日、新宿武蔵野館に出かけた。
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滝本初海(朝倉さん)
元中学校教師。恋人を亡くしたあとも同じ街に住み、そば屋の従業員として生活している。
大きな波のない穏やかな毎日。ただ、それは止まった時間。
冒頭の桜並木と菜の花の中を、喪服の初海が歩いて行くシーン。古いアパートで目覚めるところ。そば屋の常連客である染め物職人の志熊との出会い、会話。
映画館での教え子との出会い。
・・・とにかく日常感が満載である。
夏の日、花火大会を契機に初海と志熊の「距離」は近くなる。
教え子のコンサートを二人で見に出かける。そこで、志熊から告白される初海。彼女の止まった時間の理由、恋人の死を知られたことを、どうしても受けとめきれない初海。
初海が前に進めないのは、実は「恋人の死」だけが理由ではない。心の奥の小さな秘密を、自分の義理の母親になるかもしれなかった人にうち明けたとき、彼女は再生へのスタートを切る。
ラストの笑顔が救いである。
志熊藤太郎(三浦さん)
ぼくとつ青年の志熊藤太郎。人間関係を作るのが得意とは思えない。その彼が一生懸命初海にアプローチをしている。でも、うまくいかない。
ラストでひょっとすると...のシーンがある。
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朝倉あきさん
今回、上映前舞台挨拶付きの回で見た。「お芝居をしているところを観たいリスト」の彼女だが、かなりいいと思う。ステージの上の彼女は、まさに女優さんなのだが、スクリーンの中では等身大の普通の人を、普通にできる女優さんのように思えた。
初海の寝起き姿は、かわいかった。
三浦貴大さん
最初に映画館のスクリーンで観たのは、実は「世界は今日から君のもの」の矢部ではない。2010年の木村拓哉主演「SPACE BATTLESHIP ヤマト」ブラックタイガー隊員(申し訳ないが、ちょい役)が最初である。僕のブログのエントリにも、三浦さんの名前は出ていない。
彼はスタートに恵まれている人だ。だが、その立場でも、そう簡単に”emerge”できるものではない。30代になり、志熊藤太郎という人間をきちんと演じている。いい感じでした。
この二人の若手俳優さん。また、スクリーンで観たい。
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劇場出口で「ぴあ」の人に感想を聞かれました。
「100点満点で何点ですか?
僕は80点と答えました。